今回は、前回お伝えした配当利回りの注意点を踏まえ、配当利回りに着目した具体的な銘柄の選び方について、お話ししたいと思います。
前回、配当利回りの計算式はPERと同様、「予想」の占めるウェイトが非常に高いというお話をしました。
5年後、10年後といった将来の配当金がどうなるかは分からない、でも配当利回りは将来の配当金がどうなるかを投資家なりに予想した結果だということです。
確かに将来は分からない、でもこういう考え方はどうでしょうか?「過去10年間同額の配当金を出し続けていたら、きっと将来も同様になる可能性が高い」「過去10年間配当金が増加傾向にあれば、きっと将来も配当金が増加する可能性が高い」という考え方です。
もちろん、将来は不透明ですからこの考え方が正しいという保証はありません。でも、将来の予想ができないにしても、やみくもに考えるのではなく、過去の結果から推測した方が、精度は高くなるといえるのではないでしょうか。
そこで、ランキングなどで高配当利回りの銘柄を探したら、まずは過去の配当状況に注目してください。最低でも5年間、できれば10年間の配当金の推移をみて、配当金が増加傾向にあれば合格です。少なくとも10年間で横ばいが必要です。
もし、配当金が減額傾向にあったり、年によってバラバラの場合は、将来の配当金も今より減ってしまう、もしくはどうなるか予想がつかないことになりますから、避けた方が無難です。
配当金の原資は何だと思いますか?もちろん、当期にあげた利益です。配当金は、利益の一部を株主に還元するものだからです。
(1)で、過去の配当金が増加傾向にあれば合格と書きましたが、配当金を増やすためには業績も伸びていることが必要となります。もし皆さんが経営者の立場であったとしたら、利益が増えていないのに、配当金を毎年増額させようと思いますか?
つまり、利益が伸びているということは、配当金を増やすことのできる実力が備わっているということを意味するのです。
そこで、(1)の配当金の推移に加え、過去5年間ないし10年間の業績の推移を確認し、売上や利益が増加傾向にある、最低でも横ばいの水準にあることを確認してください。
もし、利益が伸びていないのにもかかわらず、配当金が増加傾向にあるとしたら、少し注意が必要です。そのときは、「配当性向」という指標を使って問題ないかどうか確かめるようにしてください。
「配当性向」とは、当期純利益のうち、配当金に振り向けた額がどのくらいの割合かを表したものです。
配当性向の計算式は次のとおりです。
例えば、1株当たり配当金が30円、1株当たり当期純利益が100円だとしたら、30÷100×100=30%となります。
配当性向は、通常は高くとも30~40%程度に収まっていることが多いです。これが100%に近かったり、100%を超えている場合は要注意です。かなり無理をして配当金を支払っていることを意味しているからです。
ある会社の配当利回りはかなり高水準となっていますが、会社四季報等で業績を確認すると、配当性向が100%を大きく超えていました。
配当性向が100%を超えているというのは、配当金を支払う財源として当期純利益だけでは足りず、過去の利益の蓄積である利益剰余金を取り崩していることを意味します。
そんなことはいつまでも続くわけはありません。配当性向が100%を超え、かつ今後の業績が回復する見込みも低い、そんな会社の配当利回りが高いのは、「今期の予想」を基準とした表面上のものに過ぎず、近い将来配当金が減額されると投資家が判断している可能性が高いのです。
ランキング上位に入るほど配当利回りが非常に高い銘柄は、何らかのリスクが存在している可能性が極めて高いです。
それらの銘柄の特徴としては、主に業績が不安定だったり、配当性向が高いというものです。そのため、将来配当金が減額される可能性が高いと評価されているのです。
でも、配当利回りが非常に高い銘柄は絶対に避けるべきかといえば、必ずしもそうではありません。こうした銘柄は、将来配当金が減らされるリスクはありますが、減らされると決まったわけではないからです。
例えば、ここ数年は毎年しっかり利益を上げ続けている一方で、配当性向が毎年100%になっている銘柄があります。この銘柄は配当利回りが非常に高いのですが、その理由は今後利益が減ることにより、配当金も減額されるリスクが高いと投資家が判断しているためです。確かに配当性向が毎年100%ですから、利益が減れば配当も減るであろうと容易に推測できます。
でも、今後も現在と同様、同水準の利益を上げ続けることができれば、今と同水準の配当金が今後も続くことになるでしょうから、足元の非常に高い配当利回りで投資することは有利となります。
配当金が減らされるリスクは高いが、あえてそのリスクを取って攻めて行く、という考え方もあるのです。
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足立武志
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株式等は株価(価格)の変動等により損失が生じるおそれがあります。上場投資信託(ETF)は連動対象となっている指数や指標等の変動等、上場投資証券(ETN)は連動対象となっている指数や指標等の変動等や発行体となる金融機関の信用力悪化等、上場不動産投資信託証券(REIT)は運用不動産の価格や収益力の変動等、ライツは転換後の価格や評価額の変動等により、損失が生じるおそれがあります。※ライツは上場および行使期間に定めがあり、当該期間内に行使しない場合には、投資金額を全額失うことがあります。
上場有価証券等のうち、レバレッジ型、インバース型のETF及びETN(※)のお取引にあたっては、以下の点にご留意ください。
※「上場有価証券等」には、特定の指標(以下、「原指数」といいます。)の日々の上昇率・下落率に連動し1日に一度価額が算出される上場投資信託(以下「ETF」といいます。)及び指数連動証券(以下、「ETN」といいます。)が含まれ、ETF及びETNの中には、原指数の日々の上昇率・下落率に一定の倍率を乗じて算出された数値を対象指数とするものがあります。このうち、倍率が+(プラス)1を超えるものを「レバレッジ型」といい、-(マイナス)のもの(マイナス1倍以内のものを含みます)を「インバース型」といいます。
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国内株式の委託手数料は「ゼロコース」「超割コース」「いちにち定額コース」の3コースから選択することができます。
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ゼロコースをご利用される場合には、当社のSORやRクロス(※2)の内容を十分ご理解のうえでその利用に同意いただく必要があります。
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※2 「Rクロス」は、楽天証券が提供する社内取引システム(ダークプール(※3))です。
※3 ダークプールとは、証券会社が投資家同士の売買注文を付け合わせ、対当する注文があれば金融商品取引所の立会外市場(ToSTNeT)に発注を行い約定させるシステムをいいます。
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約定金額にかかわらず取引手数料は0円です。
但し、原則として当社が指定するSORのご利用が必須となります。(当社が指定する取引ツールや注文形態で発注する場合を除きます。)
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1回のお取引金額で手数料が決まります。
取引金額 取引手数料
5万円まで 55円(税込)
10万円まで 99円(税込)
20万円まで 115円(税込)
50万円まで 275円(税込)
100万円まで535円(税込)
150万円まで640円(税込)
3,000万円まで1,013円(税込)
3,000万円超 1,070円(税込)
〔超割コース(信用取引)〕
1回のお取引金額で手数料が決まります。
取引金額 取引手数料
10万円まで 99円(税込)
20万円まで 148円(税込)
50万円まで 198円(税込)
50万円超 385円(税込)
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〔超割コース 大口優遇(現物取引)〕
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〔超割コース 大口優遇(信用取引)〕
約定金額にかかわらず取引手数料は0円です。
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1日の取引金額合計 取引手数料
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