先週の予測では、基本的には下げ幅の1/2戻し(15,451円)を達成できるかに注目としました。格言に「半値戻しは、全値戻し」とあるように、1/2戻し(半値戻し)を達成できると更なる続伸が期待できるためでした。但し、この時点での売買代金・出来高の減少からは、上値追いは期待できないとしました。しかし、チャートからは、NYダウと円安基調が続けば現時点での最大の戻りのメドは15,600円ぐらいとし、上昇期間は11月中旬ぐらいまでを考えていました。
結果的には、週初めこそこう着感の強い展開でしたが、28~29日のFOMCでQE3の予定通りの終了を受けて株式市場は上昇し、労働市場の明るさを示したことでドルが買われて円安進行となり、日経平均は、29日(水)は△224円の15,553円と1/2戻しをクリアーし、10月8日以来の15,500円台を回復しました。30日(木)も109円台の円安進行で△104円の15,658円と続伸し、31日(金)は日銀の金融政策決定会合で追加緩和策を決定し、これがポジティブサプライズとなって急騰し、一時△875円の16,553円まで上昇して終値は△755円の16,413円で引け、9月25日の16,374円の年初来高値を更新する動きとなりました。
追加緩和の内容は、資金供給量(マネタリーベース)を年10~20兆円増やし年80兆円に拡大し、長期国債の買い入れ量も30兆円増やして80兆円とし、更に上場投資信託(ETF)と不動産投資信託(REIT)の購入量を3倍に増やすというものです。年金改革であるGPIF改革との連携により、相対的に出遅れている日本株式が相場をリードするものとの期待もあって、パニック的な買いとなっていると考えられます。
31日(金)の日本市場の引け後のアメリカ市場では、日銀のサプライズ的な追加緩和策やこの日公開されたGPIFの資金構成の見直しで国内債の保有比率を削減し、国内外の株と外債の保有比率を増加させる方針が示されたことも後押しとなって、NYダウは△195ドルの17,390ドルと最高値を更新しました。シカゴの日経先物は△54円の17,030円と17,000円台回復となっていました。
先週末の31日(金)は、アメリカのFOMCでのQE3の終了が世界の投資マネーの縮小に結びつくとの懸念があったところに日銀の予想外の追加緩和策の決定があったことで、世界の投資マネーの縮小を支えるという期待から世界同時株高の動きとなり、日本株を後押しすることになりました。但し、日銀の決定にサプライズとなって買い戻しが株価の急伸につながった面もあり、インデックス買いで指数が急伸している状況です。
今回の追加緩和とGPIF改革の連携がうまく維持できれば、相対的に出遅れている日本株式が相場をリードする展開も期待できるところですが、そのためには「政治と金」の問題で揺れている安倍政権の政策が進むことがカギとなるでしょう。3本の矢の1つ目の金融政策を今回も使いましたが当然限界があり、あとは第3の矢の成長戦略となりますが、これがなかなか進展していません。法案の審議も「政治と金」の問題で本格化できず、アベノミクスへの期待が剥げ落ちたままの状況となっています。今回の上昇の間に安倍政権の政策が進展しなければ急騰しただけに大きな急落となって反応することになります。
今週は、日銀の予想外の決定からの急伸での買いが一巡すると、相場の過熱感が意識されていったん利益確定売りが出て値動きが荒くなる可能性があります。
本日4日(火)は、日銀の金融緩和策決定と急激な円安を材料に買いが継続し、前場は△657円の17,071円と17,000円の大台を回復しました。後場になると高値圏でのこう着状態となり、やや上げ幅を縮小して△448円の16,862円で引けました。ここからは、日銀の追加緩和とGPIF改革を受けて「買いに転じる」という見方と、円安と年金資金だけで株価を押し上げていくには無理があり、目先「買い材料出尽くし」という見方があります。私のスタンスは安いときに買うスタンスですので、現在は新規に買うのではなく、これまで買ったもので上昇してきたものをいったん利益確定して、次の下げを待つという方針に変わりはありません。
先週は、1/2戻し(15,451円)を目指す動きになるとし、アメリカ株式の堅調さが続けば日経平均も戻りを試すことになると予測しました。柴田罫線からは、上昇トレンド(B)にアタマを押さえられているので、15,400円台からは上値追いは難しいとも想定していました。
ところが、アメリカ株式の上値追いが続いたことで日経平均も大きく戻りを試す動きとなり、29日(水)は△224円の15,553円と10月8日以来の15,500円台を回復しました。更に週末の31日(金)は、日銀が予想外の追加緩和策を決定したことがサプライズとなって一時△875円の16,553円まで上昇し、終値は△755円の16,413円となって年初来高値を一気に更新しました。柴田罫線での上値を押さえていた上昇トレンド(B)を一気に上に抜け、俗に言う「罫線破り」の急騰となりました。これによって新しい相場展開となってくると同時に、経済の実体が追いつかなければどこかの時点で急落という可能性も高まることになります。シカゴの日経先物は17,000円台乗せとなっており、目先は17,000円台回復となって、この水準を維持できるかとなります。
