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2015年3月26日

第278回 【事例研究】江守グループホールディングス・突然の債務超過転落発表!①

驚愕の巨額損失発表により債務超過に転落!

3月16日、江守グループホールディングス(9963)が、462億円という巨額の特別損失計上により、234億円の債務超過に転じたことを発表しました。さらに、継続企業の前提に関する事項の注記が付されることも発表されました。

これを受けて株価は急落、発表前(3月16日終値)914円だった株価は、ストップ安比例配分を連日繰り返し、先週末(3月20日)には323円まで下落しました。昨年9月の高値2,156円からは6分の1以下にまで下落したことになります。

2月6日に第3四半期決算発表を延期すると発表していたこともあり、多くの投資家はある程度の損失は覚悟していたかと思います。しかし、筆者も含め、まさか債務超過に転落し、しかも継続企業の前提に関する事項の注記まで付されるとは想像できなかったはずです。

そこで今回は、事例研究として江守グループホールディングスの過去の決算短信から、多額の損失発生の予兆を感じ取ることができたかどうかを分析してみたいと思います。

なお、3月16日付で、江守グループホールディングスより、過年度の決算短信の修正も発表されていますが、本コラムでは多額の損失発生の予兆を事前に知ることができるかを探っていきます。そのため、修正前の決算短信の数値を用いて説明していきます。

業績は毎期増収増益を続けていた

実は江守グループホールディングスの株価は、平成26年10月に業績予想を下方修正した時点で大きく下落していました。そこで、株価が急落する平成26年10月より前に、巨額損失発生の兆候を推測し、投資対象から除外したり、保有株を売却するという判断が可能だったかどうかを、決算短信のデータをみながら確認していきたいと思います。

まずは業績の推移からです。平成22年3月期から平成26年3月期までの実績および、平成27年3月期の業績予想(平成26年3月期の決算発表時に会社が発表した数値)は以下のようになっています。(出典:決算短信。単位:百万円)

  売上高 営業利益 経常利益 当期純利益 配当金(円)
平成22年3月期 65,917 1,861 1,832 1,021 26
平成23年3月期 95,337 2,450 2,339 1,367 32
平成24年3月期 116,700 2,704 2,532 1,689 32
平成25年3月期 144,675 3,209 3,005 1,919 38
平成26年3月期 219,187 5,743 5,410 3,323 58
平成27年3月期(予) 260,000 6,500 5,900 3,800 62

売上高、営業利益、経常利益、当期純利益とも毎期増収増益で、平成27年3月期も大幅に増収増益の予想となっていたことが分かります。さらに、配当金も増加傾向にあることがうかがえます。

これだけをみると、江守グループホールディングスの業績に文句のつけようはありません。

「割安な好業績株」として外国人や機関投資家も多く保有していた

しかも、平成26年3月期の決算発表時の株価(昨年5月13日終値1,733円)と平成27年3月期の業績予想値を用いてPERを計算すると、5.6倍と非常に低い水準でした。

毎期増収増益が続き、配当金も増額傾向、それなのにPERがわずか5.6倍にとどまっている・・・これだけの好条件が揃えば、株価は明らかに割安という判断をする投資家は多かったのではないかと思います。実際、投資サイトなどでも割安な銘柄として推奨されていました。

また、平成26年3月時点で外国人の持ち株比率が14.0%、投資信託の持ち株比率が5.2%といずれもかなりの高水準であり(出典:会社四季報2014年3集)、企業を見る目がシビアな外国人投資家や機関投資家も、江守グループホールディングスの成長性や割安な株価を評価していたという事実が伺えます。

ところがキャッシュ・フローの数値を見ると・・・

ところが、決算短信の1枚目に記載されているキャッシュ・フローの数値をみると、気になる点があります。それは、「営業活動によるキャッシュ・フロー」(以下営業CF)です。平成26年3月期の決算短信では、平成26年3月期の営業CFがマイナス5,197百万円と大きくマイナスとなっています。さらに、平成25年3月期の営業CFもマイナス2,670百万円です。

本来、営業利益と営業CFはそれほど大きな差異は生じないのが普通です。減価償却費(損益計算書上は費用だが、キャッシュ・フロー計算書上は何も影響を与えない)の存在を考えれば、営業利益よりも営業CFの方が大きいことも珍しくありません。

しかし、江守グループホールディングスは平成26年3月期の営業利益5,743百万円と営業CFの差額が100億円を超えています。平成25年3月期も営業利益が3,209百万円ですから、営業CFとの差額が50億円超となっています。

営業CFのマイナスがなぜ問題なのか?

