先週の予測では、前週末の15日(金)に終値15,318円と25日移動平均線を上回ってきたことで、チャート上は本格的な戻りに入るということになるが、それには出来高・売買代金の市場ボリュームを伴わなければ難しいとしました。又、アメリカの金融政策の方向については、22日のイエレンFRB議長の講演待ちのため、注目としました。
結果的には、前週の戻り相場の流れが続き、ウクライナやイラクの地政学的リスクもひとまず和らいでいた中で、アメリカ株式が好調な経済指標を受けて上昇が続いたことで日経平均もつれ高しました。特に、FOMC議事録の内容やイエレン議長の講演から早期の利上げ観測が台頭し、ドルが買われて円が売られ「円売り・日本株買い」の動きがみられました。そのため、8月21日(木)の△131円の15,586円まで9連騰という、昨年のアベノミクス相場での12月17日から12月30日までの9連騰と並びました。9連騰はバブル崩壊後、1回目の2009年7月14日からの9連騰を入れると3回目となります。
22日(金)は、前日のNYダウの1カ月ぶりの17,000ドル台回復を受けてバブル期以来の10連騰の記録に挑戦する動きとなり、前場は△12円の15,598円となっていましたが、後場になると週末の手仕舞い売りに押されプラスを維持できず、▼47円の15,539円と10日ぶりの反落となりました。
先週のコメントでは、15,000~15,500円を上に抜けて上昇していくには、低水準の市場ボリュームを考えると難しいとしました。昨年の9連騰と比較すると市場ボリュームは大きく減少しており、1日の値幅は100円を割り込み、個人投資家が値幅をとっていける状況ではありません。そのため、短期売買の投資家が日本市場から遠ざかっています。ほとんどの方は9連騰もしているのに、なぜ儲からないのだろうかと思われているでしょうが、日経平均の指数だけの動きになっているからです。
つまり、海外の株高を受けて高寄りし、寄り付いた後は横ばいとなって日中値幅はあまり動かないため、利益がほとんどとれない状況となっています。この原因は、外国人投資家の買いよりも日銀のETF買付や年金が買いの主体になっているからとみられています。現在のような市場ボリュームが低水準の中でETF買付により「下支え」をしており、一種のPKO(価格維持操作)といってもいいかもしれません。
今週は、先週の15,000~15,500円のボックスを上に抜け、今年の戻り高値7月31日の15,759円が射程圏に入ったことで、目先は下げても押し目買いとなって15,700円を試す動きが想定されます。但し、上昇しても上述したように寄り付きで海外株高にサヤ寄せする形でギャップアップする相場が続くことになり、個人投資家にとって簡単な相場とはいえません。地政学的リスクも和らいだままであれば15,000~15,700円のもみあいが想定されます。
本日の25日(月)は、NYダウは反落したものの為替が1ドル=104円台の円安進行となっていることで△70円の15,609円で寄り付き、15,553円まで押し目を入れた後は15,600円を挟んだ動きとなり、△74円の15,613円で引けました。
先週の予測では、4-6月期の決算発表も終わり手掛かり材料に欠けるため、上値の重い展開が想定されるが、テクニカル的には短期の上昇シグナルを示しているため、NYダウがしっかりしていればもう少し戻りを試すことになると想定しました。
結果的には、地政学的リスクが落ち着いている中でアメリカの経済指標が次々と予想を上回る結果となり、FOMC議事録の内容が労働市場の改善を示唆したこともあってアメリカの景気回復期待が高まり、NYダウの大幅上昇や為替が1ドル=104円を試す動きとなったことで、薄商いのなか21日(木)まで9連騰となりました。週末22日(金)はバブル期以来の10連騰への挑戦となりましたが、後場に週末要因もあって手仕舞い売りに押され、▼47円の15,539円と10日ぶりの反落となりました。柴田罫線では、21日(木)に為替が前日より一気に1円近い円安の104円を試す動きとなったことで15,000~15,500円の上限を突破し、△131の15,586円となって買転換が出現しました。
今週も為替の円安基調と海外市場が堅調で地政学的リスクが和らいでいれば戻りを試す動きが続き、今年の戻り高値7月31日の15,759円を目指すことになります。何かのきっかけで下げる場合も9月の内閣改造への政策期待があり、ETFや年金資金の買い支えがあるため、下値は限定的と考えられます
