中国銘柄レポート

 

中芯国際集成電路製造有限公司(エスエムアイシー)
香港0981 7月30日 1.04HKドル

2007年第2四半期は赤字転落、通年の予想利益を下方修正

  • 中芯国際集成電路製造有限公司(SMIC)が発表した2007年第2四半期決算は、純損失が210万米ドルと、前四半期の純利益880万米ドルから赤字転落した。ただし、設備売却益(第1四半期は2720万米ドル、第2四半期は130万米ドル)を除外した場合、第2四半期の赤字は330万米ドルと、第1四半期の1840万米ドルから縮小している。しかしながら、中国政府から支給された金利助成金を除いた純損失は推定2100万米ドル。同社の株価は現在、2007年予想PBR0.8倍と割安感があると考えられるが、BOCIは同社の株価の先行きを慎重な見方に維持している。
  • 売上高は前四半期比で3.5%減と、同社見通しを下回る水準だった。ウエハー出荷量の減少とDRAM市場の低迷が影響した。1分当たりのウエハー製造能力は製品構成の変化により第1四半期の17万7150枚から第2四半期は16万9000枚に低下。DRAMの売上比率は第1四半期の34.7%から第2四半期は28.9%に縮小した。一方で、成都や武漢のプロジェクトの管理手数料収入により、システムおよびその他部門の売上比率は第1四半期の9.7%から第2四半期は13.9%に上昇した。
  • 第2四半期の設備売却益は、第1四半期の2720万米ドルに対し、130万米ドルにとどまった。しかし、第1四半期に1500万米ドルに上った金利支払いは、政府助成金により第2四半期は330万米ドルに減少。これらの特別項目を除いた場合の純損失額は、第1四半期の1840万米ドルに対し、第2四半期は2160万米ドルとなっている。
  • 売上高は低迷したものの、設備稼働率のアップと減価償却費の低減により、粗利益率は前四半期の9.5%から10.3%に改善。営業コストは前四半期比117%増に上ったが、設備売却益を除いた場合は同1.1%減だった。
  • DRAM市場の回復を踏まえ、同社は第3四半期業績を2−5%増収と予想。90ナノメートルチップの貢献や、省電力ICおよび消費者製品のファウンドリ需要増が見込まれるという。ただ、金利コストに対する政府からの助成は前回限りであるため、第3四半期は減価償却費と金利コストが上昇するとみられる。BOCIは、今年下半期の業績と、成都プロジェクトの管理手数料が減少する見通しを踏まえ、同社の通年の予想利益を63%引き下げ2600万米ドルに下方修正した。




   
   
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