中国銘柄レポート

 

創科実業(テクトロニック・インダストリーズ)
香港0669 8月23日 8.16HKドル

2007年の再編コストは1.5億米ドル、利益見通し下方修正

  • テクトロニック・インダストリーズはこのほど、アナリスト説明会の中で、「戦略的リポジショニング・プラン」に関するより詳細な情報を明らかにした。経営陣によると、再編計画に絡む2007年の総コストは総額1億5000万米ドルに達する見通しであり、すでにこのうち800万米ドルを6月中間期に計上した。総コストの主な内訳は、再編費用(非現金部分を含む)が5500万米ドル、取引費用が2500万米ドル。ただ、BOCIはフーバー社(清掃用品メーカー)買収に伴う「負ののれん代」の金額規模をめぐり、不透明感が残ると指摘している。
  • 同社はまた、上記のコストのほか、向こう3年間にわたる事業エリアのシフトに2200万米ドルを費やす計画。具体的には、各地域の生産施設および製品開発部門を低コスト地域に再配置することや、事業構造および経営資源の再編成、ブランド・製品管理などがこれに含まれる。同社経営陣によれば、再編完了に伴うコスト削減効果は、年間7000万米ドルに上る見通しという。
  • BOCIは今回、再編コストを織り込む形で、2007年度、2008年度の予想純利益をそれぞれ79.8%、4.5%下方修正した。2007年12月期については、再編コストを反映させる一方、「負ののれん代」を考慮外とした上で、予想純利益を2億4500万HKドルに設定した。これは前年実績の11億HKドルを大きく下回る数字となる。同社経営陣はフーバーやアウトドア部門の業績改善に自信を示しているものの、BOCIは経営陣が示した情報が限られることを理由に、慎重なスタンスを継続。同社株価の先行きに慎重な見方を維持している。


中国網通集団(香港)有限公司(チャイナ・ネットコム)
香港0906 8月23日 18.24HKドル

2007年6月中間決算、ローカル通話事業が予想以上に低迷

  • チャイナ・ネットコムの2007年6月中間決算は、継続事業を対象とした調整後純利益が前年同期比10%減の52億3000万元となった(EPSは0.787元)。これはBOCIの予想を約2.8%下回り、市場コンセンサスの下限の水準。一方、非継続事業を含む調整後純利益は同2%増の58億6000万元。同社は今年初め、上海と広東の通信資産を親会社・中国網絡通信集団公司に売却しており、この分の売却益6億2400万元が小幅増益を支えた。また、2001年7月に廃止された「初期接続費用」(廃止後10年間にわたり直線法に基づいて計上)を含めた場合、同期の継続事業限定の純利益は同15%減の60億9000万元。全体の純利益は同5%減の67億1000万元(EPSは1.00元)と、BOCIの予想をやや下回る水準となった。
  • 同社は今回、上海、広東の通信資産売却を反映させる形で、過去の決算数字を修正した(純利益に影響は出ていない)。6月中間期にはブロードバンド・インターネット事業が急成長する一方、主力のローカル通話部門が予想以上に低迷し、前年同期比の増収率はわずか0.4%。ローカル通話部門(固定電話およびPHSサービスを含む)の契約者数の伸びは、同期に110万件にとどまった。昨年末に休眠顧客の整理を進めたため、契約者総数は今年6月末に1億1510万件と、前年同期比4%減。また、ローカル通話部門の収入は同15%減と、大幅な落ち込みを示している。
  • 対照的に、ブロードバンド部門の契約者数は同期に270万人増加し、6月末時点で1710万人(前年同期比27%増)に達した。コンテンツの充実により、ARPU(契約者1人当たり月額収入)も前年同期比3%増の67.4元。このほか、政府機関や大手企業を対象としたICT(情報・コンピュータ・テレコム)サービス部門が、6月中間期に成長を見せた。
  • 同期の営業経費は前年同期比4.2%増の313億6000万元。販売費・一般管理費が同15%減少する一方、ネットワーク運営費が同18%膨らんだ。これにより、EBITDAマージンは53.9%、営業利益率は22.9%と、いずれも前年同期実績を下回った。
  • BOCIは同社の通期利益見通しを据え置くとともに、同社株価の先行きに慎重な見方を継続している。


   
   
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