なぜ営業CFのマイナスが問題となりうるのか、それは「本業でキャッシュを獲得するどころか、キャッシュが失われている」からです。

企業が継続・発展するためにはキャッシュが必要不可欠です。いくら黒字決算が続いていても、キャッシュが足りなくなれば企業は倒産してしまうのです。

損益計算書において営業赤字の場合は、営業CFもマイナスであることが珍しくありません。そもそも本業で赤字なのだから、キャッシュの面でみてもマイナスということです。

一方、損益計算書において黒字であるにもかかわらず、営業CFがマイナスの場合は注意しなければなりません。黒字なのにキャッシュが逆に流出してしまっているわけですから、その理由を詳しく見ていく必要があります。

売上や利益の伸びに売掛金の回収が追い付いていない場合など、成長企業では営業CFのマイナスはよくあることです。でも、営業CFのマイナスが2期連続で続いた場合は、十分に気をつけなければいけません。営業CFのマイナスの原因となる重要な問題点が隠されているかもしれないからです。

江守グループホールディングスの場合、平成26年3月期と平成25年3月期ともに営業CFがマイナスでしたが、さらにさかのぼって調べてみると、なんと平成22年3月期から5年続けて営業CFがマイナスとなっていました。

筆者も数多くの企業の決算書をみてきましたが、毎年黒字決算を続けている企業の営業CFのマイナスが5年間も続いているケースは記憶にありません。

営業CFがマイナスの場合、決算書のどの部分に焦点を当てて分析していく必要があるのか、そして営業CFのマイナスが続く銘柄に対しての投資方針などにつき、次回のコラムにてご説明していきたいと思います。

本資料は情報提供を目的としており、投資等の勧誘目的で作成したものではありません。お客様ご自身で投資の最終決定をおこなってください。本資料の内容は、弊社が信頼できると判断した情報源から入手・編集したものですが、その情報源の確実性まで保証するものではありません。なお、本資料の内容は、予告なしに変更することがあります。

足立武志

知って納得!株式投資で負けないための実践的基礎知識

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国内株式のリスクと費用について

■国内株式 国内ETF/ETN 上場新株予約権証券(ライツ)

【株式等のお取引にかかるリスク】

株式等は株価(価格)の変動等により損失が生じるおそれがあります。上場投資信託(ETF)は連動対象となっている指数や指標等の変動等、上場投資証券(ETN)は連動対象となっている指数や指標等の変動等や発行体となる金融機関の信用力悪化等、上場不動産投資信託証券(REIT)は運用不動産の価格や収益力の変動等、ライツは転換後の価格や評価額の変動等により、損失が生じるおそれがあります。※ライツは上場および行使期間に定めがあり、当該期間内に行使しない場合には、投資金額を全額失うことがあります。

レバレッジ型、インバース型ETF及びETNのお取引にあたっての留意点

上場有価証券等のうち、レバレッジ型、インバース型のETF及びETN(※)のお取引にあたっては、以下の点にご留意ください。

  • レバレッジ型、インバース型のETF及びETNの価額の上昇率・下落率は、2営業日以上の期間の場合、同期間の原指数の上昇率・下落率に一定の倍率を乗じたものとは通常一致せず、それが長期にわたり継続することにより、期待した投資成果が得られないおそれがあります。
  • 上記の理由から、レバレッジ型、インバース型のETF及びETNは、中長期間的な投資の目的に適合しない場合があります。
  • レバレッジ型、インバース型のETF及びETNは、投資対象物や投資手法により銘柄固有のリスクが存在する場合があります。詳しくは別途銘柄ごとに作成された資料等でご確認いただく、またはコールセンターにてお尋ねください。

※「上場有価証券等」には、特定の指標(以下、「原指数」といいます。)の日々の上昇率・下落率に連動し1日に一度価額が算出される上場投資信託(以下「ETF」といいます。)及び指数連動証券(以下、「ETN」といいます。)が含まれ、ETF及びETNの中には、原指数の日々の上昇率・下落率に一定の倍率を乗じて算出された数値を対象指数とするものがあります。このうち、倍率が+(プラス)1を超えるものを「レバレッジ型」といい、-(マイナス)のもの(マイナス1倍以内のものを含みます)を「インバース型」といいます。

【信用取引にかかるリスク】

信用取引は取引の対象となっている株式等の株価(価格)の変動等により損失が生じるおそれがあります。信用取引は差し入れた委託保証金を上回る金額の取引をおこなうことができるため、大きな損失が発生する可能性があります。その損失額は差し入れた委託保証金の額を上回るおそれがあります。

