中国銘柄レポート

 

鞍鋼股フン有限公司(アンガン・スチール)
香港0347 6月29日 16.00HKドル

2007−09年予想利益を上方修正、鋼材販売価格の上昇見込む

  • アンガン・スチールの株価は現在、2007−08年予想PERでそれぞれ10倍、7.4倍の水準で取引されている。BOCIは、同社の利益成長見通しから、株価は魅力的な水準と判断。株価の先行きを強気の見方に維持している。
  • BOCIは鋼材の平均販売価格の上昇を踏まえ、2007−09年予想利益をそれぞれ17.8%、20.2%、18.3%引き上げた。また、同社のCRS鋼板およびHRS鋼板の価格は2007−08年にそれぞれ8−13.6%上昇するとみて、それぞれの1トン当たりの推定価格(付加価値税除く)を4600元、3804元に修正。国内需要の拡大、供給量の伸びの鈍化、および2008年北京オリンピックの影響を受け、本土の鋼材価格は引き続き上昇するとみている。
  • 同社は鉄鉱石の9割を親会社の鞍山鋼鉄集団公司から、1割を海外から契約価格で調達しているため、他の競合メーカーに比べて調達コストが安定している。BOCIは、同社が昨年、鉄鉱石を1トン当たり平均530元、今年上期は540元で調達したと予想。調達価格の上昇率は、海外産鉄鉱石価格の9.5%増をはるかに下回っている。
  • 2006年5月に稼動を開始した鋼板工場が500万トン貢献したことで昨年は生産量が増加したが、BOCIは今後同社の生産量がさらに年率平均14%で増加し、2006年の1360万トンから2009年には2020万トンに達すると予想している。これは、昨年政府が認可した遼寧省営口港のプロジェクトの貢献が期待されるため。営口プロジェクトは年産500万トンで、このうち200万トンが厚鋼板、296万トンが熱延薄板。
  • 同社は計画中の株主割当増資について、5月25日の中国国有資産監督管理委員会(SASAC)に続き、5月29日の臨時株主総会で株主の承認を得た。両者からの承認を獲得したことから、現在は中国証券監督管理委員会(CSRC)による審査の通過を待っている。順調に進めば今年第3四半期にも計画を実施することができるとBOCIはみている。同社の計画では、すべての既存株主に対して10株当たり2株または3株の比率で発行する予定。割当価格は価格決定日直前20日間の平均終値でA株またはH株のどちらか低い方を基準に決められる。現在の発行済み株式数59億3300万株を元に試算すると、新株発行数は10株当たり2株の場合11億8660万株、3株の場合17億7990万株となる。6月28日のH株終値に10%の割引率を適用すると、割当価格は14.74HKドル。6月末に発行した場合、2007年EPSは加重平均ベースで9−13%、完全希薄化ベースで17−23%希薄化される。BOCIは増資による資金調達額は170億−260億元に上ると予想。このうち175億元が営口での生産設備の建設資金に充当されるとみている。




   
   
  本資料で提供されている情報については、BOCIインターナショナル若しくはその関連会社・子会社(以下総称してBOCI)、トランスリンク社又は当社が情報の完全性、確実性を保証するものではありません。BOCI又は当社は、本資料に掲載されているいかなる銘柄についても、その売買に関する申し出あるいは勧誘を意図したものではありません。銘柄の選択、売買、売買価格等の投資の最終決定は、お客様ご自身の判断でなさるようにお願いいたします。
本資料に掲載されているBOCIの見解は、各投資家の状況、目標、あるいはニーズを考慮したものではなく、また特定の投資家に対し特定の銘柄、投資戦略を勧めるものではありません。また掲載されている投資戦略は、すべての投資家に適合するとは限りません。
本資料でバリュエーション、レーティング、推奨の根拠、リスクなどが言及されている場合、それらについて十分ご検討ください。過去のパフォーマンスは、将来における結果を示唆するものではありません。見解や評価はBOCIの本資料発表時点での判断であり、予告なしに変更されることがあります。
BOCIは本資料で言及されている銘柄について自己勘定取引を行ったことがあるか、今後行う場合があり得ます。また、引受人、アドバイザー、貸し主等となる場合があり得ます。
本資料の記載内容に関するご質問・ご照会等には一切お答え致しかねますので予めご了承お願いいたします。また、本資料の記載内容は、予告なしに変更することがあります。
掲載されているレポート等は、アナリストや情報提供会社が、独自に銘柄等を選択し作成したものであり、楽天証券が銘柄を指定し対価を支払って特別に作成させたものではありません。