皆さんは、「ゴーイング・コンサーン情報」というものをご存じでしょうか。一言でいえば、その銘柄に倒産リスクが存在することを投資家に伝えるための情報です。
「ゴーイング・コンサーン」とは、日本語では「継続企業の前提」と表現されます。企業会計のルールは、「企業は将来に渡り半永久的に事業が継続する」という前提で定められています。しかし、企業の業績や財務状況などが悪化すると倒産リスクが高まってしまいます。そうした企業は、事業が継続されずに倒産するかもしれませんから、事業が半永久的に継続される前提で作られた企業会計のルールに基づいた決算書を作ること自体が間違った行為となりかねません。
そこで、倒産リスクの高い銘柄は、「我が社は倒産のリスクがある(このことを「継続企業の前提に疑義が生じている」といいます)が、今後も企業として継続することを前提とした会計ルールに基づき通常通りの決算書を作成しています」と決算短信や有価証券報告書で宣言することになっています。このことを「ゴーイング・コンサーン情報」といいます。
以下、このゴーイング・コンサーン情報が決算短信や有価証券報告書に記載されている銘柄をゴーイング・コンサーンの頭文字をとって「GC銘柄」と呼ぶことにします。
GC銘柄が、このゴーイング・コンサーン情報を開示する方法は2通りあります。
1つは決算短信や有価証券報告書の中の財務諸表に「注記」する方法です。もう1つが、決算短信や有価証券報告書の「リスク情報」の箇所に記載する方法です。
実は同じゴーイング・コンサーン情報でも、「注記」と「リスク情報への記載」とでは、その意味合いが異なります。
企業努力によっても倒産リスクを解消することができない場合は「注記」による開示、企業努力により倒産リスクを解消可能である場合は「リスク情報への記載」による開示が行われます。
つまり、ゴーイング・コンサーン情報につき「リスク情報への記載」がされている銘柄より、「注記」がされている銘柄の方が、事態はより深刻であることを表しています。
会社四季報では、前者(注記)のケースを「継続前提に疑義注記」、後者(リスク情報への記載)のケースを「継続前提に重要事象」と各個別銘柄の記事中に記載しています。その銘柄がGC銘柄であること、そしてどちらのケースで開示がなされているかがすぐ分かるようになっています。
GC銘柄は倒産リスクが他の銘柄より高いわけですが、では具体的にどのような状況の銘柄がGC銘柄に分類されるのでしょうか?
監査・保証実務委員会報告第74号「継続企業の前提に関する開示について」によれば、以下のような項目が列挙されています。
実際に決算短信に記載されている注記をみてみましょう。コモンウェルス・エンターテインメント(7612)の平成26年3月期決算短信では、継続的な営業損失の発生および営業キャッシュ・フローのマイナスの状態であること、および資金繰りの面で制約があること(運転資金の新規調達が困難であること)を理由に、ゴーイング・コンサーン情報が注記されています。
ゴーイング・コンサーン情報の開示は、他の銘柄に比べて倒産リスクが高いということを企業自らが投資家に向けて発表しているようなものですから、個人投資家にとっては非常に有用な情報です。
確かに、倒産などにより上場廃止になった銘柄をみると、その多くがGC銘柄です。したがって、特に初心者の方などで、投資先が倒産してしまうことはどうしても避けたい、というのであればGC銘柄を投資対象から外しておくのが無難です。
しかし、中級者以上の個人投資家であれば、あえてGC銘柄を投資対象とすることにより、大きな利益を得ることも可能です。筆者もGC銘柄に投資することはよくあります。
次回は、GC銘柄の中には高リターンをもたらすものが少なくない理由、そして筆者のGC銘柄への対処法をお伝えする予定です。
本資料は情報提供を目的としており、投資等の勧誘目的で作成したものではありません。お客様ご自身で投資の最終決定をおこなってください。本資料の内容は、弊社が信頼できると判断した情報源から入手・編集したものですが、その情報源の確実性まで保証するものではありません。なお、本資料の内容は、予告なしに変更することがあります。
足立武志
知って納得!株式投資で負けないための実践的基礎知識
株式投資がうまくいかない、という個人投資家の皆様へ。実践をベースにした「すぐに役立つ真の基礎知識」は、お客様の株式投資戦略に新たなヒントを提供。負けない、失敗しないためにはどのように行動すべきか、これから「株式投資」を始めようと考えている方、必見です。
株式等は株価(価格)の変動等により損失が生じるおそれがあります。上場投資信託(ETF)は連動対象となっている指数や指標等の変動等、上場投資証券(ETN)は連動対象となっている指数や指標等の変動等や発行体となる金融機関の信用力悪化等、上場不動産投資信託証券(REIT)は運用不動産の価格や収益力の変動等、ライツは転換後の価格や評価額の変動等により、損失が生じるおそれがあります。※ライツは上場および行使期間に定めがあり、当該期間内に行使しない場合には、投資金額を全額失うことがあります。