【株式等のお取引にかかる費用】

国内株式の委託手数料は「ゼロコース」「超割コース」「いちにち定額コース」の3コースから選択することができます。

〔ゼロコース(現物取引)〕
約定金額にかかわらず取引手数料は0円です。
但し、原則として当社が指定するSOR(スマート・オーダー・ルーティング(※1))注文 のご利用が必須となります。(当社が指定する取引ツールや注文形態で発注する場合を除きます。)
ゼロコースをご利用される場合には、当社のSORやRクロス(※2)の内容を十分ご理解のうえでその利用に同意いただく必要があります。
※1 SORとは、複数市場から指定条件に従って最良の市場を選択し、注文を執行する形態の注文です。
※2 「Rクロス」は、楽天証券が提供する社内取引システム(ダークプール(※3))です。
※3 ダークプールとは、証券会社が投資家同士の売買注文を付け合わせ、対当する注文があれば金融商品取引所の立会外市場(ToSTNeT)に発注を行い約定させるシステムをいいます。

〔ゼロコース(信用取引)〕
約定金額にかかわらず取引手数料は0円です。
但し、原則として当社が指定するSORのご利用が必須となります。(当社が指定する取引ツールや注文形態で発注する場合を除きます。)

〔超割コース(現物取引)〕
1回のお取引金額で手数料が決まります。
取引金額 取引手数料
5万円まで 55円(税込)
10万円まで 99円(税込)
20万円まで 115円(税込)
50万円まで 275円(税込)
100万円まで535円(税込)
150万円まで640円(税込)
3,000万円まで1,013円(税込)
3,000万円超 1,070円(税込)

〔超割コース(信用取引)〕
1回のお取引金額で手数料が決まります。
取引金額 取引手数料
10万円まで 99円(税込)
20万円まで 148円(税込)
50万円まで 198円(税込)
50万円超 385円(税込)

超割コース大口優遇の判定条件を達成すると、以下の優遇手数料が適用されます。大口優遇は一度条件を達成すると、3ヶ月間適用になります。詳しくは当社ウェブページをご参照ください。

〔超割コース 大口優遇(現物取引)〕
約定金額にかかわらず取引手数料は0円です。

〔超割コース 大口優遇(信用取引)〕
約定金額にかかわらず取引手数料は0円です。

〔いちにち定額コース〕
1日の取引金額合計(現物取引と信用取引合計)で手数料が決まります。
1日の取引金額合計 取引手数料
100万円まで0円
200万円まで 2,200円(税込)
300万円まで 3,300円(税込)
以降、100万円増えるごとに1,100円(税込)追加。
※1日の取引金額合計は、前営業日の夜間取引と当日の日中取引を合算して計算いたします。
※一般信用取引における返済期日が当日の「いちにち信用取引」、および当社が別途指定する銘柄の手数料は0円です。これらのお取引は、いちにち定額コースの取引金額合計に含まれません。

【かぶミニ®(単元未満株の店頭取引)にかかるリスクおよび費用】 

リスクについて
かぶミニ®の取扱い銘柄については市場環境等により、取扱いを停止する場合があります。
費用について
売買手数料は無料です。

かぶミニ®(単元未満株の店頭取引)は、当社が自己で直接の相手方となり市場外で売買を成立させます。そのため、取引価格は買付時には基準価格に一定のスプレッド(差額)を上乗せした価格、売却時には基準価格に一定のスプレッド(差額)を差し引いた価格となります(1円未満の端数がある場合、買付時は整数値に切り上げ、売却時は切り捨て)。なお、適用されるスプレッドは当社ウェブサイトにて開示していますが、相場環境の急変等により変動する場合があります。

  • カスタマーサービスセンターのオペレーターの取次ぎによる電話注文は、上記いずれのコースかに関わらず、1回のお取引ごとにオペレーター取次ぎによる手数料(最大で4,950円(税込))を頂戴いたします。詳しくは取引説明書等をご確認ください。
  • 信用取引には、上記の売買手数料の他にも各種費用がかかります。詳しくは取引説明書等をご確認ください。
  • 信用取引をおこなうには、委託保証金の差し入れが必要です。最低委託保証金は30万円、委託保証金率は30%、委託保証金最低維持率(追証ライン)が20%です。委託保証金の保証金率が20%未満となった場合、不足額を所定の時限までに当社に差し入れていただき、委託保証金へ振替えていただくか、建玉を決済していただく必要があります。
    レバレッジ型ETF等の一部の銘柄の場合や市場区分、市場の状況等により、30%を上回る委託保証金が必要な場合がありますので、ご注意ください。

【貸株サービス・信用貸株にかかるリスクおよび費用】

(貸株サービスのみ)

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(貸株サービス・信用貸株共通)

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