やり方さえ間違わなければ、株式投資で成果を出すことは決して難しくありません。しかし、実際にはなかなかそうもいかないのも事実。その理由として考えられるのが「出口戦略」を持っているかどうかです。
会社は「営利・社団・法人」ですから利益を得るために存在しています。一方、私たち個人投資家も、利益を得る目的で株式投資をしています。このように、会社経営も株式投資も、目指しているものは本質的に同じです。
ところで、会社はどのようなプロセスで利益を上げているのでしょうか?最も分かりやすい小売業、例えば八百屋を例に挙げて考えてみましょう。
八百屋は、市場から野菜を仕入れて、それを売ることで利益を得ています。つまり、「安く買う→それより高く売る」、これで利益が出ます。これを何度も繰り返すことで、利益を積み上げていくわけです。
株式投資もこれと同じです。株式市場から、これはと思う株を買い、それが値上がりしたら売ることで利益が出ます。
ただし、八百屋と株式投資では異なる点もあります。野菜は生鮮食品ですから、買ったらすぐに売る必要があるのに対し、株式投資の場合はすぐに売る必要はなく保有を続けて値上がりを待つことができるという点です。
つまり、八百屋は「買う→売る」ですが、株式投資は「買う→保有する→売る」という3つのステップにより1サイクルが完結するのです(キャピタルゲイン目的の場合)。
この「保有する」間に株価が上昇することを期待して私たち個人投資家は保有を続けるわけです。しかし、この次の「売る」というプロセスをしっかりと考えているかどうかが、株式投資で成功できるか否かの分かれ目であると筆者は強く感じています。
株式投資において「入口」とは、投資する株を買うことに他なりません。では、「出口」とは何を意味するでしょうか。もちろん、株を売ることですが、ここには2種類の方法があります。
上の八百屋の例をもう1度みてみましょう。夕方になると、野菜の値段を下げている光景をよく見かけます。時には、損失覚悟で原価割れで売ることもあるでしょう。これは、翌日以降になると野菜の価値がゼロになってしまうからです。損失が出たとしても、ゼロになってしまうよりははるかにまし、という考え方です。これはまさに株式投資でいうところの「損切り」です。
個人投資家も、これと同じ感覚を持つ必要があります。「損切り」により、保有株がさらに値下がりして損失が拡大する前に売却してしまう、という感覚です。
「出口」とは単に株を売ることではなく、「利食いによる売り」という出口と、「損切りによる売り」という出口の2つを持つことです。これが成功している個人投資家がもっている「出口戦略」です。
プロの行う資産運用の世界では、「出口戦略」という言葉を当たり前のように使います。投資した金額を、どのような形で回収するか、ベンチャーキャピタルであれば、株式公開(IPO)、MBOにより役員に売却、他の投資家への売却・・・といったものです。
この「出口戦略」は、何も利益で終わるものばかりではありません。将来有望と考えて投資したものの、実際に投資してみたら思ったほどではなかった・・・そんな時に株を買いたい投資家が現れたが、希望価格は自分の投資価格を大きく下回る、つまり損切りです。
それでも、保有し続けて価値がさらに減少してしまうより、このタイミングで売ってしまった方がより多くの投資資金を回収できると判断すれば、例え損切りであっても売却を実行するでしょう。プロの世界では、損切りを含めた「出口戦略」を持つことは当たり前の話なのです。
実は、なかなか株式投資で思うような成果を上げられない、という個人投資家に非常に多いのが、この「出口戦略」が明確になっていないという点です。誤解を恐れずに言えば、株を買う際に、買った後どうするかという「出口戦略」を持っていないのです。
そのため、株を買った後に株価が下がったとき、どうしてよいか分からず、その結果多額の含み損を抱えた「塩漬け株」を数多く作ってしまうのです。
もし、「こうなれば売る」というルールを明確に設定しておき、その通りに実行することができれば、塩漬け株に苦しむことはなくなります。筆者であれば、利食いの場合も損切りの場合も、基本は「25日移動平均線を割り込んだら売る」という明確なルールがあります。
「私には損切りなどできない」という方も数多くいらっしゃると思います。損切りをせずに株式投資で成果を上げることができているなら全く問題ありませんが、そうでないならば、あきらめるのではなく、できるようにぜひ努力してください。株式投資で成功している個人投資家は、みな利食いと損切りという2つの出口戦略をもち、その戦略に従って売買を実行しているからです。
皆さんは、株式投資において何が「成功」だと思いますか?もちろん利益をあげ、資産を増やすことが「成功」であるのは言うまでもありません。でもそれは、いくつかのプロセスを得た「結果」でしかないのです。
筆者は、「買う→保有する→売る」のプロセスを、自らが決めたルール通りに実行し、これを繰り返した結果資産を増やすことが「成功」だと思っています。
買った後で株価が下がり、損切りを余儀なくされることも多々ありますが、損切りも「売り」の一種です。自らのルールで、こうなれば損切りをすると決めておき、その通りに実行したのですから、これで「買う→保有する→売る」のプロセスが完了しているわけです。これを徹底すれば決して塩漬け株を作ることはありませんし、損切りのタイミングが適切であれば損失を極小化できます。
もちろん相場環境が悪ければ資産が減ってしまう時期もありますが、長い目で見れば、十分に資産を増やすことができています。
ですから筆者にとって、損切りに終わったことは決して失敗ではなく、株式投資で利益を得るために決めている売買ルールを守った結果ですから「成功」なのです。この感覚がなんとなく分かる、という方は、やり方さえ正しければ株式投資で成功することができると思います。
