今回は前回の続きとして、足元で業績が伸び悩んでいるものの将来性が期待できる銘柄を個人投資家が投資する際、どのようなことに気を付けるべきかをお話したいと思います。
前回のコラムにて、株価トレンド分析を使えば、ブロードリーフ株の2度の急落をいずれも事前に回避することができたとお伝えしました。
しかし、個人投資家の皆様の中には、こんな意見を持たれている方もいらっしゃると思います。「確かに足元の業績は足踏み状態だが、ブロードリーフのビジネスモデルを考えれば、この先5年後、10年後の好業績は大いに期待できる。だから売らずに保有していても問題ない。」といった内容です。
また、株価のトレンドを気にせずファンダメンタルを最重視する個人投資家は、ブロードリーフ株の足元の株価下落を喜んで買い増ししているようです。
しかし、プロ並みのファンダメンタル分析の知識を持つ一握りの個人投資家ならともかく、一般の個人投資家がこのような考え方や方法で株式投資をしていると、そのうち大失敗をしてしまうでしょう。
大失敗を避けたいのであれば、たとえファンダメンタル面から大いに期待できる銘柄であっても、「下降トレンドの状態のまま持ち続ける」とか「下降トレンドの状態で新規に買う」という行為は慎むべきです。
ここで、下降トレンドの株を持ち続けるのと、一旦売却して改めて買い直すのとでどれだけパフォーマンスに差が生じるのかを、ブロードリーフ株に当てはめて示してみたいと思います。
ケース1 | ケース2 | |
---|---|---|
当初の買値 | 2,300円 | 2,300円 |
損切りによる損失① | -120円 | なし |
買い直し時の買値 | 1,500円 | なし |
売却時の利益② | 1,500円 | 700円 |
損益合計(①+②) | 1,380円 | 700円 |
当初買値に対する利益率 | 60% | 30% |
いかがでしょうか。25日移動平均線割れで一旦損切りし、再度買い直したケース1の利益率60%に対し、損切りせずに保有を続けたケース2の利益率は30%と、大きく差が生じることが分かります。
しかもこれは言うならば当初の買値より株価が上昇した場合の「ハッピーエンド」パターンです。もし、今後もブロードリーフ株の業績が伸び悩み、株価も低迷を続ければ、ケース2では多額の損切りを余儀なくされるか、含み損を抱えた塩漬け株を10年、20年と持ち続けることになってしまうかもしれません。でも、ケース1のように移動平均線割れですぐに損切りしておけば、損切りにより換金したキャッシュを使って他の有望な銘柄に投資し、資金を5倍、10倍にまで増やすことも大いに期待できます。
将来性が期待できる銘柄については特に、「将来は株価が上昇するからこのまま持ち続けよう」とか、「株価が大きく下がったから安く買える」と下降トレンド真っ只中にもかかわらず逆張りの買いをしてしまう個人投資家が非常に多いように感じます。
今は日本株全般が上昇相場ですから、こうした行為をしても、他の銘柄の上昇がカバーしてくれるのでそれほどのダメージは感じないかもしれません。でも、ひとたび日本株全般が大きく下落した場合、下降トレンドに転じた銘柄を持ち続けるとか、下降トレンド真っ只中の銘柄を逆張りで買い向かうという行為は、致命的な大損失につながりかねないことを肝に銘じておいてください。
もちろん、筆者もファンダメンタル分析の結果、ここから業績の飛躍的な伸びが期待できると判断した銘柄はいくつもあります。それでも、株価のトレンドが下降トレンドになったら一旦は売却しています。
実際、ブロードリーフ株も上昇トレンドが続いていた今年4月中旬までは保有していました。また、6月初めに株価が25日移動平均線を超えたときも、業績の伸び悩みは株価に織り込んだかもしれないと考え、買い直しを実行しました。でも、いずれも25日移動平均線を割り込んだ時点で速やかに損切りしています。その結果、その後の急落を回避できています。
筆者は、好業績銘柄や、将来業績の伸びが期待できる銘柄については、リストに入れて毎日株価チャートをチェックしています。
自身がどんなに良いと思った銘柄でも、株価が下降トレンドに転じたら一旦売却する、しかし上昇トレンドに復帰したらすぐに買い直すことができるように株価の動きは毎日チェックしておく・・・これが皆さんにもお勧めしたい、筆者が大きな損失を避けつつ利益をあげるために日々実行している方法です。
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足立武志
