今回は、テンバガーが期待できた銘柄や、実際にテンバガーを達成した銘柄のうち、特に株価が短期間で急騰したケースにつき、筆者が実際に取った投資行動などを振り返ってみたいと思います。皆様のご参考になれば幸いです。
具体的な銘柄名は差し控えさせていただきますが、1つ目は最近株価が急上昇したゲーム関連株(以下「A社株」)についてです。
A社株は、業績は良くありませんでしたが、ゲーム関連株はガンホー・オンライン・エンターテイメント(3765)やミクシィ(2121)のように、一発ヒットを当てれば株価の居所が大きく変わりますので、日々株価の動きはチェックするようにしていました。
しばらく底ばっていた株価が突然上昇し、25日移動平均線を明確に超えた時点でA社株を新規買いしました。その後株価は反落したものの、25日移動平均線は割り込まなかったのでそのまま保有を続けたところ、再度反発し、そこからは急速なスピードで上昇をしていきました。株価は約1カ月で6倍にまで上昇しました。
実は筆者は1年以上かけてゆっくりと右肩上がりに上昇を続けるような銘柄は安心して保有していられるのですが、急上昇する銘柄については非常に苦手意識を持っています。なぜなら、急上昇した後、すぐに急反落するパターンが非常に多いため、保有を続けていると、せっかくの利益を逃してしまう可能性が高いからです。そのため、どこかのタイミングで利食い売りをする必要があるのですが、いつ株価が天井をつけるか分からず、天井をつけるとあっという間に株価が急落してしまいます。ですから、売却のタイミングをうまく取ることが非常に困難なのです。
そこでA株については、上昇トレンドの途中でしたが買値から株価が約3倍になった時点で保有株の3分の1を売却しました。これにより、(税金等の影響を無視すれば)投資資金を全額回収したこととなり、残りの保有株はいつ売っても利益が出る計算になります。こうすれば精神面での安定につながります。株式投資では思わぬミスを犯さないためにも、常に平常心でいることがとても大切です。
そこからさらに株価が上昇しましたので、株価が約6倍になった時点で当初の保有株の6分の1を売却しました。いつ天井をつけてもおかしくない状況のため、上昇トレンド途中ですが利食い売りをさらに進めることにしたのです。
すると、その翌日には株価が急落して5日移動平均線を割りこみました。短期的に株価が急騰している場合、25日移動平均線割れを待って売却したのではタイミングが遅すぎます。そして、5日移動平均線を割り込んだ時点で天井をつける可能性が高まります。そこで、5日移動平均線割れでさらに当初の保有株のうち6分の1を売却しました。
この時点では株価が高値から30%以上下落していて、株価10倍は達成していません。売却した保有株は、当初の保有株の3分の2に達しています。
もし株価が買値の6倍になった後も調整せずに10倍にまで上昇したならば、そこで当初の保有株の6分の1を売却する予定でした。5日移動平均線を割り込んだので、株価が10倍にならない可能性が高いと判断し、前倒しで売却を進めたのです。
そして、残り(当初の保有株の3分の1)については今後の株価の動きで臨機応変に対応するつもりですが、ひとまずは株価が25日移動平均線を割りこんで下降トレンドに転換するまでは保有を続けてみようと思っています。
もちろん、失敗談も数多くあります。最近では、買値から一時30倍以上にまで株価が上昇したものの、利益確定売りに躊躇した結果、結局はかなり利益を減らして売ることになってしまったということがありました。ここではB株とさせていただきます。
B株は非常に画期的な新技術を開発しており、筆者はその新技術が発表される前からたまたまB株を保有していたため、とてもラッキーでした。株価は短期間でみるみる上昇し、株価10倍を簡単に達成してもなお勢いは止まりませんでした。結局、数カ月で買値から30倍以上にまで上昇しました。
今になって思えば、その時点で少しでも売却しておけば良かったのですが、「画期的な新技術の開発」にすっかり心を奪われてしまい、当時は利食い売りをする気が全く起きませんでした。
そしてご多分に漏れず、株価は天井をつけた後、あっという間に急落し、売却のタイミングを逸してしまったのです。
さらには、25日移動平均線を割りこんでも、買値からはまだ10倍以上の水準にありましたから、画期的な新技術という材料を根拠に、売らずに保有を続けてしまいました。
結局、株価が下げ止まらないことに不安を感じ、下降トレンドになってしばらくたった後に売却しました。当初から保有していた分については買値を大きく上回っていましたが、上昇途中に高値で買い増しした分は損失となってしまったため、利益を大きく目減りさせる結果となってしまいました。
この失敗から学んだ教訓としては、例え画期的な新技術や新商品といった好材料で株価が上昇しても、保有株の一部は株価が大きく上昇した段階でしっかりと利食い売りをしておかなければならないということです。上で挙げたA株につき、上昇途中で利食いを進めたのは、このB株における失敗の反省からの行動です。
