ここ最近の軟調な日本株の原因の1つが、「北朝鮮問題」です。果たして北朝鮮とアメリカの関係はどうなるのか、ミサイルは飛んでくるのか・・・。これらに対し、個人投資家としてどのように準備しておくべきかを、今回は考えてみたいと思います。
足元で地政学リスクが高まっています。北朝鮮からもしもミサイルが発射されて、日本国内に落下した場合、どのような影響があるのか、想像することすらまともにできません。
万が一、人口が密集する地域にミサイルが落下すれば、影響も甚大ですし、おそらく日本株は大きく下落するでしょう。確かに4月に入ってからの日本株は弱い動きですが、万が一ミサイルが飛んでくるという状況までは、さすがに織り込んでいないと思われます。
株価の動きから推測すると、現状のマーケットは、さすがに少し警戒はしているものの、実際にミサイルが日本国内に落下する可能性はかなり小さい、と予測しているものと思われます。
では、この問題に対して個人投資家はどのように行動すればよいでしょうか?最もやってはならないのは、この先どうなるか「予想する」こと、もっといえば「予想に基づいた行動をする」ことです。
どうなるか分からないことを下手に予想しても、何も意味がないばかりか、予想に基づいた行動の結果、それが外れた場合のダメージが大きくなってしまう恐れがあるからです。
このダメージというのは、「大きな損失を被る」という意味はもちろん、「大きな利益を逃した」というケースも当てはまります。つまり、大きく次の2パターンが考えられるのです。
では、予想し、それに基づいた行動をしてはいけないのなら、どうすればよいのか、それは「どういう結果になったとしても大きなダメージを受けないように準備しておく」ことです。
もし、今のように明確に地政学リスクが存在していなかったなら、皆さんはどのような投資行動をしますか?おそらく、いつも通りのことをするはずです。私であれば、株価が25日移動平均線を超えたら買い、割り込んだら売るという、いつも通りの行動をします。
ポイントは、地政学リスクが存在していたとしても、基本は通常と同じ行動をとる、ということです。その上で、必要に応じて追加的な行動を考えることになります。具体的には、以下のような方法が考えられます。
(※)ベア型:株価が上昇すると価格が下落し、株価が下落すると価格が上昇するという特性を持った投資商品のこと。
このうち、筆者であれば主にウ.のオプション取引を活用します。具体的には、プットオプションを買うことで将来の株価急落へのヘッジをします。
イ.の先物売りやベア型ETFの買いでも悪くはないのですが、何も起こらずに株価が大きく上昇した場合、大きな損失となってしまう恐れがあります。そのため、比較的リスクが高い対策となってしまいます。
また、ア.の投資金額を通常より減らすというのは、多少は実行しても良いと思います。通常なら投資可能資金の70%を投資するところ、地政学リスクを警戒して50%程度に抑える、というようにです。もちろん、何も起こらず株価が上昇した場合、70%-50%=20%につき、利益を得る機会を逃してしまうことにはなります。
このようにア.~ウ.を比較してみると、ウ.のプットオプションの買いは少額のオプション料を支払うだけで済みます。それ以上損失が生じることはありません。
通常通り株式に投資資金を投入し、そのうえでプットオプションを買っておけば、万が一の場合はプットオプションの価格上昇により保有株の下落をヘッジすることができます。何も起こらなかったときも、利益を得る機会を逃さないようにすることができます。
発生可能性が低い、もしくはいつ発生するか分からない悪材料に対する保有株下落のヘッジとしては、プットオプションの買いが最も適しているのではないかと思います。
現在は、地政学リスクがクローズアップされていますが、実はマーケットには、常に株価下落のリスクが存在しています。それが悪材料として市場参加者に強く懸念されているか、あまり表面化していないかの違いだけです。
思い起こせば、NY同時多発テロや東日本大震災は、リスクとして予想すらすることができませんでした。でも、こうした理由により株価が急落する可能性はいつでもゼロではないのが本当のところです。
ですから、株式投資をするときは、常に「ここから突然株価が急落するかもしれない」という意識を頭の片隅に入れつつ、実際に株価が急落してもダメージをできるだけ少なくできるような対策をしておくようにしましょう。
私であれば、キャッシュポジションが高ければ、株価が急落してもそれほどダメージは受けないので特段対策はしません。一方、株式への投資金額が膨らんでいるときは、プットオプションの買いをヘッジのため実行します。
オプション取引には専用の口座開設が必要です。万が一の事態に備えて、まずは口座開設をし、いつでもオプション取引ができるようにすると良いと思います。オプション取引は、買いであれば損失はその購入額に限定されますから、決して危ない取引ではありません。
