今回は、決算発表が終わった銘柄につき、その後注意すべき点をお話ししたいと思います。株価が大きく変動するのは決算発表の後ですから、その後の行動いかんで投資成績が大きく異なってしまいます。できるだけ損失を最小限に防ぎ、利益を伸ばすようにする対策が重要です。
決算発表が終わった銘柄につき、対応が必要となるのは大きく分けると以下の2つです。
まず、①についてです。筆者の実践する株価トレンド分析では、25日移動平均線を明確に割り込んだ場合は保有株を売却しますから、決算発表により株価が下落して25日移動平均線を割り込んだら一旦売却します。決算発表をきっかけとして、長期的な株価のトレンドまでも、それまでの上昇トレンドから下降トレンドに転換することも多いので、ためらわずに売却を実行することが重要です。
中には決算発表の結果を受けて株価が過剰反応することもあります。その場合は株価下落は一時的なものにとどまり、早晩上昇トレンドに復帰します。そこで、下降トレンド転換で一旦売却した場合でも、再度上昇トレンドに転じた場合はその時点で買い直しをします。
次に②のケースです。決算発表を好感して株価が上昇し、それまでの下降トレンドであったものが25日移動平均線を明確に上回って上昇トレンドに転じた場合は新規買いを検討します。ただし、25日移動平均線を何十パーセントも上回っているものについては、高値掴みの可能性もあるため避けるようにします。目安は10%以内です。
決算発表前の時点で上昇トレンドの銘柄のみを保有しているという前提であれば、決算発表後は基本的には上記①および②を適切に行うことで対応可能です。
ただし、一点気を付けておくべき点があります。それは、決算発表直後の株価が「天井」ないしは「底値」をつけるケースがかなり多いという事実です。つまり、決算発表が「材料出尽くし」となりやすいのです。
しかし、これは結果論に過ぎず、後になってみないと分かりませんから、自分なりにルールを決めて対応するしかありません。筆者であれば次のように対応します。
決算発表が引け後に行われたものとして考えると、まず保有株の場合は翌日の朝の気配値をみて、25日移動平均線より明らかに安い価格である場合、成り行きの売却注文を出してしまいます。そして、昼休みに再度チェックして寄り付き近辺の安値から反発している場合は、寄り付きが底値となった可能性が高いため、安値割れを損切り価格として再度買い直しを行うことがあります。
また、保有していない株の場合は、そもそも気配値が25日移動平均線を超えていない場合は寄り付き前に注文は出しません。25日移動平均線を大きく(目安は10%以上)上回っている気配値の場合も寄り付いた株価が天井になってしまう恐れがあるので注文は出しません。25日移動平均線を上回っているが大きくはない場合のみ買い注文を出します。買い注文を出さなかった場合、昼休みに再度株価をチェックし、25日移動平均線を超えている場合(10%以上超えている場合は除く)には買い注文を出すことを検討します。ただし、寄り付きから大きく下がっている場合は寄り付きが天井となった可能性が高いため、25日移動平均線からのかい離が小さくなっていても買いを見送ることが多いです。
筆者が最近、決算発表後の投資行動として非常に重要視しているのが、決算発表により株価が大きく下落した銘柄の新規買いです。
決算発表の直後は、表面的な数値のみをもって、「とりあえず」株価が反応することが多々あります。例えば、当期増収増益決算、来期見通しが減収減益予想だとしたら、その内容どおりに株価が反応し、株価が大きく下落します。
ところが、企業が発表する来期の業績予想には当然根拠があります。これらは、決算短信の数字だけを見ても分かりません。別途企業が作成する決算説明資料や、アナリスト向けに実施される決算説明会(個人投資家の参加不可)によって明らかになるケースが大半です。
そして、プロ投資家は、そうした決算説明会や決算説明資料を分析し、例えば「減収減益予想はあまりにも保守的な予想で実際は増収増益になりそうだ」とか、「今回の減益は一時的な要因に過ぎず、趨勢としては増収増益基調に変わりはない」などと判断します。
すると、決算発表の表面的な数値だけで急落した株価が下げ止まり、再度上昇に転じてきます。下降トレンドだったものが25日移動平均線を超えて上昇トレンドに復帰し、その後も株価が順調に上昇して高値更新となることも決して珍しくありません。
上記のように、決算発表直後は、発表内容の表面的な数値に機械的に反応することが多々あります。そして、その株価の反応は「間違い」であることも少なくありません。
間違いであれば、決算発表後にプロ投資家が決算内容を分析して、それに基づいた投資行動を実行することにより、その後の株価に徐々に反映されていきます。
ですから、決算発表直後に株価が大きく上昇したところを新規買いするよりも、決算発表後に大きく売られた後、その企業の実力が正当に評価されて株価が上昇トレンドに転じるタイミングで新規買いした方が、リスクも小さいですし株価上昇の信頼性も高くなります。
したがって、増収増益が続いている高成長企業が決算発表により株価が大きく下落した場合でも、もうダメか、と思うのではなく、その後の株価の推移をよく見ておく必要があります。
高成長企業は、月足チャートで見るときれいな右肩上がりの上昇が続いているものの、日足チャートなど短い期間であれば株価が高値から20~30%前後調整することは良く起こります。その調整後の上昇の初期段階を狙うのです。
無論、それまでの高成長が失速したと市場参加者が判断すれば株価は大きく下落しますが、その場合、決算発表後も上昇トレンドに復帰せずに株価が下げ続けることが多くなります。下落後上昇トレンドへの復帰というフィルターにかけることで、好業績が続き、さらなる株価上昇が期待できる銘柄を、上昇トレンド初期の安値圏で新規買いすることができるのです。
