先週は、14,800~15,200円の日柄調整に入り、日柄調整を終了した後で上に抜けることが確率として高いと考えていました。15,200円を上に抜ける場合は、新しい好材料や市場ボリュームの増加が必要であるため、多少時間がかかると思われました。しかし結果的には、想定に反して日柄調整しないで15,200円を突破する動きとなりました。
週前半は、16日(月)に14,867円の安値をつけた後は15,000円を挟んでのもみあいとなる中、市場ボリュームが低調であるため、個人主体によるミクシィなどの中小型株の一角に資金が集中し、相場の下支えとなっていました。ところが、18日(水)のFOMCで懸念されていた早期利上げの示唆はなく、逆に低金利政策は長期化するとの見方からアメリカ株式が上昇(S&Pは史上最高値更新、ナスダックは今年の高値更新)となったことで、19日(木)の日経平均は、トヨタなどの主力大型株が軒並み買われ、目先の4月3日の戻り高値15,164円、さらに3月7日の今年の戻り高値15,312円をあっさり突破し、△245の15,361円となりました。出来高27.7億株、売買代金2兆5,000億円と一気に膨らみ、投資主体が個人投資家から内外の機関投資家主体に変化してきました。週末の20日(金)は▼11の15,349円でしたが、一時15,422円まで上昇しました。
想定よりも早いスピードで上昇が続いています。前週までの5週間で日経平均は1,200円を越す上昇となっています。1年ぶりの5週連続となります。この急騰を後押しするだけのファンダメンタルズの変化があったわけではありません。先週は、FOMCの結果とイエレン議長が記者会見で「現在の株価水準は、過去の標準から離れているとは考えない」と発言したことぐらいで、新しい材料でもありません。
それでは、急騰の要因は何かというと、売り方の買い戻しによるものだといえます。私もそうですが、ほとんどの投資家はチャート上から14,000~15,000円のボックス圏の動きを想定し、15,000円を超えた15,200円まではそのボックス圏の上限だと考えていました。そのため、この上限に近づくと売りの仕掛けが出ていました。 13日時点の信用売り残高は5週連続で増加し、2012年3月以来約2年3カ月ぶりの高水準となりました。ウクライナやイラク情勢の緊迫などの不透明感が出て、ボックスの上限を突破するのは難しいとの見方が出ていたためでした。
しかし、19日(木)は主力株中心に軒並み高となり、15,200円を突破し、出来高・売買代金ともに急増しましたが、「売り方」の買い戻しと海外の投資家の出遅れ感からの新規の資金によります。これにより、売り方の信用の評価損は大きなマイナスに転落(13日時点で▼4.6%)しており、こうなると更なる踏み上げによる上昇も期待されるところです。
今週は、急ピッチな上昇に対する高値警戒感はあるものの、先週後半にアメリカの早期利上げの可能性は低いとの見方からアメリカ株式が史上最高値を更新したことで、出遅れ感のある日本株に資金が流入しており、一本調子の上昇はないものの上値を試す展開が想定されるところです。
今週は、もう一段上を試すには、27日(金)の成長戦略の閣議決定において大まかな内容は伝わっているものの、より具体的なものが期待されており、法人税率引き下げの具体的税率やGPIFの改革における日本株式の比率がどの程度引き上げられるかなど注目となります。期待される内容であれば、カラ売りの踏み上げを誘って一段高の可能性があるものの、具体性が乏しければ目先材料出尽くしとなって利益確定売りを誘うことになります。
テクニカルな過熱感からみると、先週末の20日(金)に151.6%と買われ過ぎとなる130%を大きく上回っていますので、利益確定売りが出やすい状況だと考えられます。ただし、相場の地合いが強い時は騰落レシオが高値に張り付いたままの状態が続くことがあり、その場合は物色循環がスムーズに行われている時と考えられます。 例えば、先週後半から主力大型株が軒並み上昇して指数を引き上げましたが、本日は一服となっています。しかし、再び中小型株が買われ、値上がり銘柄数は多いという状況になっています。
今週は、下値は限定的で上値も高値警戒感があり、15,200~15,500円台の中での動きが想定されます。上値を試す場合は1月23日から24日にかけてのチャートの窓埋め(15,690円→15,485円)が近々期待されるところです。