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足立武志
知って納得!株式投資で負けないための実践的基礎知識
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株式等は株価(価格)の変動等により損失が生じるおそれがあります。上場投資信託(ETF)は連動対象となっている指数や指標等の変動等、上場投資証券(ETN)は連動対象となっている指数や指標等の変動等や発行体となる金融機関の信用力悪化等、上場不動産投資信託証券(REIT)は運用不動産の価格や収益力の変動等、ライツは転換後の価格や評価額の変動等により、損失が生じるおそれがあります。※ライツは上場および行使期間に定めがあり、当該期間内に行使しない場合には、投資金額を全額失うことがあります。
上場有価証券等のうち、レバレッジ型、インバース型のETF及びETN(※)のお取引にあたっては、以下の点にご留意ください。
※「上場有価証券等」には、特定の指標(以下、「原指数」といいます。)の日々の上昇率・下落率に連動し1日に一度価額が算出される上場投資信託(以下「ETF」といいます。)及び指数連動証券(以下、「ETN」といいます。)が含まれ、ETF及びETNの中には、原指数の日々の上昇率・下落率に一定の倍率を乗じて算出された数値を対象指数とするものがあります。このうち、倍率が+(プラス)1を超えるものを「レバレッジ型」といい、-(マイナス)のもの(マイナス1倍以内のものを含みます)を「インバース型」といいます。
信用取引は取引の対象となっている株式等の株価(価格)の変動等により損失が生じるおそれがあります。信用取引は差し入れた委託保証金を上回る金額の取引をおこなうことができるため、大きな損失が発生する可能性があります。その損失額は差し入れた委託保証金の額を上回るおそれがあります。
国内株式の委託手数料は「ゼロコース」「超割コース」「いちにち定額コース」の3コースから選択することができます。
〔ゼロコース(現物取引)〕
約定金額にかかわらず取引手数料は0円です。
但し、原則として当社が指定するSOR(スマート・オーダー・ルーティング(※1))注文 のご利用が必須となります。(当社が指定する取引ツールや注文形態で発注する場合を除きます。)
ゼロコースをご利用される場合には、当社のSORやRクロス(※2)の内容を十分ご理解のうえでその利用に同意いただく必要があります。
※1 SORとは、複数市場から指定条件に従って最良の市場を選択し、注文を執行する形態の注文です。
※2 「Rクロス」は、楽天証券が提供する社内取引システム(ダークプール(※3))です。
※3 ダークプールとは、証券会社が投資家同士の売買注文を付け合わせ、対当する注文があれば金融商品取引所の立会外市場(ToSTNeT)に発注を行い約定させるシステムをいいます。
〔ゼロコース(信用取引)〕
約定金額にかかわらず取引手数料は0円です。
但し、原則として当社が指定するSORのご利用が必須となります。(当社が指定する取引ツールや注文形態で発注する場合を除きます。)
〔超割コース(現物取引)〕
1回のお取引金額で手数料が決まります。
取引金額 取引手数料
5万円まで 55円(税込)
10万円まで 99円(税込)
20万円まで 115円(税込)
50万円まで 275円(税込)
100万円まで535円(税込)
150万円まで640円(税込)
3,000万円まで1,013円(税込)
3,000万円超 1,070円(税込)
〔超割コース(信用取引)〕
1回のお取引金額で手数料が決まります。
取引金額 取引手数料
10万円まで 99円(税込)
20万円まで 148円(税込)
50万円まで 198円(税込)
50万円超 385円(税込)
超割コース大口優遇の判定条件を達成すると、以下の優遇手数料が適用されます。大口優遇は一度条件を達成すると、3ヶ月間適用になります。詳しくは当社ウェブページをご参照ください。
〔超割コース 大口優遇(現物取引)〕
約定金額にかかわらず取引手数料は0円です。
〔超割コース 大口優遇(信用取引)〕
約定金額にかかわらず取引手数料は0円です。
〔いちにち定額コース〕
1日の取引金額合計(現物取引と信用取引合計)で手数料が決まります。
1日の取引金額合計 取引手数料
100万円まで0円
200万円まで 2,200円(税込)
300万円まで 3,300円(税込)
以降、100万円増えるごとに1,100円(税込)追加。
※1日の取引金額合計は、前営業日の夜間取引と当日の日中取引を合算して計算いたします。
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