中国銘柄レポート

 

中国電力国際発展有限公司(チュウゴクデンリョクコクサイ)
香港02380 9月18日 2.28HKドル

2009年6月中間決算は黒字転換、五凌電力買収と電力需要回復による業績改善見込む

  • 中国電力国際(CPI)が発表した2009年6月中間決算は、売上高が前年同期比21.9%増の49億2700万元。純利益が1億5200万元と前年同期の2億5000万元の赤字から黒字転換を果たした。電気料金の引き上げによる収入増が業績に寄与。EBITDA(税引き・利払い・償却前利益)マージン、営業利益率もそれぞれ大幅に改善した。ただ、発電量は前年同期を0.8%下回った。
  • 09年1−6月期の中国電力国際の燃料コストは前年同期を上回った。同社が主要石炭生産業者との契約価格による調達に依存していることが主な原因。BOCIは通年の燃料コストについて、前年比5.5%減の197元/メガワット時(MWh)と、当初の前年比10%減から予想値を引き上げた。09年1−6月期の燃料コストは213.7元/MWhだった。
  • BOCIは中国電力国際による五凌電力有限公司の買収手続きが2009年末までに完了すると予想。これにより同社の発電能力は25%拡大し、湖南省と貴州省における水力発電資産が全体の22%を占めるようになる。中国電力国際は親会社から五凌電力の株式63%を47億7000万元で取得する。買収代金の70%は14億7000万株(増資後発行済み株式数の29%)の新株で支払う。割当価格は1株当たり2.408HKドル。
  • 五凌電力は11の発電所を保有しており、さらに現在3カ所で発電所を建設中。3.56ギガワット(GW)の発電能力のうち、水力発電が多くを占めている。五凌電力の買収により、中国電力国際は事業基盤を強化。EBITDAマージンの上昇と営業キャッシュフローの大幅な改善も期待されている。
  • BOCIは、中国電力国際が事業を転換する地域における電力需要が09年下期には回復するとの見方を強めている。安徽省および湖南省における電力需要の回復ペースは、過去2−3カ月にわたり国内平均を上回った。同社経営陣は当初、既存発電所の通年発電量について前年比1−2%減との見通しを示したが、BOCIは前年並みを維持すると予想。さらに、石炭市場が低調にある中で2010年の契約価格を設定することを考慮し、平均燃料コストが年末に向けてさらに下落するとみている。
  • 中国電力国際の株価は2009年予想PBR0.8倍と、大手電力会社の中で最も低水準で取引されている。五凌電力を買収した後の同社発電能力は11.4GWと、大手の3分の1から2分の1に相当する水準に増強される。BOCIは、同社の利益率回復と負債比率上昇により、ROE(株主資本利益率)の改善を期待する。また、収益基盤の強化、ROEの改善、さらなる資産買収の可能性を見込み、中国電力国際の株価は割安と判断。株価の先行きを強気の見方に据え置いている。

   

   
   
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