創科実業(テクトロニック・インダストリーズ)、香港0669 8月13日 10.65HKドル
2004年中間決算レビュー
- 2004年6月期中間決算は純利益が前年同期比42%増の2億9900万HKドル、売上高が同40%増の67億HKドルとなった。ただし、純利益は3億1800万−3億3900万HKドルを見込んだ市場予想を下回った。中間配当は昨年実績を24%上回る0.045HKドルとする方針。
- 売上高の高い伸びは、製品および販売地域拡大による既存事業の拡大のほか、昨年4月に買収した掃除機部門「Royal」および昨年8月に立ち上げたプロ用工具「RIDGID」が中間期にフル貢献したことが、主な要因となった。製品別の売上高は電動工具が前年同期比35.9%増となり、全体の70%を占めた。掃除機部門は全体の16%に上り、同53.1%増を記録した。地域別の売上高は引き続き米国がトップで、全体の78%を占めた。
- 電動工具のほか、売上高の4.4%を占めた太陽照明器具および電動測定器の利益率が拡大した結果、売上高の高い伸びが営業利益にもフルに反映された。純利益率はRoyal買収で営業権の減価償却費が増えた結果、昨年並みとなった。
- 原材料費の上昇にもかかわらず、粗利益率は前年同期の26.9%から29.8%に拡大した。スケールメリットの拡大に加えて、生産設備を中国に移転したことが主な背景。売上高に占める販売管理費は自社ブランド製品の広告費用の増加で9.9%から10.3%に上昇。自社ブランドの売上比率は前年同期の59%から74.4%に拡大した。
- 財務内容は引き続き健全。2004年6月末の現預金は20億HKドルとなった。豊富なキャッシュ・ポジションにもかかわらず、経営陣は配当性向を引き上げる代わりに今後の買収資金として留保する方針。経営陣は電動工具およびその他部門において、積極的に買収ターゲットを模索していることを明らかにしている。
- 経営陣は製品カテゴリーの拡大や市場の多様化を背景に、2004年下期および2005年上期も好調な成長モメンタムが続くとの自信をみせている。同社の売上高は大半が下期に計上される見通しのため、営業利益率は一段の拡大が見込まれる。
- 現在株価はコンセンサス予想に基づく2004年予想PERで15.9倍(EPS 0.67HKドル)、2005年予想PERで13.2倍(EPS 0.81HKドル)の水準。BOCIでは過去1年間のレンジであるPER13倍−19倍と比較して、上昇余地が下落リスクを上回ると考えている。
有線ェ頻通訊(アイケーブル・コミュニケーションズ 香港1097)、2004年8月13日、HK$2.65
- 有線ェ頻通訊の2004年6月中間期の純利益は前年同期比55%増の1億4700万HKドル(EPSは0.073HKドル)となり、BOCI予想を26%上回った。中間配当は同2倍の1株あたり0.03HKドルを実施するため配当性向は41%となるが、年間では50%の配当性向を維持する計画。
- 中間期のケーブルTV加入者数は前年同期比9%増の68万2,000人、ARPU(加入者一人あたり平均売上高)は前年同期の219HKドルとほぼ同水準の222HKドルだった。現金営業費用は、番組編成コストが15%増加したことを主因に、10%増加した。サッカー英プレミアリーグの放映権獲得を受けて、下半期には費用が更に増加することが予想される。同社の主な競争相手であるPCCW(HK0008)の「now」ブロードバンドテレビとTVB(HK0511)の「exTV」は、同社の加入者数成長率やARPUに目立った影響を与えていない。一方、減価償却費が安定的に推移したため、営業利益は同12%増と好調だった。
- ブロードバンド部門の6月末時点での加入者数は前年同期比7%増の26万3,000人と伸びが鈍化したが、ARPUは前年同期の125HKドルから142HKドルへと上昇し、この結果、売上高は21%増の2億3,200万HKドルとなった。徹底したコスト管理を背景に、営業損失は前年同期の4,800万HKドルから2,700万HKドルに縮小した。BOCIは加入者数の増加には先行きを楽観視しているが、APRUの上昇余地は限定的と考える。全般的には見通しは良好。
- 上半期の設備投資額は2億3,500万HKドルに上ったが、デジタル・セットトップボックスへの切り替えが完了間近であるため、下半期には2億HKドルを切ると予想される。通年では前年の4億3,700万HKドルとほぼ同水準が見込まれ、2005年は3億HKドルまで縮小すると予想される。手持ち現金は2003年末時点とほぼ変わらずの3,000万HKドル。また、同社はレバレッジドリースの2案件に絡む一過性の税債務が約4,200万HKドルあることを明らかにした。税務局は同社と提携企業2社に対して、合計2億5,800万HKドルの納税を求めた。有線ェ頻通訊の持分は1億600万HKドルで、このうち6,400万HKドルを親会社が補填すると同社はみている。当中間決算には引当金は計上されていない。
- BOCIは2004年の予想純利益を3億200万HKドル(EPSは0.149HKドル)に20%上方修正している。
