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2015年5月7日

第284回 オリエンタルランド株で学ぶ実践的基礎知識 ① ファンダメンタル分析をしてみよう

日経平均株価が20,000円超えを果たす一方、個人投資家の投資成果はまちまちのようです。そこで今回と次回の2回にわたり、オリエンタルランド(4661)を題材に、今の相場をうまく乗りこなすために知っておきたい基礎知識について再確認していきたいと思います。

オリエンタルランドをファンダメンタル分析で評価してしよう

オリエンタルランドは2011年3月の震災後からの4年間で株価が6倍以上に上昇しました。これは筆者も予想していなかったことです。なぜなら、それ以前の10年間は、多少の変動はもちろんあるものの、株価はおおむね横ばいで推移していたからです。

そこで、オリエンタルランドをファンダメンタル分析で評価し、現在の株価が妥当な水準であるかどうかを考えてみることにしましょう。

まず過去の決算と、今後の予想です。

(単位:百万円)

売上高 営業利益 経常利益 当期純利益
2012年3月期 360,060 66,923 66,238 32,113
2013年3月期 395,526 81,467 80,867 51,484
2014年3月期 473,572 114,491 112,671 70,571
2015年3月期 466,291 110,605 110,486 72,063
2016年3月期(予) 470,310 106,050 107,300 72,240

(出典:決算短信)

PERからみた現在のオリエンタルランド株は割高か?

オリエンタルランドは、3月30日には9,890円まで上昇しています。現在は少し下がりましたが、それでも2016年3月期の予想利益をもとにPERを計算すると、およそ40倍となります。

40倍というのはかなり高い数値であり、年率30%程度で利益が増加を続けるようでなければ適正水準とはなりません。上の業績推移でいえば、2012年3月期~2014年3月期までのような業績の伸びが今後もずっと続けばPER40倍でも妥当な評価です。

しかし、2015年3月期の売上高や利益は2014年3月期と比べてほぼ横ばい、2016年3月期の予想数値も同様です。年率30%の成長とはほど遠い予想です。これだけで判断すると、現状のオリエンタルランドの株価はかなり割高という結論になります。

そこで、業績予想よりもっと業績が伸びる余地がないかどうかを調べていきます。業績予想は控えめでも、実際は非常に好調な業績をあげるケースはよくあるからです。

「入場制限」を知らなければオリエンタルランド株は分析できない

ところで、言うまでもなく東京ディズニーリゾート(TDR)は日本最多の集客を誇るテーマパークであり、年間の入場者数は3,000万人を超えています。

筆者も最近では子供を連れて年に6~7回は通っていますが、東京ディズニーランド(TDL)や東京ディズニーシー(TDS)によく行かれる方であれば、最近はかなり混雑していることが多いとお感じになると思います。ひどいときにはレストランでの昼食に2時間待ち、ポップコーンを買うのに1時間待ち、女性の場合はトイレでさえ30分も並ばされるほどです。

せっかく入場しても、大混雑しては何もすることができず、パーク内は大混乱となってしまいます。そのため、TDLやTDSでは、入場者数が一定の人数に達すると、「入場制限」を行います。これにより、混雑時には一定の人数以上は入場できない仕組みとなっています。

TDLで入場制限が行われる直前には、キャストが舞浜駅から後ろ向きにゆっくりと歩きながら「これから入場される方は私たちを追い越してください」とアナウンスします。キャストを追い越さないと入場制限により入れなくなるため、アナウンスを聞いた来園者があわてて追い越していくという面白い光景が見られます。

実はオリエンタルランド株をファンダメンタル分析で評価するためには、この「入場制限」という制度の存在を知っていることが必要不可欠なのです。

オリエンタルランドは現状のままでは「売上数量」を大きく増やすことができない

企業の売上を計算するための基本式は「単価×数量」です。オリエンタルランドにあてはめれば、単価は「客単価」、数量は「入場者数」を意味します。この基本式から、売上をアップさせるためには、①客単価を上げる、②入場者数を上げるという2つの戦略が考えられます。

ところがオリエンタルランドの場合、少なくとも現状では②の戦略を取ることができません。そのことに気づかなければ、オリエンタルランドのファンダメンタル分析をしたところで誤った分析結果しか導き出せません。