本資料は情報提供を目的としており、投資等の勧誘目的で作成したものではありません。お客様ご自身で投資の最終決定をおこなってください。本資料の内容は、弊社が信頼できると判断した情報源から入手・編集したものですが、その情報源の確実性まで保証するものではありません。なお、本資料の内容は、予告なしに変更することがあります。
足立武志
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株式等は株価(価格)の変動等により損失が生じるおそれがあります。上場投資信託(ETF)は連動対象となっている指数や指標等の変動等、上場投資証券(ETN)は連動対象となっている指数や指標等の変動等や発行体となる金融機関の信用力悪化等、上場不動産投資信託証券(REIT)は運用不動産の価格や収益力の変動等、ライツは転換後の価格や評価額の変動等により、損失が生じるおそれがあります。※ライツは上場および行使期間に定めがあり、当該期間内に行使しない場合には、投資金額を全額失うことがあります。
上場有価証券等のうち、レバレッジ型、インバース型のETF及びETN(※)のお取引にあたっては、以下の点にご留意ください。
※「上場有価証券等」には、特定の指標(以下、「原指数」といいます。)の日々の上昇率・下落率に連動し1日に一度価額が算出される上場投資信託(以下「ETF」といいます。)及び指数連動証券(以下、「ETN」といいます。)が含まれ、ETF及びETNの中には、原指数の日々の上昇率・下落率に一定の倍率を乗じて算出された数値を対象指数とするものがあります。このうち、倍率が+(プラス)1を超えるものを「レバレッジ型」といい、-(マイナス)のもの(マイナス1倍以内のものを含みます)を「インバース型」といいます。
信用取引は取引の対象となっている株式等の株価(価格)の変動等により損失が生じるおそれがあります。信用取引は差し入れた委託保証金を上回る金額の取引をおこなうことができるため、大きな損失が発生する可能性があります。その損失額は差し入れた委託保証金の額を上回るおそれがあります。
国内株式の委託手数料は「ゼロコース」「超割コース」「いちにち定額コース」の3コースから選択することができます。
〔ゼロコース(現物取引)〕
約定金額にかかわらず取引手数料は0円です。
但し、原則として当社が指定するSOR(スマート・オーダー・ルーティング(※1))注文 のご利用が必須となります。(当社が指定する取引ツールや注文形態で発注する場合を除きます。)
ゼロコースをご利用される場合には、当社のSORやRクロス(※2)の内容を十分ご理解のうえでその利用に同意いただく必要があります。
※1 SORとは、複数市場から指定条件に従って最良の市場を選択し、注文を執行する形態の注文です。
※2 「Rクロス」は、楽天証券が提供する社内取引システム(ダークプール(※3))です。
※3 ダークプールとは、証券会社が投資家同士の売買注文を付け合わせ、対当する注文があれば金融商品取引所の立会外市場(ToSTNeT)に発注を行い約定させるシステムをいいます。
〔ゼロコース(信用取引)〕
約定金額にかかわらず取引手数料は0円です。
但し、原則として当社が指定するSORのご利用が必須となります。(当社が指定する取引ツールや注文形態で発注する場合を除きます。)
〔超割コース(現物取引)〕
1回のお取引金額で手数料が決まります。
取引金額 取引手数料
5万円まで 55円(税込)
10万円まで 99円(税込)
20万円まで 115円(税込)
50万円まで 275円(税込)
100万円まで535円(税込)
150万円まで640円(税込)
3,000万円まで1,013円(税込)
3,000万円超 1,070円(税込)
〔超割コース(信用取引)〕
1回のお取引金額で手数料が決まります。
取引金額 取引手数料
10万円まで 99円(税込)
20万円まで 148円(税込)
50万円まで 198円(税込)
50万円超 385円(税込)
超割コース大口優遇の判定条件を達成すると、以下の優遇手数料が適用されます。大口優遇は一度条件を達成すると、3ヶ月間適用になります。詳しくは当社ウェブページをご参照ください。
〔超割コース 大口優遇(現物取引)〕
約定金額にかかわらず取引手数料は0円です。
〔超割コース 大口優遇(信用取引)〕
約定金額にかかわらず取引手数料は0円です。
〔いちにち定額コース〕
1日の取引金額合計(現物取引と信用取引合計)で手数料が決まります。
1日の取引金額合計 取引手数料
100万円まで0円
200万円まで 2,200円(税込)
300万円まで 3,300円(税込)
以降、100万円増えるごとに1,100円(税込)追加。
※1日の取引金額合計は、前営業日の夜間取引と当日の日中取引を合算して計算いたします。
※一般信用取引における返済期日が当日の「いちにち信用取引」、および当社が別途指定する銘柄の手数料は0円です。これらのお取引は、いちにち定額コースの取引金額合計に含まれません。
かぶミニ®(単元未満株の店頭取引)は、当社が自己で直接の相手方となり市場外で売買を成立させます。そのため、取引価格は買付時には基準価格に一定のスプレッド(差額)を上乗せした価格、売却時には基準価格に一定のスプレッド(差額)を差し引いた価格となります(1円未満の端数がある場合、買付時は整数値に切り上げ、売却時は切り捨て)。なお、適用されるスプレッドは当社ウェブサイトにて開示していますが、相場環境の急変等により変動する場合があります。
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