中国銘柄レポート

 

中国東方航空(チャイナ・イースタン・エアラインズ)香港0670

  • 中国東方航空はこのほど、スペアエンジン24台を総額7億HKドルで売却する計画を明らかにした。このうち17台を月額506万HKドルでリースバックし、特別利益370万HKドルを計上する見通し。収益への貢献度は小さいが、今回の取引は負債比率低下につながるとみられる。同社の負債比率は2003年末時点で370%に達していた。

バルク貨物輸送業界の展望、2004年5月7日

中国の鉄鉱石輸入がけん引役に

  • ドライバルク貨物輸送市場では、中国の鉄鉱石輸入が輸送サイクル活況のけん引役となっている。かつて不振に陥っていた鉄鉱石貿易は、中国の輸入業者が2003年に3000万トンの鉄鉱石の海上輸送を始めたことに伴い活発化した。Shippers’ Councilによると、2003年のドライバルク海上輸送の増加のうち、中国は約75%を占める見通しだ。

  • 中国経済は今年、8.5%のGDP成長率を記録するとみられており、建設、自動車、造船業界向けに鉄鋼需要の拡大が見込まれる。造船業界では、中国の鉄鉱石輸入は前年比で21%増の約1億8000万トンに達すると予想している。BOCIは過去2年間の船舶の建造実績が乏しいことを理由に、今後2年間は需給ひっ迫が改善する見込みは薄いとの見方を示している。

  • ・ バルク貨物船の供給圧力は過去2年間の受注実績が乏しいため、タンカーよりもさらに強い。海上輸送業界の専門家によると、中国、韓国および日本の造船所はいずれもフル稼働しており、現在、受注されている新船舶が納入されるのは2008年以降になる見通し。さらに、手持ち注文はコンテナ船をはじめ山積みになっており、ドライバルク船の供給が改善するのは早くても2006年下半期以降になると予想している。

  • Clarkson Researchの調べによると、バルク貨物需要はパナマックス242隻に相当するとみられる。これに対し、供給はパナマックス約159隻にとどまり、この結果、2004年は84隻分の不足となる見通しだが、昨年(パナマックス換算で126隻分不足)よりは33%改善するとみられる。

  • 中国の旺盛な原材料需要や新船舶の供給不足を背景に、2003年にはバルチック取引所が発表しているバルチック海運指数(BDI)、バルチック・ハンディマックス指数(BHMI)、バルチック・パナマックス指数(BPI)およびバルチック・ケープサイズ指数(BCI)の4指数がいずれも大幅に上昇した。ドライバルク輸送料金の指標となるBDIは2003年に2倍以上上昇しており、同年末には4,765米ドルと過去20年ぶりの高水準を記録した。なお、2003年の平均はわずか2,617米ドルだった。ドライバルク貨物料金は2004年第1四半期も大幅に上昇し、2月4日に5,681米ドルでピークをつけたが、以降は低下傾向にある。

  • 現在、BDI指数は1日あたり3,958米ドルと年初より15%下落している。重要なのは中国の景気過熱抑制策である。政府は経済を減速させる構えだが、需要は業者が示唆するように依然として堅調。多くの業者は中国の鉄鉱石輸入需要の堅調さに加え、南米の作物輸送の需要増が見込まれることを考慮し、貨物料金は早期に底打ちし、4,000米ドル台で安定するとみている。



   
   
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