なぜ②の戦略を取ることができないのか、それは上でお話しした「入場制限」があるからです。

2014年度は、今年1月から3月に開催された「アナと雪の女王」のイベントが大好評で、2月や3月の閑散期でさえ入場制限が連発されました。この状況から考えて、筆者は2014年度の入場者数が2013年度よりかなり増加する可能性さえあると思っていましたが、会社が発表した入場者数は3,137万人で、2013年度の3,129万人とほぼ変わらない数字でした。

入場制限の目安はTDLが7万人、TDSが5万人です。したがって、年間の最大キャパシティは(7万人+5万人)×365日=4,380万人となります。延べ人数で考えればもう少し増えるとは思いますが、毎日入場制限がかかるレベルの混雑でもこの数字が限界です。平日はほとんど入場制限がかかっていないことを考えると、4,380万人という年間入場者数は現実的ではありません。

例年にない混雑を実感した2014年度でさえも年間の入場者数が前年度比横ばいであること、そして入場制限の存在を考えれば、入場者数のこれ以上の大幅な増加は難しいと判断できるのです。

「入場制限」は、TDLやTDSに足繁く通っている方であれば当たり前の話です。でも、TDLやTDSに自ら足を運ばなければこの事実に気づくことができないかもしれません。

「客単価」の上昇で高PERの説明がつくか?

以上のように、オリエンタルランドの売上の計算上、「単価×数量」の「数量」、つまり入場者数についてはこれ以上の大幅な増加は見込めません。

となれば、売上を大きく伸ばすためには計算式のもう片方の「単価」を上昇させるしかありません。このことは会社側も理解しているようで、今年4月からパスポートや駐車料金が値上げとなりました。でも、これによる客単価の増加はせいぜい10%程度でしょう。

PER40倍というのは、利益が毎年30%ずつ増えていかなければ適正水準とはなりません。でも、客単価を毎年30%ずつ増やし続けることなど不可能です。コスト削減による利益アップにも限界があります。そのため、筆者ならオリエンタルランド株の現状のPERからみて、株価はかなり割高という結論を導き出します。

もし、オリエンタルランド株のPER40倍が妥当と考えているなら、それは今後年率30%で成長を続けると思っているのと同じ意味です。そのファンダメンタル分析の精度は低いと言わざるを得ません。中途半端なファンダメンタル分析は、何も分析しないより悪い結果をもたらしかねません。

ファンダメンタル分析はもちろん重要ですが、その精度に自信がないのであれば、テクニカル分析や損切りなども併用することで、大きな損失を防ぐように心がけてください。

次回は、多くの投資家が割高と評価しているにもかかわらずオリエンタルランド株が上昇を続けた理由を探るとともに、保有株の売却や空売りを実行するタイミングについて考えていきたいと思います。

本資料は情報提供を目的としており、投資等の勧誘目的で作成したものではありません。お客様ご自身で投資の最終決定をおこなってください。本資料の内容は、弊社が信頼できると判断した情報源から入手・編集したものですが、その情報源の確実性まで保証するものではありません。なお、本資料の内容は、予告なしに変更することがあります。

足立武志

知って納得!株式投資で負けないための実践的基礎知識

株式投資がうまくいかない、という個人投資家の皆様へ。実践をベースにした「すぐに役立つ真の基礎知識」は、お客様の株式投資戦略に新たなヒントを提供。負けない、失敗しないためにはどのように行動すべきか、これから「株式投資」を始めようと考えている方、必見です。

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国内株式のリスクと費用について

■国内株式 国内ETF/ETN 上場新株予約権証券(ライツ)

【株式等のお取引にかかるリスク】

株式等は株価(価格)の変動等により損失が生じるおそれがあります。上場投資信託(ETF)は連動対象となっている指数や指標等の変動等、上場投資証券(ETN)は連動対象となっている指数や指標等の変動等や発行体となる金融機関の信用力悪化等、上場不動産投資信託証券(REIT)は運用不動産の価格や収益力の変動等、ライツは転換後の価格や評価額の変動等により、損失が生じるおそれがあります。※ライツは上場および行使期間に定めがあり、当該期間内に行使しない場合には、投資金額を全額失うことがあります。

