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■第12回 DMI

今週は「DMI」をご紹介します。

これまでご紹介した「RSI」、「ストキャスティクス」や「RCI」は、ある一定のレンジの中で株価が上昇、下落する時の売買判断には有効ですが、株価がそのレンジからはずれた場合には注意が必要です。

そこで考案されたのがこの「DMI」です。
「DMI(Directional Movement Index)」は「方向性指数」と呼ばれ、「RSI」、「ストキャスティクス」や「RCI」ではわからない「トレンドの有無」や「トレンドの強弱」を見ることが出来ます。
「DMI」は3本の指標(「+DI」、「−DI」、「ADX」)から構成されていて、それぞれが重要な意味合いを持っています。
先ず「+DI(Directional Indicator)」ですが、こちらは「正」の方向性指数と考えます。次に「−DI」ですが、こちらは「負」の方向性指数と考えます。
最後に「ADX(Average Directional Movement)」ですが、こちらはトレンドの強さを表します。

【計算式】
+DM=当日の高値―前日の高値
−DM=前日の安値−当日の安値
注)+DMと−DMを比べ小さいほうを0とし、同じ値の場合は0としない
また、+DMがマイナスの場合は+DMの値を0とし、 −DMについても同様とする
TR=A・B・Cの最大値
 A当日の高値−当日の安値、B当日の高値−前日の終値、C前日の終値−当日の安値
 +DI14=+DM14/TR14
 −DI14=−DM14/TR14

ADX=DX9
 DX=|(+DI)−(−DI)|/|(+DI)+(−DI)|
   =|(+DM)−(−DM)|/|(+DM)+(−DM)|
注)| |は絶対値

<DMIの見方>
・「+DI」は「正の方向性指数」ですのでローソク足の動きと相関します。
・「−DI」は「負の方向性指数」ですのでローソク足の動きと逆相関します。
・「ADX」は上昇及び下落トレンドの大きさを表しますので、「+DI」と「ADX」が一緒に上昇
している時は「上昇トレンドの勢いは強い」と言え、また「−DI」と「ADX」が一緒に上昇している時は「下降トレンドの勢いが強い」と言えます。

それではマーケットスピードを使い実際のチャートで検証してみましょう。
【設 定】
○銘 柄 名 : ソニー(コード6758)
○期 間 : 20010328〜20011228
○チャート : 2層チャート:上段「ローソク足」、下段「DMI」

【解 説】
上記期間中の10340円に最高値を付けた2001年5月22日から3960円の最安値を付けた2001年10月3日までの間、「−DI」と「ADX」が同じトレンド(相関)を描き、且つ「+DI」よりも常に上にあります。
「−DI」と「ADX」が上昇トレンドにある間中、株価は下落を続けています。
また、3960円の最安値を付けた2001年10月3日を見ますと、「+DI」と「−DI」がクロスしており、それぞれの方向性の強さが逆転しています。
またローソク足を見ますと、これまで下落しつづけた株価が上昇に転じています。
さらに、「+DI」と「−DI」のクロスは、ローソク足の「移動平均線がゴールデンクロスするより早い「トレンド転換シグナル」となっています。

まとめますと以下のようなことが言えます。
  1. 「+DI」が「−DI」より上にある時は株価は上昇トレンド或いは上昇基調にあるといえます。
  2. 「−DI」が「+DI」より上にある時は株価は下降トレンド或いは下落基調にあるといえます。
  3. 「+DI」と「ADX」が一緒に大きく上昇しているときは「上昇トレンドが強い」といえます。
  4. 「−DI」と「ADX」が一緒に大きく上昇しているときは「下降トレンドが強い」といえます。
<売買判断のポイント>
○3本の線がクロスしているところが売買ポイントとなります。
「買いたい場合」は「+DI」が上向き、「−DI」が下向き、「ADX」が上向きにクロスしているポイント
「売りたい場合」は「+DI」が下向き、「−DI」が上向き、「ADX」が上向きにクロスしているポイントとなります。

※必ずしも3本の線がぴったりクロスしない場合があります。
※また、「−DI」と「+DI」がクロスした後、トレンドの強さのダマシを避ける為に「ADX」が30%以上、上昇してから買う等の売買方法もあります。

次回は「株価移動平均乖離線」をご紹介いたします。

以上
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