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2015年1月21日

第六章 カントリーETF

カントリーETF

カントリーETFは特定の国の株式市場全体に投資することを可能にするETFです。代表的なカントリーETFには次のようなものがあります。

銘柄名 コード 費用比率
トラッカー・ファンド・オブ・ホンコン 02800 0.11%
ハンセン・インデックスETF 02833 0.13%
iシェアーズMSCIインディア・インデックス INDA 1.08%
ウィズダムツリー・インド・アーニングス・ファンド EPI 0.84%
マーケット・ベクトル・インド小型株ETF SCIF 0.85%
マーケット・ベクトル・ロシアETF RSX 0.62
iシェアーズMSCIブラジル・キャップトETF EWZ 0.62%
マーケット・ベクトル・ブラジル小型株ETF BRF 0.59%
iシェアーズMSCIインドネシアETF EIDO 0.62%
iシェアーズMSCIフィリピンETF EPHE 0.62
iシェアーズMSCIポーランドETF EPOL 0.62%
iシェアーズMSCIマレーシアETF EWM 0.48%
iシェアーズMSCIシンガポールETF EWS 0.48%
iシェアーズMSCI台湾ETF EWT 0.62%
iシェアーズMSCIメキシコ・キャップトETF EWW 0.48%
iシェアーズMSCI韓国キャップトETF EWY 0.62%
iシェアーズMSCI南アフリカETF EZA 0.62%
iシェアーズMSCIタイ・キャップトETF THD 0.62%
iシェアーズMSCIトルコETF TUR 0.62%
マーケット・ベクトル・ベトナムETF VNM 0.70%

この表にあるカントリーETFの多くは、読んで字の如くそれぞれの国に投資するETFであり、多くの説明を必要としません。ただ判りにくい名称のものもあるので、それらについてかいつまんで説明しておきます。

トラッカー・ファンド・オブ・ホンコン(TraHKと略されることがあります)はユニット型投資信託会社の形態をとっており、香港証券取引所(H株)に上場した中国企業に投資します。ステートストリート・グローバル・アドバイザーズが運用しています。

ハンセン・インデックスETFは恒生投資が運用するETFで香港ハンセン指数をなぞるように設計されています。

ウィズダムツリー・インド・アーニングス・ファンドは米国の独立系運用会社、ウィズダムツリーが独自に開発したウィズダムツリー・インディア・アーニングス指数をなぞるように設計されています。同指数はインド株のうち流動性が高く外国人も買える銘柄で、なおかつしっかり利益を出している企業を中心に組み込んでいます。代表的な企業としてはリライアンス・インダストリーズ、インフォシス、HDFC銀行、ICICI銀行、ONGCなど、順当なところが含まれています。

マーケット・ベクトル・インド小型株ETFはヴァン・エック・グローバル社によって運用されているインドの小型株に特化したETFです。「マーケット・ベクトル」というのは同社のファンドにつけられたブランド名であり、特に意味はありません。同ETFは比較的規模が小さく、出来高が少ないという問題点がありますが、インドの小型株に投資できるファンドはとても珍しいので希少価値があります。

マーケット・ベクトル・ロシアETFはヴァン・エック・グローバルが運用会社でありロシアのETFの草分け的存在です。

iシェアーズMSCIブラジル・キャップトETFはブラジルの大型株に投資するETFです。なお「キャップト」というのはMSCIが指数を運用するにあたって定めたルールであり、具体的には指数に含まれる特定の銘柄やセクターが余りに大きくなりすぎるとその特定の銘柄やセクターが全体を歪めてしまうので「キャップ」つまり上限を設けるという意味です。同ファンドはブラックロックによって運用されています。

マーケット・ベクトル・ブラジル小型株ETFはヴァン・エック・グローバルによって運用されているブラジルの小型株に特化したETFです。

なお、上の表の他にもカントリーETFは数多く存在するのですが、一つの国で二つ以上のカントリーETFが存在する場合は、活発に取引されているものをリストアップしました。

