中国銘柄レポート

 

中国電力国際発展有限公司(チュウゴクデンリョクコクサイ)
香港2380 8月9日 3.96HKドル

2007年決算の低迷から一転、2008年以降に業績改善を予想

  • BOCIは中国電力国際について、2008年、2009年に業績改善傾向を見込んでいる。その理由は主に、【1】2007−08年に大型発電所プロジェクトが稼動を開始する見通し、【2】2008年に設備稼働率が大きく上昇する見通し、【3】石炭との価格連動メカニズムに基づき、中国政府当局が来年初めにも電力卸売価格を引き上げる見通し――。
  • 一方、同社の2007年6月中間決算は、さえない結果に終わる可能性が高い。BOCIによると、同期純利益は前年同期比4%減の2億9400万HKドルにとどまる見通し。昨年実施した新株割当増資による希薄化効果で、EPSは同17%の落ち込みが予想されるという。中間期の減益要因は主に、前年同期比10%増大した燃料コストや、安徽省における電力価格の低水準など。また、設備稼働率の低下から、発電量の伸びが同4%にとどまったことなども、業績悪化要因として指摘されている。
  • メディア報道によると、同社が安徽省に新設した平ウ(土へんに于)2号発電所の電力価格が、1メガワット時当たり270元(全国平均371元)にとどまったもよう。ただ、BOCIはこの情報に対する市場の過剰反応を指摘し、2007年通期純利益に及ぼす影響は3−4%にとどまるとしている。また、上海、浙江、江蘇など他省市への輸出向けに設計された同発電所が、予想より前倒しに稼動したことに言及。他省への電力輸出に関する規定がまだ確定していない現状が、同発電所の電力価格を抑えた一因と見ている。
  • 同社が株式25%を保有する上海電力(上海A 600021)の2007年6月中間決算は、純利益が前年同期比10%増の2億1100万元に達した。BOCIは上海電力による2007年通期の利益貢献を1億1000万HKドルと予想しており、中間決算の結果はBOCIの予想範囲内となっている。
  • 一方、同社経営陣によると、親会社からの清河発電所の買収は、完了までに時間がかかる見通し。同社が買収に先立ち、旧施設の減価償却を求めていることが理由。BOCIは2008年上半期に、同発電所の買収が実現すると見ている。
  • BOCIは今回、石炭価格の高騰や電力価格の低水準、買収計画の遅れなどを理由に、2007年、2008年通期の利益見通しを15%、8%下方修正した。ただ、BOCIの予想純利益に基づく現在株価の2008年予想PERは12.8倍、2009年予想PERは10.3倍と、セクター全体平均の16倍、14倍を下回る水準にある。また、2007−09年の予想増益率は31%と、セクター平均の18%を上回る。2007年通期決算は低迷する見通しだが、BOCIは同社にとって、2007年が業績改善への過渡期に当たると指摘。2007年6月中間決算の不振から、短期的には不安定な値動きが続くと予想しながらも、同社株価の先行きに強気の見方を示している。




   
   
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