中国銘柄レポート

 

哈爾浜ビール集団 (ハルビン・ブルワリー・グループ)、香港0249 5月10日 

  • アンハイザー・ブッシュ(A-B)は5月2日、Global Conduitを総額10億8000HKドル(1株あたり3.70HKドル)で買収する計画を発表した。Global Conduitは今年3月にハルビン市政府から哈爾浜ビール集団(ハルビン・ブルワリー・グループ、香港0249)の株式29.07%を1株あたり3.25HKドルで取得している(同取引は現在も国有資産監督管理委員会の承認待ち)。ハルビン・ブルワリーの株式29.41%を保有しているSABミラーはこれを受け、5月5日に1株あたり4.30HKドルでハルビン・ブルワリーの全面買収を提案している。

  • アンハイザー・ブッシュ、SABミラーの世界のビール大手2社は、中国東北部の2大ビール・メーカーの1つであるハルビン・ブルワリーの経営権をめぐり、争奪戦を繰り広げている。SABミラーは中国東北部のもう一方の2大ビール・メーカーである華潤ビールの株式49%も保有しており、ハルビン・ブルワリーの買収により、「東北部制覇」をねらっている。一方、アンハイザー・ブッシュはハルビン・ブルワリーの買収で東北部市場における基盤を固めたい構え。注目されるのは、ハルビン・ブルワリーの幹部が、2003年7月に主要株主となっているSABミラーに対し、戦略的パートナーとして不満の意を示す一方で、アンハイザー・ブッシュの動きに歓迎の意を表明していることだ。

  • 東北3省の2003年のビール生産量は合計約430万トンで、全国総生産量の約17%を占める。華潤ビールおよびハルビン・ブルワリーのシェアは合計で推定30%強。しかし、同地域では所得が比較的低いため、平均販売価格は市場平均を大幅に下回っている。

  • アンハイザー・ブッシュはSABミラーに対抗して、同社よりも高い価格で全面買収を提案すると予想される。一方、SABミラーの提案する買収価格は妥当とみられる。同価格は2003年実績でPER 38.7倍の水準にあり、重慶ビールを若干、下回る(重慶ビールのバリュエーションには、最近開発した抗B型肝炎薬の潜在的な収益貢献が含まれるとみられる)。生産能力については、SABミラーの提案する買収価格は1トンあたり約3376HKドルで、中国2大ビールメーカーの青島ビールおよび燕京ビールを大幅に上回る。投資判断は「アンダーパフォーム」。

大唐国際発電(ダータン・インターナショナル・パワー 香港0991) 2004年5月7日、HK$6.55

  • 北京大唐発電は、最大10億株のA株発行を中国証券監督管理委員会(CSRC)に申請する計画を正式に発表した。新株は、内資株を保有する既存株主の一部や、国内の自然人および機関投資家に対して販売される。

  • 現在、同社の発行済み株式の35.43%、10.84%を保有する中国大唐集団公司(CDGC)と天津市津能投資公司(TJIC)は、今回発行予定の最大株数が発行された場合、それぞれ3億170万株と9236万株を新たに引き受ける予定。これに加えて転換社債が全て行使されると、CDGCの持ち株比率は33.4%に上昇する。

  • 同社は今回の新株発行を通じて最大60億人民元を調達し、様々なグリーンフィールド・プロジェクトへの投資に充当する方針。このうち10億9400万人民元は大唐潮州発電プロジェクトに、9億9,900万人民元は浙江鳥沙山発電プロジェクトに、8億5400万人民元は大唐彭水水力発電プロジェクトに投資する。この他の投資対象は、托古托(第2期)、神頭、連城、唐山(第2期)、紅河、托古托(第3期)、福建寧徳発電の7プロジェクト。

  • 10億株の新株発行で最大60億元が調達される前提で計算すると、新株1株あたりの発行価格は6人民元。これはH株の現在株価(6.55HKドル)を13.6%下回る一方、転換社債の行使価格(5.558HKドル)を1.8%上回る。新株発行が来年1月1日に行われた場合、来年のEPSは8%希薄化されるとみられるが、負債比率は30%を下回る見通しで、BOCIは事業拡大の余地が大きいとの見方を示している。投資判断は「アウトパフォーム」。



   
   
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