地域ETF

また個別国に投資するETFではないのですが、世界の特定の地域に投資するETFもあります。

銘柄名 コード 費用比率
iシェアーズMSCI ACWI ETF ACWI 0.33%
iシェアーズMSCIエマージング・マーケットETF EEM 0.67%
iシェアーズMSCI EAFE ETF EFA 0.33%
iシェアーズMSCIパシフィック<除く日本>ETF EPP 0.49%
iシェアーズMSCIフロンティア100 ETF FM 0.79%
iシェアーズ・ヨーロッパETF IEV 0.60%
iシェアーズ・ラテンアメリカ40 ETF ILF 0.49%

これらの地域ETFは、実は利用価値が高いです。なぜならひとつのETFで複数の国々や地域に投資できるものもあり、幾つものETFを買い揃える必要が無くなるからです。

たとえばiシェアーズMSCI ACWI ETFは、これひとつで世界の全ての主要市場に投資することが出来る、極めて便利なETFです。

一方、iシェアーズMSCIエマージング・マーケットETFもたいへんポピュラーなETFです。こちらは、これひとつで世界の新興国市場全てに投資できるETFです。(同ETFの組み入れ国については第三章にグラフを掲載しておきましたので、そちらを参照してください)

なお読者の皆さんは海外ETFの他に日本株にも投資されている場合が多いと思います。すると海外ETFの中に日本が含まれていることで、日本への投資が重複してしまう場合がある点に留意する必要があります。

一般論として、世界の幅広い地域に投資するETFはボラティリティ(価格のブレのこと)が小さいです。これとは対照的にカントリーETF、とりわけ小さい新興国に投資するETFは極めて値動きが荒い点に注意すべきです。

さらに新興国のETFは一般に費用比率が高いです。この点にも注意すべきだと思います。

本資料は情報提供を目的としており、投資等の勧誘目的で作成したものではありません。お客様ご自身で投資の最終決定をおこなってください。本資料の内容は、弊社が信頼できると判断した情報源から入手・編集したものですが、その情報源の確実性まで保証するものではありません。なお、本資料の内容は、予告なしに変更することがあります。

広瀬隆雄

「海外ETFデビュー講座」

このシリーズは(経済の勉強を兼ねて、株式投資に挑戦してみようかな?)と考えている初心者のために書き下ろしました。執筆するにあたり、わかりやすく、すぐに役に立ち、身近に感じられることに特に留意したいと思います。その分、全てを網羅(もうら)できない面があるかも知れませんが、それはご容赦ください。

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外国株式のリスクと費用について

外国株式等の取引にかかるリスク

外国株式等は、株価(価格)の変動等により損失が生じるおそれがあります。また、為替相場の変動等により損失(為替差損)が生じるおそれがあります。上場投資信託(ETF)は連動対象となっている指数や指標等の変動等、上場投資証券(ETN)は連動対象となっている指数や指標等の変動等や発行体となる金融機関の信用力悪化等、上場不動産投資信託証券(REIT)は運用不動産の価格や収益力の変動等により、損失が生じるおそれがあります。

レバレッジ型、インバース型ETF及びETNのお取引にあたっての留意点

上場有価証券等のうち、レバレッジ型、インバース型のETF及びETN(※)のお取引にあたっては、以下の点にご留意ください。

  • レバレッジ型、インバース型のETF及びETNの価額の上昇率・下落率は、2営業日以上の期間の場合、同期間の原指数の上昇率・下落率に一定の倍率を乗じたものとは通常一致せず、それが長期にわたり継続することにより、期待した投資成果が得られないおそれがあります。
  • 上記の理由から、レバレッジ型、インバース型のETF及びETNは、中長期間的な投資の目的に適合しない場合があります。
  • レバレッジ型、インバース型のETF及びETNは、投資対象物や投資手法により銘柄固有のリスクが存在する場合があります。詳しくは別途銘柄ごとに作成された資料等でご確認いただく、またはコールセンターにてお尋ねください。

※「上場有価証券等」には、特定の指標(以下、「原指数」といいます。)の日々の上昇率・下落率に連動し1日に一度価額が算出される上場投資信託(以下「ETF」といいます。)及び指数連動証券(以下、「ETN」といいます。)が含まれ、ETF及びETNの中には、原指数の日々の上昇率・下落率に一定の倍率を乗じて算出された数値を対象指数とするものがあります。このうち、倍率が+(プラス)1を超えるものを「レバレッジ型」といい、-(マイナス)のもの(マイナス1倍以内のものを含みます)を「インバース型」といいます。

