9月21日の日銀金融政策決定会合にて、ETFの買い入れについて変更点がありました。簡単に言えば日経平均株価連動型のETFの買い入れ額を減らし、TOPIX連動型のETFの買い入れ額を増やすというものです。この見直しにより株式市場に、そして私たち個人投資家にとってどのような影響があるのか、考えてみたいと思います。
9月21日の日銀金融政策決定会合の決定事項のうち、あまり目立たないものの、私たち個人投資家にとって大きなインパクトがあるかもしれないと筆者が思っていることがあります。それが、ETFの買い入れ内容の変更です。簡単に言えば、日経平均株価連動型のETFの買い入れ額を減らし、TOPIX連動型ETFの買い入れ額を増やすというものです。
シティグループ証券の飯塚尚己氏の試算によると、これにより日経平均株価連動型の買い入れ額が年間約3.1兆円から1.6兆円に減り、TOPIX連動型が2.3兆円から3.9兆円に増えるとされています。
なぜ今回このような見直しを行ったかといえば、NT倍率上昇による市場のゆがみを是正するためといわれています。
実際、NT倍率は上昇傾向にあり、8月15日には12.81倍と1999年以来17年ぶりの水準に達しました。
NT倍率が上昇傾向にあるということは、相対的にTOPIXに比べて日経平均株価の方が強いことを示します。そして、日経平均株価は構成銘柄のうちひと握りの銘柄の株価変動に大きな影響を受けることで知られています。
そのため、NT倍率の上昇を伴い日本株が上昇するときは、日経平均株価を構成する銘柄、それも日経平均株価の値動きに大きく影響を与える一部の銘柄のみ強く、それ以外は大して上がらないというケースが多々生じるのです。
よく、日経平均株価が1日で300円上昇しても自分の保有株はさっぱり上昇しないということがありますが、これはまさに日経平均株価の構成銘柄の一部に集中して資金が投入されたことによるものです。月単位、年単位でみればここまで極端な話ではないにしろ、長期間にわたり、日経平均株価の方がTOPIXより強い動きとなっていたのです。
しかし、今後は日銀の買い入れ資金がTOPIX連動型により多く流入することになりますから、NT倍率の低下が期待できます。実際、足元のNT倍率は低下していて、8月15日の12.81倍から9月23日には12.41倍となっています。9月21日の発表前から日銀はTOPIX連動型のETF買いの割合を高めていたのではないかとも思ってしまいます。
実は、NT倍率の低下を伴いながら日本株が上昇するときは、個人投資家が利益を上げやすい相場環境になることが多いのです。
日経平均株価は東証1部上場銘柄のうち225銘柄のみを対象とした指数であるのに対し、TOPIXは東証1部の全銘柄を対象とした指数です。
ですから、TOPIX連動型のETFに資金が流入した場合、東証1部の幅広い銘柄にまんべんなく投資資金がいきわたることになります。
もちろん、銘柄により恩恵に差は生じるでしょうし、全ての銘柄の株価が上昇するわけでもありません。それでも、TOPIX連動型ETFへ資金が流入することで、多くの銘柄にプラスのインパクトがあることは間違いありません。
TOPIXは浮動株の時価総額の合計で計算されますから、浮動株の時価総額が大きい銘柄の値動きに影響を受けます。そのため、浮動株の時価総額が大きい銘柄ほどより多くの資金が流入することになります。例えばメガバンクやトヨタ自動車(7203)、本田技研工業(7267)、日本電信電話(9432)、KDDI(9433)、ソフトバンク(9984)などが挙げられます。
また、時価総額が小さくとも、日々の売買代金が少ないような銘柄であれば、TOPIX連動型ETFの買いによるプラスのインパクトが大きくなることが予想されます。
一方、日経平均株価連動型ETFの買いにより大きなメリットを享受していた銘柄、例えばアドバンテスト(6857)やファーストリテイリング(9983)、太陽誘電(6976)などは今後需給状況が悪化し、株価にもマイナスの影響が現れる恐れがあります。
もちろん、日銀のETF買いは株価が下落しているときに行われるため、上値を追って買い上がるというよりは買い支えるという役目を果たしています。
ですから、TOPIX連動型のETFの買い入れ額が大きく増えたからといって、個別銘柄の株価が大きく上昇することには直接的にはつながりません。
しかし、下値で買い支えることにより需給面ではプラスになることは確かですから、例えば本来なら株価が下がる銘柄は横ばいで済み、本来なら株価が横ばいで推移するような銘柄は緩やかな上昇が期待できます。
なお、日銀のETF買いにより恩恵を受けるのは、原則として東証1部上場銘柄のみです。JPX日経400に採用されている、東証1部銘柄以外の銘柄については多少ETF買いが期待できるものの、それ以外の東証2部やマザーズ、ジャスダックに上場している銘柄には需給面での恩恵はないものと考えてください。
結論としては、好業績が続く東証1部銘柄であれば、上昇トレンドが続く限り強気を維持しても良い、というのが筆者の戦略です。
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取引金額 取引手数料
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20万円まで 115円(税込)
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3,000万円超 1,070円(税込)
〔超割コース(信用取引)〕
1回のお取引金額で手数料が決まります。
取引金額 取引手数料
10万円まで 99円(税込)
20万円まで 148円(税込)
50万円まで 198円(税込)
50万円超 385円(税込)
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〔超割コース 大口優遇(現物取引)〕
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〔超割コース 大口優遇(信用取引)〕
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1日の取引金額合計 取引手数料
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