ちなみに、上記のA株と時を同じくして、短期間で買値の3倍~4倍に上昇した銘柄がいくつかあります。その中には、すでに高値から40%程度値を下げている銘柄もあります。株価が買値の3倍程度になったところで一部でも利食い売りをすればよかったかな、と少し後悔もしていますが、株価急上昇の背景となった材料が大変魅力的なものであったため、利食い売りをせずに保有を続けていました。結局、その後日足チャートで下降トレンドに転換した際に半分を売却しました。ただ、週足チャートは上昇トレンドを維持しているので残り半分は保有しています。今後、再び日足チャートで上昇トレンドに復帰したら、売却分を買い直す予定です。
ちぐはぐな行動に映るかもしれませんが、好材料により株価が急騰した銘柄のうち将来の業績向上につながる可能性が高いと判断したものはできるだけ保有を続け、そうでないものについては利食い売りを進める、というスタンスを貫いているつもりです。
最後に1つ注意点を述べておきたいと思います。ここまでの説明では株価がどれくらい上昇したかを「買値」を基準にしていますが、厳密には「上昇を開始した時点の株価」を起点として考えた方がよいと思います。
上昇を始めた初期段階(つまり上昇トレンドへの転換直後)に買えていれば問題ありませんが、例えば上昇開始からすでに5倍になった時点で新規買いを実行し、そこから株価10倍を目標に保有を続けるというのは望ましい考え方ではありません。5倍になった株がそこからさらに10倍になるには、上昇開始時点からみれば50倍に上昇しなければなりませんが、そんな株はめったに現れません。
筆者がこれまで様々な株価の動きをみてきた経験則からは、上昇開始から株価が10倍に上昇したあたりで天井をつけるケースが結構多いです。
ですから、本当は上昇の初期段階(上昇トレンド入りして間もないタイミング)で買うのが理想ですが、やむを得ず上昇開始地点から株価がかなり上昇した後で新規買いする場合、買値ではなく上昇開始時点の株価を起点として10倍というのを1つの利食いメドとするのがよいと思います。すでに株価が5倍に上昇した銘柄を買うのであれば、そこから2倍を1つのメドとする、といったようにです。
勿論、上昇トレンドが続いている限り利を伸ばすのは問題ありませんが、底値から株価が10倍に達したならば、買値は関係なく利食いを進め、ある程度は利益を確定しておくべきだと思います。
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足立武志
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信用取引は取引の対象となっている株式等の株価(価格)の変動等により損失が生じるおそれがあります。信用取引は差し入れた委託保証金を上回る金額の取引をおこなうことができるため、大きな損失が発生する可能性があります。その損失額は差し入れた委託保証金の額を上回るおそれがあります。
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但し、原則として当社が指定するSOR(スマート・オーダー・ルーティング(※1))注文 のご利用が必須となります。(当社が指定する取引ツールや注文形態で発注する場合を除きます。)
ゼロコースをご利用される場合には、当社のSORやRクロス(※2)の内容を十分ご理解のうえでその利用に同意いただく必要があります。
※1 SORとは、複数市場から指定条件に従って最良の市場を選択し、注文を執行する形態の注文です。
※2 「Rクロス」は、楽天証券が提供する社内取引システム(ダークプール(※3))です。
※3 ダークプールとは、証券会社が投資家同士の売買注文を付け合わせ、対当する注文があれば金融商品取引所の立会外市場(ToSTNeT)に発注を行い約定させるシステムをいいます。
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1回のお取引金額で手数料が決まります。
取引金額 取引手数料
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10万円まで 99円(税込)
20万円まで 115円(税込)
50万円まで 275円(税込)
100万円まで535円(税込)
150万円まで640円(税込)
3,000万円まで1,013円(税込)
3,000万円超 1,070円(税込)
〔超割コース(信用取引)〕
1回のお取引金額で手数料が決まります。
取引金額 取引手数料
10万円まで 99円(税込)
20万円まで 148円(税込)
50万円まで 198円(税込)
50万円超 385円(税込)
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〔超割コース 大口優遇(現物取引)〕
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〔超割コース 大口優遇(信用取引)〕
約定金額にかかわらず取引手数料は0円です。
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1日の取引金額合計 取引手数料
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300万円まで 3,300円(税込)
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