週明け25日(月)は、先週末にNYダウは反落したものの為替が1ドル=104円台の円安進行となっていることで△70円の15,609円で寄り付き、押し目は浅く終値は△74円の15,613円となりました。
先週の予測では、ウクライナ情勢の地政学的リスクやジャクソンホールでのイエレン議長とドラギECB総裁の講演を控え神経質な展開を想定しました。
結果的には、ウクライナ情勢の緊迫が後退し、アメリカの住宅関連指数が相次いで予想を上回ったことで17,000ドルを回復しました。18日(月)は△175ドルの16,838ドル、19日(火)は△80ドルの16,919ドルと続伸し、20日(水)はFOMC議事録の内容が労働市場の予想以上の回復を指摘したことでドルが一段高となって103円台後半となり株式も買われ、NYダウは△59ドルの16,979ドル、ナスダックは14年ぶりの高値水準となりました。21日(木)は、更に経済指標の予想を上回る改善が続いたことで1カ月ぶりに△60ドルの17,039ドルと17,000ドルを回復し、S&Pは史上最高値を更新する動きとなりました。週末22日(金)は、注目のイエレン議長とドラギ総裁の講演にインパクトがなかったことで利益確定売り優勢となって、▼38ドルの17,001ドルで引けました。
今週は、9月1日(月)がレイバーデーで休場であり、投資家や市場関係者は夏季休暇中の者が多く全般的に閑散取引となるでしょう。17,000ドルを回復した後は地政学的リスクへの懸念も残っていますから高値圏でのもみあいとなりそうです。
先週の予測では、地政学的リスクを警戒しながらジャクソンホールでのイエレン議長とドラギECB総裁の講演が注目になるとし、為替の動きはこう着状態が続き101.5~103.0円のレンジを想定しました。
結果的には、アメリカの経済指標の改善が相次いでドルが買われ、特に20日(水)はFOMC議事録の内容が労働市場の予想以上の回復を指摘したことで早期利上げの可能性からドルが103.85円まで買われました。更に21日(木)の経済指標も改善が相次ぎNYダウが1カ月ぶりに17,000ドル台を回復したこともあり、週末22日(金)には、イエレン議長の講演は早期利上げに関して特に発言がなかったことでドルの買い戻しが強まり、104.19円まで円が売られました。柴田罫線では、20日(水)に103.3円で買転換となってボックスを上に抜け、22日(金)には104.19円までドルが買われ、4月3日の104.1円とダブル天井をつけた形となっています。
今週は、経済指標の発表でアメリカの景気回復を示すような結果であれば早期利上げの観測が高まって金利の上昇となる可能性があり、ドル買い・円売りの流れとなります。但し、104円近辺では利益確定のドル売り・円買いが出やすく、引け値で1ドル=104.2円を上回ればもう一段の円安が期待できます。103~104.5円のレンジを想定。
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出島昇
柴田罫線実践教室
株式会社オルタナレッジ「柴田罫線」で分析した提供レポートです。「柴田罫線」というテクニカル分析をベースに、株式相場の分析をおこなってまいります。
株式等は株価(価格)の変動等により損失が生じるおそれがあります。上場投資信託(ETF)は連動対象となっている指数や指標等の変動等、上場投資証券(ETN)は連動対象となっている指数や指標等の変動等や発行体となる金融機関の信用力悪化等、上場不動産投資信託証券(REIT)は運用不動産の価格や収益力の変動等、ライツは転換後の価格や評価額の変動等により、損失が生じるおそれがあります。※ライツは上場および行使期間に定めがあり、当該期間内に行使しない場合には、投資金額を全額失うことがあります。
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※1 SORとは、複数市場から指定条件に従って最良の市場を選択し、注文を執行する形態の注文です。
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〔超割コース(信用取引)〕
1回のお取引金額で手数料が決まります。
取引金額 取引手数料
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