先週の予測は、大きなイベントもなく高値圏でのもみあいになるとしました。上値は15,500円水準から上は昨年出来高・売買代金が急増していたところなので、現在の売買代金が2兆円を割る状況では利益確定売りに押されることになるとしました。 一方で、下値は、目先は25日移動平均線が下値の目処となりますが、アメリカ株式の高値警戒感からの何かのきっかけで下落する場合や、イラク・ウクライナ問題などの地政学的リスクからリスク回避の円高となる場合は下値を試す要因になるとしました。
結局、先週は欧米株式の下落と円高基調から日経平均はじり安となり5日続落となりました。週前半は、アメリカ市場では欧州株式の軟調さや4-6月期決算の本格化を前に利益確定売りが続き、日経平均も同じく利益確定売り優勢となって25日移動平均線を下値の目処にもみあいとなっていました。しかし、週末の11日(金)は、前日に欧州市場でポルトガルの大手銀行の信用不安を受けて欧米株安となり、為替も地政学的リスクに加え欧州金融危機の再燃への警戒感からリスク回避の円買いとなったことで一時15,101円まで下落し、終値は▼52円の15,164円となって25日移動平均線(11日15,217円)を切って引けました。但し、6月SQ値の15,084円は上回って引けました。
今週は、先週末に出てきた新たな悪材料であるポルトガルの大手銀行の経営不安による欧州信用不安の再燃への懸念と、今月後半からの日本の4-6月期の堅調な業績への期待との綱引きとなって方向感のない動きとなりそうです。これまで日本株式市場は、好材料に取り囲まれその中で薄商いながら戻り高値を更新する動きとなっていましたが、先々週より、リスクはアメリカ株式が高値警戒感から何かのきっかけで下落する場合と、ウクライナ・イラク問題の悪化による円高としてきました。そのため、リスクをとる人のみが参加する相場状況としました。
そして先週末の11日(金)にポルトガルの大手銀行の債務不履行懸念が表面化し、欧州株式の大幅下落となりました。NYダウも一時▼180ドルの16,805ドルまで下落しましたが、影響は一時的との見方から急速に下げ幅を縮小し、▼70ドルの16,915ドルで引けました。翌日の日経平均も15,101円まで下げるものの、その後下げ渋って▼52円の15,164円となりましたが、25日移動平均線を下回って引けました。
本日は、先週まで5日続落ということもあって値ごろ感から押し目買いが入り、後場の1時頃までは25日移動平均線(11日15,217円)近辺までの戻りとなってもみあっていました。しかし、材料がないのにもかかわらず、1時過ぎから先物に断続的な買いが入り一段高となって15,324円まで上昇し、△132円の15,296円で引けました。欧州信用不安は限定的であり、アメリカ企業決算は好調であるとの前提の見切り発車の可能性が高く、そうでなければ反落となってきます。
柴田罫線で業種別の転換状況をみると、半分近くが売転換もしくは売転換間近となっていますので、ポルトガルの大手銀行の経営不安の波及が広がれば調整局面に入る可能性もあります。その場合は、大幅な値幅調整(6月13日の14,830円を切った場合)となるのか、それとも日柄調整で終わるのかは今のところわかりません。わからない以上は様子見に徹するか(結果的に大きな調整になれば大チャンス)、リスクをとれる人は、狙った押し目水準からさらにもう一段下があるのを想定して2回に分けて買うことになります。
先週の予測では、SQを除くと大きなイベントはなく、高値圏のもみあいを想定しました。上値は7月4日の15,490円と5ヶ月ぶりの高値をつけたことで利益確定売り優勢としました。
下落する場合は、アメリカ株式が高値警戒感から何かのきっかけで下落する場合と、リスク回避の円高の場合としましたが、そのような動きになってきました。アメリカ株式が欧州株安をきっかけに軟調となり、円高も進行したことで、日経平均は週初めから利益確定売り優勢となって、10日(木)までは25日移動平均線を下値に4日連続安となりました。更に週末11日(金)は、ポルトガルの大手銀行の経営不安で欧州株安、円高を受けて25日線(11日15,217円)を下回り15,101円まで下がって▼52円の15,164円で引けました。但し、SQ値15,084円は上回って引けました。
今週は、ポルトガルの大手銀行の経営不安から欧州信用不安再燃への懸念が相場の重しとなり、アメリカの金融政策の方向性を見極めたいというムードもあるため、上値の重い展開が続くことになりそうです。特に先週末11日(金)は、SQ値15,084円を上回る15,164円で引けたものの25日線(15,217円)を下回っていますので、早い段階で回復しないと調整が長引くことになります。戻りを試す要因としては、騰落レシオが107%まで低下して過熱感が薄れてきていますので、アメリカ株の反発と円安への戻りということになります。