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株式等は株価(価格)の変動等により損失が生じるおそれがあります。上場投資信託(ETF)は連動対象となっている指数や指標等の変動等、上場投資証券(ETN)は連動対象となっている指数や指標等の変動等や発行体となる金融機関の信用力悪化等、上場不動産投資信託証券(REIT)は運用不動産の価格や収益力の変動等、ライツは転換後の価格や評価額の変動等により、損失が生じるおそれがあります。※ライツは上場および行使期間に定めがあり、当該期間内に行使しない場合には、投資金額を全額失うことがあります。
上場有価証券等のうち、レバレッジ型、インバース型のETF及びETN(※)のお取引にあたっては、以下の点にご留意ください。
※「上場有価証券等」には、特定の指標(以下、「原指数」といいます。)の日々の上昇率・下落率に連動し1日に一度価額が算出される上場投資信託(以下「ETF」といいます。)及び指数連動証券(以下、「ETN」といいます。)が含まれ、ETF及びETNの中には、原指数の日々の上昇率・下落率に一定の倍率を乗じて算出された数値を対象指数とするものがあります。このうち、倍率が+(プラス)1を超えるものを「レバレッジ型」といい、-(マイナス)のもの(マイナス1倍以内のものを含みます)を「インバース型」といいます。
信用取引は取引の対象となっている株式等の株価(価格)の変動等により損失が生じるおそれがあります。信用取引は差し入れた委託保証金を上回る金額の取引をおこなうことができるため、大きな損失が発生する可能性があります。その損失額は差し入れた委託保証金の額を上回るおそれがあります。
国内株式の委託手数料は「ゼロコース」「超割コース」「いちにち定額コース」の3コースから選択することができます。
〔ゼロコース(現物取引)〕
約定金額にかかわらず取引手数料は0円です。
但し、原則として当社が指定するSOR(スマート・オーダー・ルーティング(※1))注文 のご利用が必須となります。(当社が指定する取引ツールや注文形態で発注する場合を除きます。)
ゼロコースをご利用される場合には、当社のSORやRクロス(※2)の内容を十分ご理解のうえでその利用に同意いただく必要があります。
※1 SORとは、複数市場から指定条件に従って最良の市場を選択し、注文を執行する形態の注文です。
※2 「Rクロス」は、楽天証券が提供する社内取引システム(ダークプール(※3))です。
※3 ダークプールとは、証券会社が投資家同士の売買注文を付け合わせ、対当する注文があれば金融商品取引所の立会外市場(ToSTNeT)に発注を行い約定させるシステムをいいます。
〔ゼロコース(信用取引)〕
約定金額にかかわらず取引手数料は0円です。
但し、原則として当社が指定するSORのご利用が必須となります。(当社が指定する取引ツールや注文形態で発注する場合を除きます。)
〔超割コース(現物取引)〕
1回のお取引金額で手数料が決まります。
取引金額 取引手数料
5万円まで 55円(税込)
10万円まで 99円(税込)
20万円まで 115円(税込)
50万円まで 275円(税込)
100万円まで535円(税込)
150万円まで640円(税込)
3,000万円まで1,013円(税込)
3,000万円超 1,070円(税込)
〔超割コース(信用取引)〕
1回のお取引金額で手数料が決まります。
取引金額 取引手数料
10万円まで 99円(税込)
20万円まで 148円(税込)
50万円まで 198円(税込)
50万円超 385円(税込)
超割コース大口優遇の判定条件を達成すると、以下の優遇手数料が適用されます。大口優遇は一度条件を達成すると、3ヶ月間適用になります。詳しくは当社ウェブページをご参照ください。
〔超割コース 大口優遇(現物取引)〕
約定金額にかかわらず取引手数料は0円です。
〔超割コース 大口優遇(信用取引)〕
約定金額にかかわらず取引手数料は0円です。
〔いちにち定額コース〕
1日の取引金額合計(現物取引と信用取引合計)で手数料が決まります。
1日の取引金額合計 取引手数料
100万円まで0円
200万円まで 2,200円(税込)
300万円まで 3,300円(税込)
以降、100万円増えるごとに1,100円(税込)追加。
※1日の取引金額合計は、前営業日の夜間取引と当日の日中取引を合算して計算いたします。
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