中国銘柄レポート

 

中国石油化工(シノペック)
香港0386 7月19日 8.35HKドル

上半期業務統計は予想範囲内、原油高による経営環境悪化を懸念

  • シノペックがこのほど発表した2007年上半期の業務統計は、ほぼBOCIの予想通りの内容となった。しかし、BOCIは原油価格に関する想定値を上方修正するとともに、同社株価に対する見方を強気から中立へ変更。原油高が石油精製部門の経営環境を悪化させるとの見通しを示している。
  • 同社の上半期の原油生産量は前年同期比2%増。天然ガス生産量は同11%増。いずれもBOCIの通期予想の49%相当に達した。一方、海南省に設置した新規プラント(昨年10月に稼動開始)の寄与により、原油加工量は同6%の伸びを示し、BOCIの通期予想の52%を消化した。ただ、BOCIは原油価格の高騰と石油製品価格の据え置きを理由に、下半期に原油加工量が減少する可能性を指摘し、加工量に関する通期予想値の上方修正を見合わせている。
  • 石油製品の上半期の生産量を見ると、灯油が前年同期比29%増と、唯一2ケタ台の伸びを示した。これは前年同期に一部生産施設の操業を停止していたことが主因(2006年上半期の灯油生産量は前年同期比6%減)。また、軽油など他製品の一部ラインを灯油用に振り向けたことなども影響した。今年上半期には直接販売や小売販売に比べ、卸売販売が大幅な伸びを示したが、これも灯油(すべて卸売扱い)生産量の伸びに起因している。
  • BOCIは原油高と石油製品価格の据え置きを理由に、石油精製部門の逆風を予想している。英インターコンチネンタル取引所(ICE)におけるブレント原油価格は第2四半期に1バレル当たり68.6米ドルと、第1四半期比で15%上昇し、5月末以降はほぼ同70米ドルを超える水準で推移。その一方で、軽油、ガソリン、灯油などの石油製品価格は、中国政府が今年1月半ばに値下げして以来、そのままの水準に据え置かれているためだ。BOCIは第2四半期の石油精製部門の利幅が1バレル当たり3米ドルと、ほぼ採算ぎりぎりのラインまで低下したと予測(第1四半期は同5.75米ドル)。また、インフレ警戒感を強める中国政府が短期的に石油製品値上げに踏み切る可能性は低いと指摘し、石油精製部門を取り巻く環境が第3四半期にさらに悪化すると見ている。
  • BOCIは石油精製部門の業績改善を理由に、これまで同社株価の先行きに強気の見方を示してきたが、原油相場の上昇によって状況は一変した。




   
   
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