中国銘柄レポート

 

北青伝媒(ベイジン・メディア)
香港1000 6月12日 9.15HKドル

今年も広告収入の低迷続く、BOCIは慎重見通し継続

  • 北青伝媒はこのほど、傘下の主要メディア『北京青年報』の広告収入が、今年も引き続き落ち込んでいることを明らかにした。明確な数字は控えているものの、同社の薛立品・最高財務責任者(CFO)によると、年初から数カ月間の広告収入の減少幅は、昨年(前年比15.2%減)より鈍化し、ほぼ1ケタのペース。中国政府の不動産過熱抑制策を受け、多くのデベロッパーが分譲時の宣伝活動を控えていることが広告低迷の主因という。不動産広告は『北京青年報』の主要収益源。一方、自動車や金融など、他業種の広告収入は安定推移している。
  • 同社が昨年5月に買収した『河北青年報』の売り上げ貢献は、2006年12月通期に650万元。BOCIは今年、編集内容の見直しを受けた購読者の増加で、同紙の大幅な売り上げ増を予想する一方、初期費用の増大から部門赤字が続くと見ている。なお、同社が手がける『北京青年報』関連業務は広告販売代理に限定されるが、『河北青年報』については流通業務込みで全部門を取得済み。従って編集部門のコスト負担も生じるが、BOCIは編集・流通部門を含んだ新たなビジネスモデルを前向きに評価している。ただ一方で、これは発行規模の小さい『河北青年報』だからこそ実現可能であり、旗艦紙『北京青年報』に関しては政府規制の下、編集を含む全部門の取得は難しいと指摘している。
  • 北青伝媒は今年から来年にかけて、『河北青年報』と同様のビジネスモデルに基づき、親会社から『法制晩報』を買収する可能性がある。現時点で同社が保有するのは、『法制晩報』経済版および観光版の広告代理業務に限られており、年間売上高にして1000万元以下。創刊3年の同紙は現在、採算ラインぎりぎりの状況にあり、仮に編集・流通部門を含めた形で買収すれば、数百万元の支出につながる可能性が高い。
  • 同社はコミュニティーペーパーの創刊や屋外広告業務への参入により収入源の多様化を目指しているが、BOCIによると、現在のところ、ほとんど進展が見られない。同社は2004年のIPOで正味8.9億HKドルを調達したが、その後27カ月間に使ったのはわずか1億HKドル。2006年期末の手許現金は13億7000万元に達している。
  • 同社は昨年、テニス・トーナメント「チャイナオープン」の開催に絡んで北京市政府から3500万元を受け取り、2006年12月本決算で2200万元の純利益を計上した。この補助金を除外した場合、同期の経常損失は1300万元。この補助金は今年も支給される可能性があるが、最終決定は下りていない。
  • 広告収入が低迷するなか、BOCIは「チャイナオープン」の収支改善を見込み、同社の2007年12月本決算がほぼ採算ぎりぎりのラインになると予想している(政府補助金を除外)。一方、2008年については予想純利益を57%下方修正し、4600万元(EPS0.232元)に設定。同社株価の先行きに対し、慎重な見方を継続している。




   
   
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