上場有価証券等のうち、レバレッジ型、インバース型のETF及びETN(※)のお取引にあたっては、以下の点にご留意ください。
※「上場有価証券等」には、特定の指標(以下、「原指数」といいます。)の日々の上昇率・下落率に連動し1日に一度価額が算出される上場投資信託(以下「ETF」といいます。)及び指数連動証券(以下、「ETN」といいます。)が含まれ、ETF及びETNの中には、原指数の日々の上昇率・下落率に一定の倍率を乗じて算出された数値を対象指数とするものがあります。このうち、倍率が+(プラス)1を超えるものを「レバレッジ型」といい、-(マイナス)のもの(マイナス1倍以内のものを含みます)を「インバース型」といいます。
信用取引は取引の対象となっている株式等の株価(価格)の変動等により損失が生じるおそれがあります。信用取引は差し入れた委託保証金を上回る金額の取引をおこなうことができるため、大きな損失が発生する可能性があります。その損失額は差し入れた委託保証金の額を上回るおそれがあります。
国内株式の委託手数料は「ゼロコース」「超割コース」「いちにち定額コース」の3コースから選択することができます。
〔ゼロコース(現物取引)〕
約定金額にかかわらず取引手数料は0円です。
但し、原則として当社が指定するSOR(スマート・オーダー・ルーティング(※1))注文 のご利用が必須となります。(当社が指定する取引ツールや注文形態で発注する場合を除きます。)
ゼロコースをご利用される場合には、当社のSORやRクロス(※2)の内容を十分ご理解のうえでその利用に同意いただく必要があります。
※1 SORとは、複数市場から指定条件に従って最良の市場を選択し、注文を執行する形態の注文です。
※2 「Rクロス」は、楽天証券が提供する社内取引システム(ダークプール(※3))です。
※3 ダークプールとは、証券会社が投資家同士の売買注文を付け合わせ、対当する注文があれば金融商品取引所の立会外市場(ToSTNeT)に発注を行い約定させるシステムをいいます。
〔ゼロコース(信用取引)〕
約定金額にかかわらず取引手数料は0円です。
但し、原則として当社が指定するSORのご利用が必須となります。(当社が指定する取引ツールや注文形態で発注する場合を除きます。)
〔超割コース(現物取引)〕
1回のお取引金額で手数料が決まります。
取引金額 取引手数料
5万円まで 55円(税込)
10万円まで 99円(税込)
20万円まで 115円(税込)
50万円まで 275円(税込)
100万円まで535円(税込)
150万円まで640円(税込)
3,000万円まで1,013円(税込)
3,000万円超 1,070円(税込)
〔超割コース(信用取引)〕
1回のお取引金額で手数料が決まります。
取引金額 取引手数料
10万円まで 99円(税込)
20万円まで 148円(税込)
50万円まで 198円(税込)
50万円超 385円(税込)
超割コース大口優遇の判定条件を達成すると、以下の優遇手数料が適用されます。大口優遇は一度条件を達成すると、3ヶ月間適用になります。詳しくは当社ウェブページをご参照ください。
〔超割コース 大口優遇(現物取引)〕
約定金額にかかわらず取引手数料は0円です。
〔超割コース 大口優遇(信用取引)〕
約定金額にかかわらず取引手数料は0円です。
〔いちにち定額コース〕
1日の取引金額合計(現物取引と信用取引合計)で手数料が決まります。
1日の取引金額合計 取引手数料
100万円まで0円
200万円まで 2,200円(税込)
300万円まで 3,300円(税込)
以降、100万円増えるごとに1,100円(税込)追加。
※1日の取引金額合計は、前営業日の夜間取引と当日の日中取引を合算して計算いたします。
※一般信用取引における返済期日が当日の「いちにち信用取引」、および当社が別途指定する銘柄の手数料は0円です。これらのお取引は、いちにち定額コースの取引金額合計に含まれません。
かぶミニ®(単元未満株の店頭取引)は、当社が自己で直接の相手方となり市場外で売買を成立させます。そのため、取引価格は買付時には基準価格に一定のスプレッド(差額)を上乗せした価格、売却時には基準価格に一定のスプレッド(差額)を差し引いた価格となります(1円未満の端数がある場合、買付時は整数値に切り上げ、売却時は切り捨て)。なお、適用されるスプレッドは当社ウェブサイトにて開示していますが、相場環境の急変等により変動する場合があります。
(貸株サービスのみ)
(貸株サービス・信用貸株共通)