2015年の総括

株式

2015年の国内株式市場は、円安やインバウンド需要に伴う企業業績の回復から年前半は堅調に推移、中国経済に対する先行き懸念から年央に急落したものの、年後半にかけては再び上昇しました。
2015年12月末時点における「国内株式」分類平均インデックスのトータルリターンは過去1年間で 11.14%、過去3年間で91.44%の上昇となりました。割安株より成長株が優勢で、多くのアクティブ投信が分類平均を上回りました。

一方、 2015年の世界の株式市場は、米国では緩やかな景気回復を背景に利上げが懸念されるなか通年では株価、為替ともほぼ横ばい、欧州では追加金融緩和などを 背景に株価が上昇したものの、円高ユーロ安が進行しました。
また、業種別ではヘルスケアセクターなどが堅調な一方で、素材・エネルギーセクターなどが大きく下落しました。
2015年12月末時点における「先進国株式(広域)-為替ヘッジ無し」分類平均インデックスのトータルリターンは過去1年間で -4.98%の下落、過去3年間で64.88%の上昇となりました。

アクティブ投信が苦戦するなかで、インデックス投信がより効率的に分類平均を上回りました。

債券

2015年の国内債券市場は、年前半は日銀が追加緩和に慎重な姿勢を取ったことや円安米ドル高が進行したことなどを背景に長期金利が上昇基調を辿ったものの、その後は中国の景気減速懸念や商品価格の下落、米利上げ実施観測の後退などを受け、長期金利は低下の一途を辿りました。
2015年12月末時点における「国内債券」分類平均インデックスのトータルリターンは過去1年間で0.59%、過去3年間で5.46%の上昇となりました。運用コストが低いインデッ クス投信が総じて好成績となりましたが、数少ない一部のアクティブ投信がより効率的に分類平均を上回りました。

一方、2015年の世界の債券市場は、年前半は米国の早期利上げ観測の高まりなどから、欧米とも債券利回りが上昇したものの、米国の景気回復ペースが緩やかだったことやECBの追加緩和期待を受けて年後半にかけては利回りが低下しました。
2015年12月末時点における「先進国債券(広域・高格付)-為替ヘッジ無し」分類平均インデックスのトータルリターンは過去1年間で5.51%の下落、過去3年間で28.25%の上昇となりました。

高金利の資源国債券を組み入れたアクティブ投信が苦戦するなか、インデックス投信がより効率的に分類平均を上回りました。

REIT

国内不動産(リート)は、2015年こそ苦戦を強いられたものの、3年間を通してみると東証リート指数は70%を超える上昇率を記録しました。今回選定された3銘柄は全てアクティブ型、且つ定期分配型で、いずれもインデックス投信を上回りました。3銘柄とも買付手数料はノーロードではなかったものの、信託報酬はリートのアクティブ型としては平均的な水準でした。

一方、海外不動産はノーロード(買付手数料無料)のインデックスファンドが2本と、買付手数料ありの毎月分配型が1本というラインナップになりました。
2015年は長期金利の上昇に対する警戒感が台頭し、海外不動産型も苦戦しましたが、代表的な指数であるS&P先進国リート指数は3年間でみると80%超の上昇率を記録しています。

バランス

複数の資産を組入れたバランス型ファンドは、固定、変動ともにバラエティ豊かなラインナップとなりました。

「固定」については、債券の組入比率が高いファ ンドほど良好な成績に結び付きました。価格変動の大きい株式やリートを組入れると相場の上昇局面こそ力を発揮しますが、相場調整時の下落リスクも大きくなります。
こうした理由から、資産配分に大きな変動のない「固定」では、3年間でみると債券中心のファンドの方が安定した成績を収める結果となりました。

一方、「可変」については、機動的に株式の組入比率を調整し、収益を獲得できたファンドほど良好な成績を収めました。
可変型のバランスファンドの中には、基準価額を下落させないように運用する「守り」の要素が強いものもありますが、結果的に株価の上昇局面で「攻め」の運用ができたかどうかがポイントとなりました。

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