中国銘柄レポート

 

地鉄公司(MTRC)
香港0066 8月8日 18.88HKドル

2007年上期は21.2%減益、予想利益は据え置き

  • 地鉄公司(MTRC)が発表した2007年6月中間決算は、純利益が前年同期比21.2%減の40億7000万HKドルにとどまった。再評価益などを除いたコア利益は同48.1%増の20億5000万HKドルと、市場予想(12億−20億HKドル)を上回る水準。不動産開発事業が予想以上に利益貢献した。九広鉄路(KCRC)との合併効果による一株当たり純資産価値(NAV)上昇の可能性や、海外の鉄道事業への投資拡大を踏まえ、BOCIは同社の業績見通しを引き続き楽観視。予想NAVを26.4HKに設定している。
  • 不動産開発事業はプロジェクト数減少のため、利益が前年同期比59%減の17億HKドルにとどまった。このうち33%は東涌の開発プロジェクトの繰延税金資産、62%は「ハーバーグリーン」や「カリビーンコースト」からの収入となっている。
  • 当期は不動産開発事業が59%減益となったものの、下期は調景嶺駅の「ル・ポイント」事業からの貢献が期待できる。さらに、繰延税金資産(2007年6月現在で11億HKドル)も向こう18カ月間計上される見通し。BOCIは、下期の不動産開発部門からの貢献を考慮し、予想利益を据え置いている。
  • 当期の地下鉄およびエアポート・エクスプレス(AEL)の利用者数はそれぞれ前年同期比2.6%増の4億2900万人、同7.2%増の480万人だった。競争激化にもかかわらず、公共交通における同社のシェアは24.7%から25.0%に拡大。クロスハーバーのシェアは60.4%から61.2%に増えた。MTRの平均運賃は、プロモーションプログラムの変更や、長距離乗車客およびクロスハーバー利用客の増加により、同0.6%増の6.84HKドル。一方、AELの平均運賃は同0.6%減の64.40HKドルだった。駅構内の広告やその他収入はほぼ横ばいの7億3500万HKドル。この結果、開発利益を除いたEBITDA(金利・償却・税引き前利益)は同6%増の28億HKドルとなった。
  • 鉄道合併法案が6月8日に立法議会を通過。KCRCとの合併に関する承認手続きはほぼ完了し、最終発表を残すのみとなった。合併は運賃引き下げにつながるものの、KCRCのコスト効率の改善とMTRCの資産増により、株主への付加価値増が期待できる。同社は2009年完工予定の北京地下鉄4号線プロジェクトとは別に、深セン地下鉄4号線について国家発展改革委員会(NDRC)の最終認可を待っている。このほか、深セン、武漢、杭州、蘇州、北京のプロジェクトについても協議を進めており、先ごろはロンドンの鉄道事業も落札した。BOCIは、中国本土プロジェクトの多くが駅付近の不動産開発を含んでいることから、香港以外の事業が今後も業績をけん引するとみている。




   
   
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