連休明け11月4日(火)は、△319円の16,732円で寄り付きすぐに17,127円まで急伸するものの、その後は高値こう着となり、後場にはやや上げ幅を縮小して△448円の16,862円で引けました。チャート上は、先週末31日(金)の16,413円で上放れとなり、新しい展開に入ったことになります。目先の下値のフシは16,300円台となり、下げてもここを切らずにもみあっていれば、更に上値を目指す確率が高いと思われます。
先週の予測では、29日のFOMCの声明発表と30日の7-9月期GDP発表待ちとしました。結果的に、NYダウは上値を追う動きとなりました。
28日(火)は、10月消費者信頼感指数が7年ぶりの高水準となったことで△187ドルの17,005ドルと17,000ドルを回復、29日(水)のFOMCでは、QE3は終了となったものの労働市場に対する強めの判断をしたことで早期利上げ観測が出て嫌気され、▼31ドルの16,974ドルと小反落しました。しかし、30日(木)は、7-9月期GDP速報値が予想の△3.0%を上回る△3.5%となったことで△221ドルの17,195ドルの大幅反発となりました。更に週末の31日(金)は、日本市場で日銀の追加金融緩和がサプライズとなって日経平均が急騰し、NYダウも△195ドルの17,390ドルと史上最高値更新となりました。
今週は、11月3日(月)に10月ISM製造業景況感指数、4日(火)に中間選挙、5日(水)にADP雇用統計と重要イベントが相次ぎます。基本的には高値圏での値動きが想定されます。経済指標は、予想を上回れば景気回復の進展として株価を支える反面、FRBによる早期利上げが意識され上値を押さえることになります。
週明け3日(月)は、ISM製造業景況指数が予想を上回ったことで買い先行となり、ザラ場ではNYダウとS&Pは共に最高値を更新するものの一巡後は利益確定優勢となり、NYダウは▼24ドルの17,366ドルとなりました。
先週の予測では、FOMCでのQE3の終了と日銀の31日の「経済物価情勢の展望」公表に合わせて追加緩和の思惑もあり、円安・ドル高が進みやすいとしました。
結果的に、29日の(水)FOMCの声明で、QE3の終了を決定したことと同時に労働市場にやや強気の判断をしたことで早期利上げ観測が再燃し、109円台の円安進行となりました。更に週末の31日(金)は、日銀が現状維持という大方の市場の予想とは違う追加緩和策を発表したことで急激なドル買い・円売りとなり、アメリカ市場では112円台の円安で引けました。
今週は、アメリカのQE3が終了し、日銀の追加緩和によって日米の金利政策の方向性の違いがより明確になり、日米金利差拡大期待からドル買い・円売りの流れが続くことが想定されます。今週は110~114円の動きを想定。
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出島昇
柴田罫線実践教室
株式会社オルタナレッジ「柴田罫線」で分析した提供レポートです。「柴田罫線」というテクニカル分析をベースに、株式相場の分析をおこなってまいります。
株式等は株価(価格)の変動等により損失が生じるおそれがあります。上場投資信託(ETF)は連動対象となっている指数や指標等の変動等、上場投資証券(ETN)は連動対象となっている指数や指標等の変動等や発行体となる金融機関の信用力悪化等、上場不動産投資信託証券(REIT)は運用不動産の価格や収益力の変動等、ライツは転換後の価格や評価額の変動等により、損失が生じるおそれがあります。※ライツは上場および行使期間に定めがあり、当該期間内に行使しない場合には、投資金額を全額失うことがあります。
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※1 SORとは、複数市場から指定条件に従って最良の市場を選択し、注文を執行する形態の注文です。
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※3 ダークプールとは、証券会社が投資家同士の売買注文を付け合わせ、対当する注文があれば金融商品取引所の立会外市場(ToSTNeT)に発注を行い約定させるシステムをいいます。
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取引金額 取引手数料
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50万円まで 275円(税込)
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150万円まで640円(税込)
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〔超割コース(信用取引)〕
1回のお取引金額で手数料が決まります。
取引金額 取引手数料
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