中国銘柄レポート

 

香格里拉(亜洲)(シャングリラ・アジア)
香港0069 9月4日 15.20HKドル

2006年中間決算は35%増益、ホテル開業コスト受け利益予想を下方修正

  • シャングリラ・アジアが1日発表した2006年6月中間決算は、純利益が前年同期比35%増の8200万米ドルと、BOCI予想の8600万米ドルをやや下回った。売上高は同21%増の4億7000万米ドル。BOCI予想の4億5200万米ドルを4%上回った。金利スワップによる利益や為替差益、不良債権処理などの特別損益を除いた税引き前利益は、同15%増の9700万米ドルと、BOCI予想の9500万米ドルをやや上回った。2007年に7軒、2008年に5軒のホテルがオープンすることから、BOCIは開業コストを考慮して2006−08年の利益予想をそれぞれ3%、2%、5%の幅で下方修正した。株価の先行きについては、一段の上値余地は限られているとみて、慎重な見方を維持している。ただ、安定した財務体質により同社の2009年までの平均成長率(CAGR)は24%に達すると予想し、長期的にはポジティブと見ている。
  • 過去12カ月のホテルの平均客室収入は前年同期比16%増と高い伸びを示した。地域別にみると、フィリピン、マレーシア、シンガポール、ミャンマーの平均客室収入は、前年同期を20%超上回った。中国では本土の平均稼働率が3ポイント低下したものの、平均客室料金が同16%増加したため、平均客室収入は同11%増となった。香港は客室料金、稼働率ともに上昇。フィジーリゾートは2005年の改装により稼動客室数が減少したため、平均客室収入は13%減だった。
  • 現在運営するホテル49軒のうち、資本関係を持つのは36軒で、13軒ではマネジメント契約を結んでいる。同社は保有・運営ホテル数を2010年までに90軒に拡大する目標を掲げているが、経営陣はすでに36軒のホテル新造計画を発表しており、目標到達まであと5軒と迫っている。2006年6月末現在の同社の純負債額は11億3000万米ドル(負債比率41%)と、2005年12月末現在の6億6700万米ドルから増加した。BOCIは同社の2006年のインタレストカバレッジレシオを4.7倍と推定。純負債額が増加しており、ホテル増設も終盤となっていることから、今後は支出額が減少するとみている。


精電国際(バリトロニクス・インターナショナル)
香港0710 9月4日 4.83HKドル

2006年中間決算は8%減益、取引先の選別で来年は業績快復の見通し

  • 精電国際が1日発表した2006年6月中間決算は、純利益が前年同期比8%減の9000万HKドルだった。若干の減益となったものの、純利益率は9.6%から10.7%に改善。この背景には、1)利益率の高い自動車部品の納入増、2)利幅の薄いMP3メーカー向けの受注縮小、3)中国の携帯端末メーカー向けの受注回復――の3点が挙げられる。同社は先ごろ経営陣を一新しており、2006年が転機の年になるとBOCIは予想。2006年下期からは国内携帯端末メーカーへの売り上げが増加しており、来年はさらなる好業績が期待できることから、BOCIは同社の株価の先行きについて強気の味方を維持している。
  • 精電国際が他のLCDモジュールメーカーと異なるのは、高い技術力を要する車載製品を扱っている点。車載向け製品は新規参入が難しく、製品サイクルも長いため、利益率が他のLCD応用製品をはるかに上回っている。2006年上期の車載向け製品部門の売上高は前年同期比48%増。シーメンスVDO、ジョンソン・コントロールなど欧州メーカーや、韓国オートネットからの受注が増えた。韓国向けの売上高は前年同期比138%増の4300万HKドルに達し、欧州および韓国向けの受注拡大は今後も続く見通し。また先ごろ、ゼネラルモーターズなどを顧客に持つ米自動車部品のデルフォイと契約を交わし、米市場へも進出も果たした。今後同社は日本メーカーとの契約獲得に注力するとBOCIは予想している。
  • 通信部門の売上高は、前年同期比27%減。取引先をコンカ、TCLなどいわゆる正統派の携帯端末ブランドメーカーに限っていたが、これらのメーカーが市場シェアを失ったことが影響した。これを受け、同社は2006年下期から、セロンなどデザイン会社の協力を得て取引先を拡大。現在では通信部門の売上高の70%をこうしたメーカーが占めている。新規取引先の獲得で下期の業績が回復したことから、2006年通年の売上高は昨年を上回るとBOCIは予想している。
  • 産業用部門の売上高は、韓国のMP3メーカーとの取引を意図的に縮小したことで、前年同期比31%減となった。同社は利幅の薄いMP3メーカーの代わりに、米国の白物家電メーカーなどへの供給拡大に注力。現地での販売体制を強化している。モノクロLCDからカラーLCDへの移行や新製品開発を顧客に促すことで需要を拡大。来年は同部門の業績が上向くとBOCIはみている。
  • 同社は時価総額の41%に相当する6億3600万の手元資金を保有。BOCIは同社の配当性向が最高60%を維持し、配当利回りは8%以上になると予想している。


   
   
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