週明け14日(月)は、先週まで5日続落の後の値ごろ感から25日移動平均線(11日15,217円)近辺までの自律反発となっていましたが、後場の1時過ぎから先物に断続的に買いが入り一段高となって△132円の15,296円で引けました。
先週の予測では、いよいよ4-6月期決算がスタートすることで、トップバッターのアルミ大手アルコアが結果が良ければ高値を試す展開も想定されるが、FRB議事録の公開で利上げに関する内容があれば、相場が左右されることになるとしました。
しかし、先週は欧州の動きに左右される展開となりました。8日(火)は、ドイツ・イギリスの経済統計が悪化して欧州市場が大幅下落となり、▼117ドルの16,906ドルとなりました。9日(水)は一旦△78ドルの16,985ドルと反発するものの、10日(木)はポルトガルの大手銀行の経営不安から一時▼180ドルの16,805ドルまで下げて▼70ドルの16,915ドルで引けました。しかし、週末11日(金)は、ポルトガルの大手銀行の問題は限定的との見方やアルコアの好調な決算のほかFRB議事録で利上げ観測が出なかったことで、△28ドルの16,943ドルと反発して引けました。
今週は、基本的には4-6月期の決算発表を受け、その結果によって一進一退の動きとなりそうですが、ポルトガルの大手銀行の経営不安が欧州信用不安への再燃への広がりをみせると下げ幅は大きくなります。今のところ16,700~17,000ドルの間での値動きが想定されますので、6月12日の安値16,703ドルを切らなければ自然な調整の範囲です。
先週の予測では、前週に日銀短観や6月の米雇用統計を終えて相場を動かす材料が乏しいことから1ドル=102円近辺でのもみあいを想定し、101.5~102.5円の狭いレンジを想定しました。
週初めは102.20円までの円安をつけた後、アメリカの早期利上げ観測が後退したことで徐々にドル売り・円高の流れとなり、10日(木)の時点では101.5円台までの円高で収まっていましたが、週末11日(金)はポルトガルの大手銀行の経営不安から欧州信用不安の再燃懸念が広がり、リスク回避の円買いが進み101.07円まで下がって101.33円で引けました。
今週は、ポルトガルの大手銀行の信用不安が限定的な波及であれば101.0~102.0円のレンジの中で、15~16日のイエレン議長の議会証言を注目することになります。利上げ時期について踏み込んだ発言があれば利上げ観測が高まり、ドルが買われることになりますが、そうでなければ狭い範囲での値動きが想定されます。
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出島昇
柴田罫線実践教室
株式会社オルタナレッジ「柴田罫線」で分析した提供レポートです。「柴田罫線」というテクニカル分析をベースに、株式相場の分析をおこなってまいります。
株式等は株価(価格)の変動等により損失が生じるおそれがあります。上場投資信託(ETF)は連動対象となっている指数や指標等の変動等、上場投資証券(ETN)は連動対象となっている指数や指標等の変動等や発行体となる金融機関の信用力悪化等、上場不動産投資信託証券(REIT)は運用不動産の価格や収益力の変動等、ライツは転換後の価格や評価額の変動等により、損失が生じるおそれがあります。※ライツは上場および行使期間に定めがあり、当該期間内に行使しない場合には、投資金額を全額失うことがあります。
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※1 SORとは、複数市場から指定条件に従って最良の市場を選択し、注文を執行する形態の注文です。
※2 「Rクロス」は、楽天証券が提供する社内取引システム(ダークプール(※3))です。
※3 ダークプールとは、証券会社が投資家同士の売買注文を付け合わせ、対当する注文があれば金融商品取引所の立会外市場(ToSTNeT)に発注を行い約定させるシステムをいいます。
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取引金額 取引手数料
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1回のお取引金額で手数料が決まります。
取引金額 取引手数料
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50万円まで 198円(税込)
50万円超 385円(税込)
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