本日23日(月)は、先週末のアメリカ株高を受けてシカゴ日経先物が△50の15,430円となっていたことで、サヤ寄せする形で△77の15,426円で寄り付き15,442円まで上昇するものの、先週末にかけて上昇した大型株が利益確定売りとなって高値更新後は伸び悩み、△19の15,369円で引けました。しかし、反対に再び中小型株が買われ、値上がり銘柄数は929銘柄としっかりしていました。
先週は、基本的に15,000円±200円(14,800~15,200円)の中で、日柄調整を想定しました。上値は9日(月)の15,206円、下値は6月SQ値14,807円としました。15,206円を抜けると、3月7日の15,312円を試す形としましたが、現状の市場ボリュームでは難しいと考えていました。
週前半は利益確定売り優勢となって、16日(月)は14,867円まで下げましたが、18日(水)は102円台の円安を好感して△139円の15,115円と15,100円台を回復し、19日(木)は前日のアメリカでのFOMCの結果を受けてアメリカ株式が高かったことで主力大型株が買われ、△245円の15,361円と一気に9日(月)の15,206円と3月7日の15,312円を突破して引けました。
今週は、チャートからは6月19日に15,361円でろく買が出て、3月7日の15,312円を上回ってきましたので、引き続き上値を試す展開が想定されます。但し、前週までの5週間で日経平均は1,200円を超える上昇となり、騰落レシオが150%と昨年5月以来の「買われ過ぎ」となっていますので、スピード調整も考えられるところです。15,000~15,500円の中の動きを想定。
週明け23日(月)は、シカゴ日経先物の15,430円にサヤ寄せする△77円の15,426円で寄り付き15,442円まで上昇するものの、先週末大きく上昇した大型株が利益確定売りとなったため上げ幅を縮小し、△19円の15,369円で引けました。
先週は、高値圏での神経質な展開が予想される中で、FOMCでの早期利上げ観測への思惑が注目されるとしました。
結果的に、18日(水)のFOMCでは予想通り100億ドルの量的緩和の縮小が決定され、早期利上げは示唆されず、緩和的な金融政策は長期化するとの見方からNYダウは△98円の16,906ドルと4日続伸し、その後はイエレン議長が会見で、株価水準は過去の標準からも妥当と発言したことで、週末20日(金)は一時16,978ドルまで上がって、△25円の16,947ドルと再び史上最高値を更新しました。
今週は、高値圏でイラク・ウクライナの地政学的リスクとアメリカ経済の回復期待との綱引きで神経質な動きとなりそうです。NYダウの動きは先週末に再び史上最高値更新となってきましたが、上値が重い動きとなっています。17,100ドルを上回ってくると、もう一段上が期待できますが、6月12日の16,703ドルを終値で下回るといったん調整も考えられます。
先週は、地政学的リスクやアメリカのFOMCを控え長期金利の動きに合わせてドル・円相場の動きが注目されるが、101~103円のボックスの動きとしました。
結果的に、週前半はイラク情勢の緊迫化からリスク回避の円買いで101.72円をつけますが、11日(水)はFOMCでの早期利上げ観測から長期金利が上昇し、ドル買いで102.36円まで円安が進行しました。しかし、FOMCでは利上げは示唆されず低金利の長期化の見方からドルが売られ、地政学的リスクもあって週末20日(金)は101.74円で引けました。
今週は、材料が多いが101~103円のボックス内の動きが続きそうです。地政学的リスクによる円高がある一方で、24日閣議決定予定の新成長戦略が期待に沿う内容であれば円安、アメリカのGDPやインフレ率の発表の結果によってドル買いもしくはドル売りとなりますが、大きく相場に与える影響は少なそうです。
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出島昇
柴田罫線実践教室
株式会社オルタナレッジ「柴田罫線」で分析した提供レポートです。「柴田罫線」というテクニカル分析をベースに、株式相場の分析をおこなってまいります。
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