米国株式の信用取引にかかるリスク

米国株式信用取引の対象となっている株式等の株価(価格)の変動等により損失が生じるおそれがあります。米国株式信用取引は差し入れた委託保証金を上回る金額の取引をおこなうことができるため、大きな損失が発生する可能性があります。その損失額は差し入れた委託保証金の額を上回るおそれがあります。また、米国株式信用取引は外貨建てで行う取引であることから、米国株式信用取引による損益は外貨で発生します。そのため、お客様の指示により外貨を円貨に交換する際の為替相場の状況によって為替差損が生じるおそれがあります。

外国株式等の取引にかかる費用

〔現物取引〕
1回のお取引金額で手数料が決まります。
取引手数料
米国株式 約定代金の0.495%(税込)・最低手数料:0米ドル・上限手数料:22米ドル(税込)
中国株式 約定代金の0.275%(税込)・最低手数料:550円(税込)・上限手数料:5,500円(税込)
アセアン株式 約定代金の1.10%(税込)・最低手数料:550円(税込)・手数料上限なし
※当社が別途指定する銘柄の買付手数料は無料です。
※米国株式の売却時は上記の手数料に加え、別途SEC Fee(米国現地取引所手数料)がかかります。詳しくは当社ウェブページ上でご確認ください。
※中国株式・アセアン株式につきましては、カスタマーサービスセンターのオペレーター取次ぎの場合、通常の取引手数料に2,200円(税込)が追加されます。

〔米国株式信用取引〕
1回のお取引金額で手数料が決まります。
取引手数料
約定代金の0.33%(税込)・最低手数料:0米ドル・上限手数料:16.5米ドル(税込)
※当社が別途指定する銘柄の新規買建または買返済時の取引手数料は無料です。
※売却時(信用取引の場合、新規売建/売返済時)は上記の手数料に加え、別途SEC Fee(米国現地取引所手数料)がかかります。詳しくは当社ウェブページ上でご確認ください。

米国株大口優遇の判定条件を達成すると、以下の優遇手数料が適用されます。米国株大口優遇は一度条件を達成すると、3ヶ月間適用になります。詳しくは当社ウェブページをご参照ください。

〔米国株式信用取引(米国株大口優遇)〕
約定金額にかかわらず取引手数料は0米ドルです。

  • 米国株式信用取引には、上記の取引手数料の他にも各種費用がかかります。詳しくは取引説明書等をご確認ください。
  • 米国株式信用取引をおこなうには、委託保証金の差し入れが必要です。最低委託保証金は当社が指定する30万円相当額、新規建て時に最低必要な委託保証金率は50%、委託保証金最低維持率(追証ライン)が30%です。委託保証金の保証金率が30%未満となった場合、不足額を所定の時限までに当社に差し入れていただき、委託保証金へ振替えていただくか、建玉を決済していただく必要があります。

米国貸株サービスにかかるリスクおよび費用

  • リスクについて
    米国貸株サービスの利用に当社とお客様が締結する契約は「消費貸借契約」となります。株券等を貸付いただくにあたり、楽天証券よりお客様へ担保の提供はなされません(無担保取引)。
  • 投資者保護基金の対象とはなりません
    貸付いただいた株券等は、証券会社が自社の資産とお客様の資産を区別して管理する分別保管および投資者保護基金による保護の対象とはなりません。
  • 手数料等諸費用について
    お客様は、株券等を貸付いただくにあたり、取引手数料等の費用をお支払いいただく必要はありません。
  • 配当金等、株主の権利・義務について
    貸借期間中、株券等は楽天証券名義又は第三者名義等になっています。そのため、貸借期間中に権利確定日が到来した場合の配当金については、発行会社より配当の支払いがあった後所定の期日に、所得税相当額を差し引いた配当金相当額が楽天証券からお客様へ支払われます。また、株式分割等コーポレートアクションが発生した場合(整数倍の株式分割を除く)、自動的にお客様の口座に対象銘柄を返却することで、お客様は、株主の権利を獲得します。
  • 配当金の情報について
    米国貸株サービスにおける配当金の情報は、S&Pグローバル社より提供されるデータを基にしており、原則として毎営業日の更新となります。配当金は各企業の判断で廃止・変更になる場合がありますので、必ず当該企業のホームページ等で内容をご確認ください。
  • 大量保有報告の提出について
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  • 税制について
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