Facebookページを開設しました。コラムやブログ更新のお知らせ、セミナーのご案内の他、話題の資産運用関連や相続関連のニュースに対する筆者のコメントなども記載しております。ぜひご覧いただき「いいね!」を押していただければ幸いです。
本資料は情報提供を目的としており、投資等の勧誘目的で作成したものではありません。お客様ご自身で投資の最終決定をおこなってください。本資料の内容は、弊社が信頼できると判断した情報源から入手・編集したものですが、その情報源の確実性まで保証するものではありません。なお、本資料の内容は、予告なしに変更することがあります。
足立武志
知って納得!株式投資で負けないための実践的基礎知識
株式投資がうまくいかない、という個人投資家の皆様へ。実践をベースにした「すぐに役立つ真の基礎知識」は、お客様の株式投資戦略に新たなヒントを提供。負けない、失敗しないためにはどのように行動すべきか、これから「株式投資」を始めようと考えている方、必見です。
株式等は株価(価格)の変動等により損失が生じるおそれがあります。上場投資信託(ETF)は連動対象となっている指数や指標等の変動等、上場投資証券(ETN)は連動対象となっている指数や指標等の変動等や発行体となる金融機関の信用力悪化等、上場不動産投資信託証券(REIT)は運用不動産の価格や収益力の変動等、ライツは転換後の価格や評価額の変動等により、損失が生じるおそれがあります。※ライツは上場および行使期間に定めがあり、当該期間内に行使しない場合には、投資金額を全額失うことがあります。
上場有価証券等のうち、レバレッジ型、インバース型のETF及びETN(※)のお取引にあたっては、以下の点にご留意ください。
※「上場有価証券等」には、特定の指標(以下、「原指数」といいます。)の日々の上昇率・下落率に連動し1日に一度価額が算出される上場投資信託(以下「ETF」といいます。)及び指数連動証券(以下、「ETN」といいます。)が含まれ、ETF及びETNの中には、原指数の日々の上昇率・下落率に一定の倍率を乗じて算出された数値を対象指数とするものがあります。このうち、倍率が+(プラス)1を超えるものを「レバレッジ型」といい、-(マイナス)のもの(マイナス1倍以内のものを含みます)を「インバース型」といいます。
信用取引は取引の対象となっている株式等の株価(価格)の変動等により損失が生じるおそれがあります。信用取引は差し入れた委託保証金を上回る金額の取引をおこなうことができるため、大きな損失が発生する可能性があります。その損失額は差し入れた委託保証金の額を上回るおそれがあります。
国内株式の委託手数料は「ゼロコース」「超割コース」「いちにち定額コース」の3コースから選択することができます。
〔ゼロコース(現物取引)〕
約定金額にかかわらず取引手数料は0円です。
但し、原則として当社が指定するSOR(スマート・オーダー・ルーティング(※1))注文 のご利用が必須となります。(当社が指定する取引ツールや注文形態で発注する場合を除きます。)
ゼロコースをご利用される場合には、当社のSORやRクロス(※2)の内容を十分ご理解のうえでその利用に同意いただく必要があります。
※1 SORとは、複数市場から指定条件に従って最良の市場を選択し、注文を執行する形態の注文です。
※2 「Rクロス」は、楽天証券が提供する社内取引システム(ダークプール(※3))です。
※3 ダークプールとは、証券会社が投資家同士の売買注文を付け合わせ、対当する注文があれば金融商品取引所の立会外市場(ToSTNeT)に発注を行い約定させるシステムをいいます。
〔ゼロコース(信用取引)〕
約定金額にかかわらず取引手数料は0円です。
但し、原則として当社が指定するSORのご利用が必須となります。(当社が指定する取引ツールや注文形態で発注する場合を除きます。)
〔超割コース(現物取引)〕
1回のお取引金額で手数料が決まります。
取引金額 取引手数料
5万円まで 55円(税込)
10万円まで 99円(税込)
20万円まで 115円(税込)
50万円まで 275円(税込)
100万円まで535円(税込)
150万円まで640円(税込)
3,000万円まで1,013円(税込)
3,000万円超 1,070円(税込)
〔超割コース(信用取引)〕
1回のお取引金額で手数料が決まります。
取引金額 取引手数料
10万円まで 99円(税込)
20万円まで 148円(税込)
50万円まで 198円(税込)
50万円超 385円(税込)
超割コース大口優遇の判定条件を達成すると、以下の優遇手数料が適用されます。大口優遇は一度条件を達成すると、3ヶ月間適用になります。詳しくは当社ウェブページをご参照ください。
〔超割コース 大口優遇(現物取引)〕
約定金額にかかわらず取引手数料は0円です。
〔超割コース 大口優遇(信用取引)〕
約定金額にかかわらず取引手数料は0円です。
〔いちにち定額コース〕
1日の取引金額合計(現物取引と信用取引合計)で手数料が決まります。
1日の取引金額合計 取引手数料
100万円まで0円
200万円まで 2,200円(税込)
300万円まで 3,300円(税込)
以降、100万円増えるごとに1,100円(税込)追加。
※1日の取引金額合計は、前営業日の夜間取引と当日の日中取引を合算して計算いたします。
※一般信用取引における返済期日が当日の「いちにち信用取引」、および当社が別途指定する銘柄の手数料は0円です。これらのお取引は、いちにち定額コースの取引金額合計に含まれません。
かぶミニ®(単元未満株の店頭取引)は、当社が自己で直接の相手方となり市場外で売買を成立させます。そのため、取引価格は買付時には基準価格に一定のスプレッド(差額)を上乗せした価格、売却時には基準価格に一定のスプレッド(差額)を差し引いた価格となります(1円未満の端数がある場合、買付時は整数値に切り上げ、売却時は切り捨て)。なお、適用されるスプレッドは当社ウェブサイトにて開示していますが、相場環境の急変等により変動する場合があります。
(貸株サービスのみ)
(貸株サービス・信用貸株共通)