レバレッジ型、インバース型ETF及びETNのお取引にあたっての留意点

上場有価証券等のうち、レバレッジ型、インバース型のETF及びETN(※)のお取引にあたっては、以下の点にご留意ください。

  • レバレッジ型、インバース型のETF及びETNの価額の上昇率・下落率は、2営業日以上の期間の場合、同期間の原指数の上昇率・下落率に一定の倍率を乗じたものとは通常一致せず、それが長期にわたり継続することにより、期待した投資成果が得られないおそれがあります。
  • 上記の理由から、レバレッジ型、インバース型のETF及びETNは、中長期間的な投資の目的に適合しない場合があります。
  • レバレッジ型、インバース型のETF及びETNは、投資対象物や投資手法により銘柄固有のリスクが存在する場合があります。詳しくは別途銘柄ごとに作成された資料等でご確認いただく、またはコールセンターにてお尋ねください。

※「上場有価証券等」には、特定の指標(以下、「原指数」といいます。)の日々の上昇率・下落率に連動し1日に一度価額が算出される上場投資信託(以下「ETF」といいます。)及び指数連動証券(以下、「ETN」といいます。)が含まれ、ETF及びETNの中には、原指数の日々の上昇率・下落率に一定の倍率を乗じて算出された数値を対象指数とするものがあります。このうち、倍率が+(プラス)1を超えるものを「レバレッジ型」といい、-(マイナス)のもの(マイナス1倍以内のものを含みます)を「インバース型」といいます。

【信用取引にかかるリスク】

信用取引は取引の対象となっている株式等の株価(価格)の変動等により損失が生じるおそれがあります。信用取引は差し入れた委託保証金を上回る金額の取引をおこなうことができるため、大きな損失が発生する可能性があります。その損失額は差し入れた委託保証金の額を上回るおそれがあります。

【株式等のお取引にかかる費用】

国内株式の委託手数料は「ゼロコース」「超割コース」「いちにち定額コース」の3コースから選択することができます。

〔ゼロコース(現物取引)〕
約定金額にかかわらず取引手数料は0円です。
但し、原則として当社が指定するSOR(スマート・オーダー・ルーティング(※1))注文 のご利用が必須となります。(当社が指定する取引ツールや注文形態で発注する場合を除きます。)
ゼロコースをご利用される場合には、当社のSORやRクロス(※2)の内容を十分ご理解のうえでその利用に同意いただく必要があります。
※1 SORとは、複数市場から指定条件に従って最良の市場を選択し、注文を執行する形態の注文です。
※2 「Rクロス」は、楽天証券が提供する社内取引システム(ダークプール(※3))です。
※3 ダークプールとは、証券会社が投資家同士の売買注文を付け合わせ、対当する注文があれば金融商品取引所の立会外市場(ToSTNeT)に発注を行い約定させるシステムをいいます。

〔ゼロコース(信用取引)〕
約定金額にかかわらず取引手数料は0円です。
但し、原則として当社が指定するSORのご利用が必須となります。(当社が指定する取引ツールや注文形態で発注する場合を除きます。)

〔超割コース(現物取引)〕
1回のお取引金額で手数料が決まります。
取引金額 取引手数料
5万円まで 55円(税込)
10万円まで 99円(税込)
20万円まで 115円(税込)
50万円まで 275円(税込)
100万円まで535円(税込)
150万円まで640円(税込)
3,000万円まで1,013円(税込)
3,000万円超 1,070円(税込)

〔超割コース(信用取引)〕
1回のお取引金額で手数料が決まります。
取引金額 取引手数料
10万円まで 99円(税込)
20万円まで 148円(税込)
50万円まで 198円(税込)
50万円超 385円(税込)

超割コース大口優遇の判定条件を達成すると、以下の優遇手数料が適用されます。大口優遇は一度条件を達成すると、3ヶ月間適用になります。詳しくは当社ウェブページをご参照ください。

〔超割コース 大口優遇(現物取引)〕
約定金額にかかわらず取引手数料は0円です。

〔超割コース 大口優遇(信用取引)〕
約定金額にかかわらず取引手数料は0円です。

〔いちにち定額コース〕
1日の取引金額合計(現物取引と信用取引合計)で手数料が決まります。
1日の取引金額合計 取引手数料
100万円まで0円
200万円まで 2,200円(税込)
300万円まで 3,300円(税込)
以降、100万円増えるごとに1,100円(税込)追加。
※1日の取引金額合計は、前営業日の夜間取引と当日の日中取引を合算して計算いたします。
※一般信用取引における返済期日が当日の「いちにち信用取引」、および当社が別途指定する銘柄の手数料は0円です。これらのお取引は、いちにち定額コースの取引金額合計に含まれません。

