先週の予測では、5月28日の時点で4月21日の高値14,649円及び200日移動平均線(26日14,647円)を終値で上回れば直角三角形の保ち合いを上放れる形になるとしていましたが、6月2日(月)に△303円の14,935円となったことで15,000円を目指す動きへとし、15,000円台へ到達すれば14,500~15,000円のもみあいの後、再上昇となっていくとしました。
目先の上値には、3月7日の15,312円と4月3日の15,164円の戻り高値があり、5月21日の13,964円からの短期急騰を考えると、4月3日の15,164円を前に目標達成感が出て、一旦14,500~15,000円のもみあいに入り、その後再上昇となって3月7日の戻り高値15,312円を試す動きとなることを想定していました。しかし、15,000円台回復後は15,000円を切らずにもみあい、週末の6日は15,077円で引けました。
昨年の前半の上昇は、アベノミクスによる為替の円安進行を背景にしたものでしたが、今回の上昇要因は、欧米の株式市場に対する出遅れ感と安倍政権の政策期待の高まりがあります。先週は、NISAの非課税枠拡大報道、法人税の引き下げやGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)改革の報道などがあり、6月中の政府の成長戦略の発表に絡んで先高期待が高まり、押し目らしい押し目がない状況となりました。
先週末6日の日本市場の引け後のアメリカ市場では、注目の5月雇用統計の非農業部門雇用者数は予想の21.5万人に対して21.7万人増とわずかに予想を上回り、失業率は予想の6.4%を下回る6.3%と改善したことで、全般的に労働市場の着実な改善が続いていることが確認されたとして、NYダウは△88円の16,924ドルと連日の史上最高値更新となりました。シカゴ日経先物は15,200円と4月3日の戻り高値15,164円を上回って引けていました。
今週は、2月5日に13,995円の安値をつけた後の戻り高値3月7日の15,312円と4月3日の15,164円がありましたが、15,164円を達成すると次は15,312円を試す動きとなります。しかし、5月21日の安値13,964円から短期で1,100円近く上昇しており、上値では利益確定売りが膨らみそうです。テクニカル的な過熱感は高まっており、騰落レシオは昨年7月14日の132%以来の126.1%(6日時点)の高水準となっており、いったん調整してもおかしくないところです。又、業種別のチャートからみると、ほとんどのチャートが上値抵抗ラインの近辺まで上昇してきています。
一方で、相場環境は為替が102円台で落ち着いています。アメリカ株式は先週末の5月雇用統計で景況感の回復を確認しており、国内でも6月は成長戦略の発表が予定されているため堅調な動きが想定され、日経平均の下値は限定的といえます。戻りを試し終われば14,500~15,000円のボックス圏を想定していましたが、想定よりも戻りが大きいので15,000円±200円のもみあいとなる可能性もあります。
日経平均が安いときに買えなかった人は、買い損なったという気持ちから焦りが出て、今からでも買える銘柄はないかと思ってしまいますが、結果的に上昇したとしてもそれは運が良かったというだけで、確率的には高値づかみになる可能性が高いと考えられます。逆にここから一段高になるということは、「短期で急騰した場合は、短期で急落する」という相場の特性がありますので、大幅調整を待つスタンスをとると、リスクの少ない買いのチャンスがやってくると考えられます。
9日(月)は、4月3日の戻り高値15,164円を上回る△127円の15,204円で寄り付き、ここを高値に伸び悩むが、下値には買いが入り△46円の15,124円で引け、終値では15,164円を上回ることができませんでした。今週は12~13日に日銀金融政策決定会合や黒田総裁の会見もあり、13日(金)はSQ清算日を控えており思惑が絡んで、3月7日の戻り高値15,312円を試す場面もあるかもしれませんが、目先は戻りのピークに近づいていると考えた方がよいでしょう。
先週の予測では、週後半にECB理事会による追加緩和の行方や5月の米雇用統計の発表というイベントを控え、上値では利益確定売りが強まるとしました。但し、5月27日の14,744円を終値で上回れば15,000円を試す動きになるとしました。
