株式
2016年の世界の株式市場は波乱の1年となりました。中国の経済指標悪化から投資家のリスク回避姿勢が強まり、年初から下落基調が続きました。その後原油価格の急反発などから回復したものの、6月に英国の国民投票でEU離脱(ブレグジット)が選択されると、再び急落。年後半は、米国経済の持ち直しに加え、11月に米大統領選でトランプ氏が勝利したことを契機に株式市場の上昇に拍車がかかりました。
2016年12月末時点における「国内株式」分類平均インデックスのトータルリターンは過去1年間で 0.17%の下落、過去3年間で21.55%の上昇となりました。3年間を通しては割安株より成長株が優勢でしたが、足元1年は割安株が優勢で、多くのアクティブ投信が分類平均を上回りました。
一方、「先進国株式(広域)-為替ヘッジ無し」分類平均インデックスのトータルリターンは過去1年間で2.44%、過去3年間で15.4%の上昇となりました。 アクティブ投信が苦戦するなかで、インデックス投信がより効率的に分類平均を上回りました。
債券
2016年は主要先進国の債券利回りも大きな転機になりました。年前半は、中国の減速、原油価格の値下がり、ブレグジットなど、危険回避の動きが強まったことを受け、債券利回りは低下しました。年後半は、米国経済の持ち直しに加え、米大統領選でトランプ氏が勝利し、財政支出拡大が期待されるなか、債券利回りは急上昇しました。
2016年12月末時点における「国内債券」分類平均インデックスのトータルリターンは過去1年間で2.05%、過去3年間で5.96%の上昇となりました。運用コストが低いインデッ クス投信が総じて好成績となりましたが、数少ない一部のアクティブ投信がより効率的に分類平均を上回りました。
一方、「先進国債券(広域・高格付)-為替ヘッジ無し」分類平均インデックスのトータルリターンは過去1年間で3.80%の下落、過去3年間で4.53%の上昇となりました。 運用コストが低いインデッ クス投信が総じて好成績となりましたが、社債を組み入れた一部のアクティブ投信がより効率的に分類平均を上回りました。
REIT
2016 年のリート市場は、各国の長期金利に振らされる動きになりました。年初はリスク回避の動きから急落したものの、日銀のマイナス金利導入や米債券利回りの低下により、年前半は堅調に推移しました。年後半は、各国リート市場とも軟調に推移するものの、年末にかけてはインフレ期待などから回復に転じました。
2016年12月末時点における「国内REIT」分類平均インデックスのトータルリターンは過去1年間で 8.42%、過去3年間で33.41%の上昇となりました。インデックス投信が分類平均を下回る一方で多くのアクティブ投信が分類平均を上回りました。
一方、「海外REIT(含む北米)-為替ヘッジ無し」分類平均インデックスのトータルリターンは過去1年間で1.46%の下落、過去3年間で36%の上昇となりました。 低コストのインデックス投信が優勢ななかで、円高の影響を受けない国内REITを一部組み入れるアクティブ投信が分類平均を上回りました。
バランス
複数の資産を組入れたバランス型ファンドは、株式、債券、リート、為替市場が大きく動いたことから、資産配分の重要性を問われる1年となりました。
「固定配分」については、2016年の後半にかけて株式市場や為替市場が好転したものの、市場の変動も高まったことから、債券を中心に株式や外貨建て資産をバランス良く組み入れているファンドがより効率的な成績を収める結果となりました。
「可変配分」については、各資産の価格変動リスクを均等になるように資産配分を調整する「リスクパリティ戦略」のファンドがより効率的な成績を収める結果となりました。