中国銘柄レポート

 

ASM パシフィック・テクノロジー
香港0522 7月31日 68.25HKドル

2007年6月中間決算、4%減益ながらも業況回復傾向が鮮明に

  • ASM パシフィック・テクノロジーの2007年6月中間決算は、純利益が前年同期比12.6%減の5億4640万HKドルにとどまった。ただ、前半期(2006年1−6月期)との比較では4.2%の増益。2007年第2四半期の純利益は第1四半期比で21.5%の伸びを示した。また、2007年6月中間決算の売上高は前半期比4.0%増、前年同期比4.4%増の23億7400万HKドルとなり、第2四半期の売上高は第1四半期比で47%増加した。昨年下半期に見られた業況の低迷は短期的かつ緩やかなものにとどまり、今年上半期から回復基調に入ったことをうかがわせている。
  • 2007年第2四半期には、特にウエハー加工装置部門(売上構成比81%)が好調を示した。受注の伸びを背景に、部門売上高は前四半期比49.9%増。また、2007年6月中間期の部門売上高は、前半期比で7.9%の伸びを示した。業況がさえない状況下で、取引先、製品両面の多様化戦略が奏功したほか、半導体加工・検査事業の中国へのシフトもプラスに作用した。中国本土市場における中間期の売上高は前年同期比36.8%増となり、売り上げ全体の33.8%を占める最大の市場となっている。
  • 一方、リードフレーム部門の6月中間期の売上高は、マレーシアへの一部生産ラインの移転に伴う生産量の減少で前半期比9.9%、前年同期比2.3%の落ち込みを示した。しかし、移転完了を受け、第2四半期の売上高は第1四半期比で34.9%の回復を見せた。
  • コスト面に目を向けると、6月中間期には減価償却費の小幅の増加により、粗利益率が42.8%へ低下した。ただ、売上高に対する営業経費の比率は前半期並みの18%。また、実効税率の上昇や粗利益率の低下にもかかわらず、純利益率は前四半期並みの23%を確保した。
  • 2001/2002年度の海外子会社の収益をめぐり、香港税務当局が追徴税の課税に動き出したが、BOCIは追徴税額が小さいことなどから、この件が同社に及ぼす影響は軽微と見ている。
  • 同社の6月末時点の受注残高は1億4600万米ドル。BOCIは業況回復を受け、2007年下半期の健全な業績成長を予想し、2007年、2008年の予想増益率をそれぞれ3%、8%の幅で上方修正した。同社と競合する米キューリック・アンド・ソファは、2007年第3四半期に前四半期比26%の増収を予想し、業況全般の回復を示唆している。
  • 同社は1株当たり1.30HKドルの中間配当(同0.6HKドルの特別配当を含む)を実施する方針。これは前年の中間配当(同1.45HKドル)をやや下回るが、BOCIは2007年12月期も、同社が90%の高配当性向を維持すると見ている。
  • BOCIは中間決算内容を前向きに評価。中国への加工業務のシフトもプラスに評価し、同社株価の先行きに強気の見通しを示している。




   
   
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