結果的には、2日(月)に為替が102円台の円安に進んだことで△303円の14,935円となって5月27日の14,744円を上回り、3日(火)は△98円の15,034円と2カ月ぶりの大台回復となりました。その後は、上値は4月3日の15,164円に抑えられましたが、15,000円台でのもみあいが続き、週末6日(金)は▼2の15,077円でした。
今週はアメリカ株式の堅調さが想定されて下値は堅く、12~13日には日銀金融政策決定会合や黒田総裁の会見を控え、13日(金)のSQ清算も絡んで戻りを試す動きとなって4月3日の15,164円、3月7日の15,312円を試す可能性があります。但し、チャートでもわかりますように、その水準は利益確定売りが出やすいところであり、市場ボリュームの増加がない状況では上値をどんどん試していくことは難しいと思われます。騰落レシオの126.1%(6日時点)からはいつ下落に転じてもおかしくないところですので、今週は要注意となります。
週明け9日(月)は、4月3日の15,164円を上回る△127円の15,204円で寄り付くものの、ここを高値に上げ幅を縮小し、しかし下値は底堅く推移して△46円の15,124円で引けました。
先週の予測では、5月13日のザラ場での最高値16,735ドルを上回るためには景況感の改善が必要との見方が多く、そのためには週末の5月雇用統計の結果待ちとし、それまでは高値圏での神経質な展開を想定しました。
週前半は景況感の改善で上値を試すも、週後半にECB理事会や5月雇用統計を控え上目は重い展開でしたが、後半はECB理事会での追加の金融緩和を好感し、更に5月雇用統計はほぼ予想と一致したことで、△88ドルの16,924ドルの3日連続の最高値更新となりました。
今週は、先週が景況感の回復を示す経済指標が相次いだことで連日の過去最高値を更新し、高値圏で一段高となったことから、引き続き過去最高値の更新を試す展開が想定されます。
先週の予測では、週後半にECB理事会や5月米雇用統計を控えており、ECB理事会で追加の金融緩和が発表されるとユーロ売り・円買い、米雇用統計が改善すればドル買い・円売りになるとしました。
結果的にECB理事会で追加の金融緩和が発表されましたが、ユーロ・円はそれほど反応なく、ドル・円では10年債利回りが2.4%台から2.6%台へ反発したことでドルが買われ、一時102.8円まで円安が進みました。6日(金)の雇用統計は予想と一致し株価は上昇しましたが、ドル買いは一服となって、102.50円で引けました。
今週もアメリカ株式が堅調であれば、ドル買い・円売りの方向の動きとなり、101~103円のボックスの中で102円台を中心にドルの強含みで推移しそうです。
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出島昇
柴田罫線実践教室
株式会社オルタナレッジ「柴田罫線」で分析した提供レポートです。「柴田罫線」というテクニカル分析をベースに、株式相場の分析をおこなってまいります。
株式等は株価(価格)の変動等により損失が生じるおそれがあります。上場投資信託(ETF)は連動対象となっている指数や指標等の変動等、上場投資証券(ETN)は連動対象となっている指数や指標等の変動等や発行体となる金融機関の信用力悪化等、上場不動産投資信託証券(REIT)は運用不動産の価格や収益力の変動等、ライツは転換後の価格や評価額の変動等により、損失が生じるおそれがあります。※ライツは上場および行使期間に定めがあり、当該期間内に行使しない場合には、投資金額を全額失うことがあります。
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※1 SORとは、複数市場から指定条件に従って最良の市場を選択し、注文を執行する形態の注文です。
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※3 ダークプールとは、証券会社が投資家同士の売買注文を付け合わせ、対当する注文があれば金融商品取引所の立会外市場(ToSTNeT)に発注を行い約定させるシステムをいいます。
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〔超割コース(信用取引)〕
1回のお取引金額で手数料が決まります。
取引金額 取引手数料
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