改正商品取引所法の施行(2005年5月)を前に、元経済産業省行政官の車田直昭は、2004年12月、新しくオンライン商品先物取引会社ドットコモディティ株式会社(本社:東京都目黒区、取締役副社長:車田 直昭、以下 ドットコモ)を設立いたしました。
また、楽天株式会社(本社:東京都港区、代表取締役会長兼社長:三木谷 浩史、以下 楽天)ならびに、松井証券株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:松井 道夫、以下 松井証券)は、2005年1月、ドットコモへ共同出資を行うことを決定いたしましたので、お知らせいたします。
ドットコモは、経済産業省で商品先物取引の手数料自由化に携わった車田が、オンライン取引専業形態による低手数料と徹底した顧客志向のサービス追求によって、これまでの商品先物取引業界のイメージに風穴を開けるため、自ら設立したオンライン商品先物取引の会社です。
商品先物取引は、本来、高レバレッジ(ハイリスク・ハイリターン)の投資として効率的な資産運用手段であり、企業にとっても価格変動リスクを回避するための有効な手段として存在するものです。今後は、改正商品取引所法の施行(2005年5月)により、委託者保護の強化を通じた業界の信頼性向上と書面交付義務の電子化によるオンライン取引の利便性向上が実現することで、個人投資家の参加が拡大し、市場規模の急速な拡大が加速するものと期待されています。一方、日本におけるオンラインによる商品先物取引の割合は、全取引の1割未満とまだ低く、今後の成長性が期待されています。
楽天グループは、総合的なインターネットサービス企業として、インターネットショッピングモール「楽天市場」をはじめ「infoseek」「楽天トラベル」など各種インターネット関連サービス事業を展開しております。特に金融事業部門においては、2003年のオンライン証券取引(楽天証券)、2004年の個人向けローン(楽天クレジット)と、ネット金融事業の拡大を続けております。
楽天は、オンライン商品先物取引が、その市場背景から急速な拡大が期待できることで、収益源の多様化といくつかの事業分野におけるシナジー効果の発揮を目的に、同分野のサービス拡充について検討してまいりました。今回の出資を通じてドットコモと楽天の子会社である楽天証券株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長:國重 惇史、以下 楽天証券)が、共同広告、口座紹介プログラム等の事業提携を行うことにより、金融事業の収益機会の多様化・安定化と顧客ニーズの拡大を図ることができると考えております。
また、松井証券でも、商品先物取引業界の市場環境の整備を背景に、証券取引との親和性から同分野に関心を抱いていておりましたが、顧客への訴求力や業界変革を図る上でのインパクトに鑑み、ドットコモ設立を契機に楽天と共に共同出資することにいたしました。
楽天ならびに松井証券が共同出資するドットコモは、2005年3月から、システムの良さを体感していただくよう、バーチャルトレード(デモンストレーション取引)を開始いたします。また、翌4月からは口座開設受付を開始、5月1日の改正商品取引所法施行と同時に取引サービスを開始する予定です。
ドットコモは、楽天、楽天証券ならびに松井証券と連携を図ることによって、顧客マーケティングや新サービス開発についてのノウハウを活用し、顧客志向型サービスをより低手数料で提供することで新しい形のオンライン商品取引会社として邁進してまいります。
なお、ドットコモに関する詳細は添付資料(楽天の開示資料)の通りです。
【車田 直昭氏の略歴】
昭和58年 3月 |
東京大学(法学部)卒業 |
昭和58年 4月 |
通商産業省入省 |
昭和63年 9月 |
通商産業省産業政策局商務流通グループ商務室室長補佐 |
平成 3年 4月 |
外務省在エジプト日本国大使館一等書記官 |
平成 8年 5月 |
通商産業省産業政策局商務流通グループ商務調整官 |
平成10年 7月 |
通商産業省産業政策局商務流通グループ商務室長 |
平成11年 6月 |
外務省在イタリア日本国大使館一等書記官 |
平成12年 1月 |
〃 〃 参事官 |
平成14年 7月 |
経済産業省資源エネルギー庁企画官(石油備蓄担当) |
平成14年10月 |
〃 〃 (アジアエネルギー協力担当) |
平成15年 7月 |
経済産業省中部経済産業局産業企画部長 |
平成16年 4月 |
経済産業省中小企業庁調査室長 |
平成16年 6月 |
経済産業省大臣官房付 |
平成16年 8月 |
退職 |
平成17年 1月 |
ドットコモディティ株式会社 取締役副社長就任 |
【添付資料】
1. 楽天株式会社が出資する会社の概要
(1)商号 ドットコモディティ株式会社
(2)設立年月日 平成16年12月1日
(3)本店所在地 東京都目黒区
(4)代表者の役職、氏名 代表取締役社長 車田 知之
(5)取締役 取締役副社長 車田 直昭
(6)非常勤取締役 國重 惇史(当社常務執行役員兼
楽天証券株式会社代表取締役社長)
松井 道夫(松井証券株式会社代表取締役社長)
村上 世彰(株式会社M&Aコンサルティング代表取締役社長)
(7)資本金 775百万円(増資払込完了後)(※)
(8)会社の目的、事業内容 商品先物取引の受託業務
(9)当社との資本関係、
人的関係、取引関係の概要 1) 資本関係:当社が55.1%を出資いたします(※)。
2) 人的関係:当社常務執行役員兼楽天証券株式会社
代表取締役社長である國重惇史が非常
勤取締役に就任いたします。
3) 取引関係:当社子会社である楽天証券株式会社
と事業提携を行います。
※ 今般締結した出資・事業提携契約により、平成17年3月末には資本金1,000百万円、当社の出資割合は42.5%、平成19年3月末には資本金1,050百万円、当社の出資割合は39.9%となる予定であります。
2. 出資の理由
当社グループは総合インターネットサービス企業グループとして、EC事業、ポータル・メディア事業、トラベル・エンターテイメント事業及び金融事業を展開し、さらなるサービスの向上・多角化を図るべく新規事業の開発及び取扱い分野の拡大に注力しております。
商品先物市場は、近年の市場環境の整備により急速に拡大しております。『ドットコモディティ株式会社』への出資は、当社金融事業カンパニーの収益の多様化、安定化を図ることを目的としており、商品先物取引業界のレギュレーション変更により、オンライン証券会社が急成長した現象が商品先物取引業界で再現され、より高い成長が見込めるものと考えております。
また、当社子会社である楽天証券株式会社と共同広告、口座紹介プログラム等の事業提携を行うことにより、同社の成長を推し進め、当社グループとしてもこれまで拡充を進めてきたインターネットを利用とした金融サービスの更なる拡大が期待できるものと考えております。
3. 出資の日程
払込完了時期 平成17年1月14日
4. 今後の業績に与える影響
当社は、インターネット業界の歴史が浅いこと及び環境の変化が激しいことなどの理由により、従前より業績見通しを発表しておりません。
今般の出資により、ドットコモディティ株式会社は当社の持分法適用関連会社となりますが、同社は現時点で開業準備期間中であることから、当社連結業績に与える影響は限定的となる見通しであります。