東証現物売買システム「arrowhead」バージョンアップについて(11月5日~)

2019年10月30日

東京証券取引所(以下、東証)は2019年11月5日(月)から、情報技術の進展やアルゴリズム取引の普及等による証券市場の環境変化や高度化・多様化するユーザーのニーズに対応すべく、arrowhead※(相場報道システム及びToSTNeTシステムを含む)をバージョンアップします。詳細は日本取引所のホームページからも確認できます。
売買制度に関する改善点は以下をご確認ください。

バージョンアップに伴う、マーケットスピード II 、マーケットスピード、iSPEEDなどのアップデートはございません。

  • arrowheadは、2010年1月4日に稼働した現物商品の売買システムの呼称です。
要約すると
  • 急激な株価変動を抑制するために、連続約定気配の方式を改善。
  • 終値成立機会の向上させるために、大引けに限り更新値幅を2倍に拡大。

連続約定気配の改善

急激な株価の変動を抑制するために、連続約定気配について、監視時間(60秒間)が経過するまでの間は、一定の値幅(気配の更新値幅の2倍)を超過して値動きしない方式に見直します。
一定の監視時間を設けることにより、急激な株価変動を目的とした投機的な売買が抑制される可能性があります。

(出所)日本取引所グループ資料より抜粋

終値成立機会の向上

引けの売買ニーズが高い状況において終値約定を成立しやすくするために、大引けに限り更新値幅を2倍に拡大します。
なお、大引け直前の価格急変動の抑制の観点から、上記の連続約定気配の改善と合わせて対応します。

(出所)日本取引所グループ資料より抜粋

よくあるご質問

Q本変更に伴い、手続きやマーケットスピードなどのツールのアップデートは必要ですか?
A本変更に伴う、手続き、アップデートは特に必要ございません。
Q連続約定気配の更新方法変更に伴う、メリットデメリットを教えてください。
Aメリットは、急激な株価変動を抑えることで、安定的な資産形成を行いやすくなります。
デメリットは、短期的な価格変動を狙う投資家にとっては、短期的取引の機会が減ってしまう可能性があります。
Q 連続気配値の改善について、詳しく教えてください。
A 連続約定気配の改善に関して、多く質問いただく項目に関する補足を日本取引所が記載しております。
詳しくは以下のページの『連続約定気配の改善についての補足』をご確認ください。
Q終値成立機会の向上に伴う、メリットデメリットを教えてください。
Aメリットは、現行のシステムである「ザラバ最終値段±更新値幅」から更新値幅を2倍に広げることで、引けに値段がつかない「ザラバ引け」の解消を期待できます。
デメリットは、更新値幅が広がったことで、ザラバの最終値段から大きく離れた値段で約定する可能性があります。