中国銘柄レポート

 

数碼通電訊集団(スマートーン)
香港0315 8月29日 8.54HKドル

2007年6月本決算は182%増益、2008−09年予想利益を上方修正

  • スマートーンがこのほど発表した2007年6月本決算は、純利益が前年比182%増の1億5800万HKドル(EPSは0.271HKドル)と、BOCI予想および市場コンセンサスをおよそ38%上回る水準だった。売上高は予想を下回ったものの、コスト管理の徹底が業績に寄与した。
  • 同社は1株当たり0.27HKドルの期末配当を実施する方針(前年は0.12HKドル)で、配当性向は100%。同社は今後この比率を維持するとみられる。またさらに特別配当として1株当たり0.85HKドルを支払う予定で、配当総額は1.12HKドル(配当利回り13%)に達する。2007年6月末現在、同社の手持ち現金は23億5000万HKドル(1株当たり4HKドル)。年間0.85HKドルの配当を実施した場合、これを使いきるには3年以上かかる。設備投資予算を年間4億5000万HKドル、償却費も同水準とすると、100%の配当性向は実施可能と考えられる。現在のところ同社が手持ち現金に手をつける計画はないものの、今後特別配当を実施する可能性は低いとBOCIは予想している。
  • 2007年度の新規加入件数は1万4000件で、6月末時点の加入者総数は108万人。これは予想を若干下回る水準で、2006年12月時点の加入総数109万人からは減少した。ポストペイド契約の3分の1が第3世代(3G)サービス利用者で、解約率は2.3%を維持。市場の競争は沈静化している。データ利用の拡大により(売上比率は2006年上期の12.5%から2007年下期は20%に拡大)、ARPU(契約者1人当たりの月間収入)は前年の213HKドルから225HKドルに上昇。総じて、売上高は前年比6.9%増の40億4000万HKドルとBOCI予想を5%下回った。
  • 営業費は前年比4.5%増の38億6000万HKドルと、BOCI予想を7%下回る水準。今後CDMA2000のライセンスが新規発行されることにより、業界への新規参入が予想される。市場にはすでに3G事業者3社、2G事業者1社がひしめいていることから、競争の再燃も考えられる。
  • 不確実な状況ではあるものの、BOCIは同社の2008−09年予想利益をそれぞれ36%、45%引き上げ、2億5700万HKドル(EPSは0.443HKドル)、3億4400万HKドル(EPSは0.593HKドル)に上方修正した。同社の株価は現在、向こう12カ月の予想PERが過去5年間の平均24倍だったのに対し、現在18倍の水準。BOCIは同社の来年の配当利回りを5.2%とみて、株価の先行きを強気の見方に維持している。


建滔化工集団有限公司(キングボード・ケミカル)
香港0148 8月29日 42.00HKドル

2007年6月中間決算は22%増益、化学部門好調で2007−08年予想利益を上方修正

  • キングボード・ケミカルがこのほど発表した2007年6月中間決算は、前年同期比22%増益の13億HKドルだった。売上高は21%増の90億2000万HKドル。期初にプリント基板(PCB)市場が減速したものの、化学事業の好調がこれを上回った。同社は前年同期比50%増に相当する1株当たり0.30HKドルの中間配当を実施する方針。
  • 同社はラミネートの世界市場で11.5%のシェアを持つトップメーカー。ラミネート部門の売上高は前年同期比26%増の47億HKドル、EBIT(金利・税引き前利益)は同13%増の10億HKドルだった。原料コストの上昇と、江蘇省に新設したガラスエキポシ・ラミネート工場への初期投資により、EBITマージンは前年同期の24.9%から22.3%に低下した。
  • PCB部門の売上高は、同19%増の34億HKドル。EBITは同25%減の2億4500万HKドルだった。同部門はPC市場の在庫調整を受けて需要が低下。受注減と稼働率低下によりEBITマージンは前年同期の11.3%から7.1%に低下した。
  • 化学部門の売上高は同25%増、EBITは同88%増の2億6400万HKドルに達した。販売価格の上昇、生産規模の拡大、および原料コストの低下により、EBITマージンは前年同期の7.6%から11.4%に改善。中国南部での苛性ソーダ需要拡大により、湖南省の工場の利益率が向上した。
  • BOCIは、化学部門での予想以上のEBITマージン達成と、さらなるコスト減を考慮し、同社の2007−08年のEPS予想をそれぞれ8.8%、12.7%引き上げた。下期はラミネート部門が好調を維持し、PC関連のPCB需要が回復すると予想している。
  • 同社の株価は現在、2007年予想PER14倍で取引されており、4.7−14倍だった過去の水準に比べて割高と考えられる。よって株価の見通しは慎重の見方に据え置いている。


   
   
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