【かぶミニ®(単元未満株の店頭取引)にかかるリスクおよび費用】 

リスクについて
かぶミニ®の取扱い銘柄については市場環境等により、取扱いを停止する場合があります。
費用について
売買手数料は無料です。

かぶミニ®(単元未満株の店頭取引)は、当社が自己で直接の相手方となり市場外で売買を成立させます。そのため、取引価格は買付時には基準価格に一定のスプレッド(差額)を上乗せした価格、売却時には基準価格に一定のスプレッド(差額)を差し引いた価格となります(1円未満の端数がある場合、買付時は整数値に切り上げ、売却時は切り捨て)。なお、適用されるスプレッドは当社ウェブサイトにて開示していますが、相場環境の急変等により変動する場合があります。

  • カスタマーサービスセンターのオペレーターの取次ぎによる電話注文は、上記いずれのコースかに関わらず、1回のお取引ごとにオペレーター取次ぎによる手数料(最大で4,950円(税込))を頂戴いたします。詳しくは取引説明書等をご確認ください。
  • 信用取引には、上記の売買手数料の他にも各種費用がかかります。詳しくは取引説明書等をご確認ください。
  • 信用取引をおこなうには、委託保証金の差し入れが必要です。最低委託保証金は30万円、委託保証金率は30%、委託保証金最低維持率(追証ライン)が20%です。委託保証金の保証金率が20%未満となった場合、不足額を所定の時限までに当社に差し入れていただき、委託保証金へ振替えていただくか、建玉を決済していただく必要があります。
    レバレッジ型ETF等の一部の銘柄の場合や市場区分、市場の状況等により、30%を上回る委託保証金が必要な場合がありますので、ご注意ください。

【貸株サービス・信用貸株にかかるリスクおよび費用】

(貸株サービスのみ)

リスクについて
貸株サービスの利用に当社とお客様が締結する契約は「消費貸借契約」となります。株券等を貸付いただくにあたり、楽天証券よりお客様へ担保の提供はなされません(無担保取引)。
(信用貸株のみ)
株券等の貸出設定について
信用貸株において、お客様が代用有価証券として当社に差入れている株券等(但し、当社が信用貸株の対象としていない銘柄は除く)のうち、一部の銘柄に限定して貸出すことができますが、各銘柄につき一部の数量のみに限定することはできませんので、ご注意ください。

(貸株サービス・信用貸株共通)

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当社がお客様に引渡すべき株券等の引渡しが、履行期日又は両者が合意した日に行われない場合があります。この場合、「株券等貸借取引に関する基本契約書」・「信用取引規定兼株券貸借取引取扱規定第2章」に基づき遅延損害金をお客様にお支払いいたしますが、履行期日又は両者が合意した日に返還を受けていた場合に株主として得られる権利(株主優待、議決権等)は、お客様は取得できません。
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株主優待、配当金の情報について
株主優待の情報は、東洋経済新報社から提供されるデータを基にしており、原則として毎月1回の更新となります。更新日から次回更新日までの内容変更、売買単位の変更、分割による株数の変動には対応しておりません。また、貸株サービス・信用貸株内における配当金の情報は、TMI(Tokyo Market Information;東京証券取引所)より提供されるデータを基にしており、原則として毎営業日の更新となります。株主優待・配当金は各企業の判断で廃止・変更になる場合がありますので、必ず当該企業のホームページ等で内容をご確認ください。
大量保有報告(短期大量譲渡に伴う変更報告書)の提出について
楽天証券、または楽天証券と共同保有者(金融商品取引法第27条の23第5項)の関係にある楽天証券グループ会社等が、貸株対象銘柄について変更報告書(同法第27条の25第2項)を提出する場合において、当社がお客様からお借りした同銘柄の株券等を同変更報告書提出義務発生日の直近60日間に、お客様に返還させていただいているときは、お客様の氏名、取引株数、契約の種類(株券消費貸借契約である旨)等、同銘柄についての楽天証券の譲渡の相手方、および対価に関する事項を同変更報告書に記載させていただく場合がございますので、予めご了承ください。
税制について
株券貸借取引で支払われる貸借料及び貸借期間中に権利確定日が到来した場合の配当金相当額は、お客様が個人の場合、一般に雑所得又は事業所得として、総合課税の対象となります。なお、配当金相当額は、配当所得そのものではないため、配当控除は受けられません。また、お客様が法人の場合、一般に法人税に係る所得の計算上、益金の額に算入されます。税制は、お客様によりお取り扱いが異なる場合がありますので、詳しくは、税務署又は税理士等の専門家にご確認ください。

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