先週の予測では、10月31日(金)の日銀の追加緩和策とGPIF改革の連携期待から日本株式が先物主導で急伸したものの、アベノミクスの3本の矢の1つである金融政策だけでは限界があり、目先は、買い一巡後は相場の過熱感が意識されていったん利益確定売りが出て値動きが荒くなる可能性があるとし、高値圏でのもみあいになるとしました。
結果的には、連休明けの11月4日(火)は△448円の16,802円となりましたが、下値は16,720円、上値は17,127円となっており、この下値と上値の間での値動きとなって、6日(木)の安値16,725円を下限、17,045円を上限とする荒い値動きとなり、週末の7日(金)は16,880円で引けました。
アメリカ株式は堅調で円安基調であったものの、6日(木)は17,000円のフシが意識されて先物主導で乱高下して▼144円の16,792円となり、週末の7日(金)は海外株高と円安で反発するものの17,000円に届かず△87円の16,880円で引けました。日経平均は、7年ぶりに17,000円台を回復する場面があるものの、売買代金が減少して上値を追う状況ではなくなりました。4日(火)に売買代金は5兆4,304億円と大きく膨らんだものの、5日(水)、6日(木)は3兆円台前半と落ち、週末の7日(金)は2兆4,764億円と4日(火)から半減以下になっています。
7日(金)の日本市場の引け後のアメリカ市場では、10月の雇用統計で非農業部門雇用者数は予想を下回るものの失業率は改善という強弱まちまちの動きとなったことで、ドルが売られて115円台から114円台半ばの円高となり、NYダウも△19ドル、ナスダックは▼5Pとまちまちの動きとなったことでシカゴ日経先物は▼165円の16,775円となっています。
目先は、短期的な過熱感が残っており、足元で円安が一服となれば利益確定売りが出やすい状況と思われます。チャート上は、先週は4日(火)の高値17,127円と安値16,720円の間でのもみあいとなっており、この安値16,720円を終値で切ってくるようだと、ちょっとしたもみあいの下放れとなってスピード調整となる可能性もあります。その場合は、16,300円台が押し目のメドとなります。日銀の追加緩和とGPIF改革への期待、ECBの追加の量的緩和への期待が下支えとなって、下げると短期売買の人には押し目買いのチャンスとなると思われます。10月31日(金)の急騰に続く連休明けの11月4日(火)の急騰は、明確な方向性がなく、市場の見方は追加緩和で急騰した後の値固めになったとみる向きが多いようです。そうであれば、調整後は17,127円を終値で抜けると、円安基調の中で先物主導で再び大型株中心の上昇となると考えられます。
今回の急騰は、買われたのは日経先物に主導されたインデックス買いや大型株だと思われます。そうであれば、「株式市場全体が大きく水準を変えてきた」とは言えないでしょう。日経平均が10月31日(金)の△755円、11月4日(火)の△448円と2日で約1,200円も上昇したため全面高となってほとんどの銘柄が大きく上昇したように感じますが、実態は指数と大型株だと考えられます。私は、10月15日(水)にオフィス出島のサービス「メッセージ」において「ここは強気になって14,800円以下、特に14,500円割れは思い切って買っていく」と想定し、その場合に買う銘柄としては5銘柄の中小型株を取り上げましたが、大きな上昇とはなっていません。このことは、もみあいが続けば好業績の中小型株は水準訂正で上昇するということが想定されます。
本日10日(月)は、為替が円高に振れていることで利益確定売り優勢となり、一時は4日(火)の安値16,720円を少し切る16,713円まで下げるものの、終値では16,720円を守って▼99円の16,780円で引けました。このまま先週と同様に、基本は4日(火)の16,720円~17,127円の間のもみあいとなるのか、16,720円を終値で切ってスピード調整となる動きとなるのか注目するところです。
先週の予測では、今週は下げても目先の下値のフシは16,300円台であり、ここを切らずにもみあえば更に上値を試す確率が高いとしました。
結果的には、連休明けの4日(火)の急伸の高値17,127円と安値16,720円の間でのもみあいとなって、方向感のない動きとなりました。急進した後の値固めという見方もできますが、出来高・売買代金が急速に細ってきています。
今週も引き続き高値圏でのもみあいが想定されますが、その中でも4日(火)の安値16,720円を終値で切ると、先週のもみあいのちょっとした下放れとなる水準です。そこは現在の需給関係からは押し目買いのチャンスとなると考えられ、下げても16,300円台というところでしょう。
週明け10日(月)は、円高へ振れていることで利益確定優勢となり、一時4日(火)の安値16,720円を切る16,713円まで下落しましたが、終値では▼99円の16,780円で引けました。今週も高値圏でのもみあいが続いて過熱感を冷やす局面が続くと思われます。
先週の予測では、基本的には高値圏の値動きが想定されるとし、重要なイベントが相次ぐため、予想を上回り株価を支える反面早期利上げが意識されれば上値が押さえられるとしました。
結果的には、3日(月)のISM製造業景気指数、5日(水)のADP雇用統計は予想を上回り、中間選挙では共和党の勝利で一区切りつき、ECB理事会では追加の量的緩和期待でNYダウとS&Pは連日の史上最高値更新となりました。週末7日(金)の10月雇用統計は強弱まちまちだったものの、ダウは△19ドルの17,573ドルで引けました。チャートは、今年の2月5日の15,340ドルの安値からの上昇トレンド(A)の上値斜線を少し抜けてきています。
今週も引き続き高値圏での値動きが想定されます。先週末の雇用統計では、非農業部門雇用者数が市場予想を下回るものの回復の目安である20万人を上回る21.4万人となり、更に失業率が5.8%と改善したことでダウは△19ドルの17,573ドルと史上最高値で引けました。利上げ観測が出なければ、上値を試す動きも続きそうです。
先週の予測では、アメリカのQE3が終了し、日銀の追加緩和によって日米の金融政策の方向性の違いがより明確になり、日米金利差拡大からドル買い・円売りの流れが続くとしました。110~114円の動きを想定しました。
結果的には、黒田日銀総裁の更なる追加緩和の示唆発言やドラギECB総裁の追加の量的緩和の示唆もあり115円台半ばまで円安が進行しました。しかし、週末7日(金)は、アメリカの雇用統計が予想を下回ったことで債券が買われドルが売られて114.53円で引けました。
今週は、先週末の雇用統計の発表で相場を動かすイベントは一通り通過し、注目する経済指標もないことから方向感のない動きとなりそうです。急激なドル高・円安が進んだため、調整的な動きになりやすいと思われますが、その中で注目すべきは11月15日~18日のG20首脳会議です。急激な円安に対する批判があるようですと円高に振れる可能性があります。今週は113~115円のレンジを想定。
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出島昇
柴田罫線実践教室
株式会社オルタナレッジ「柴田罫線」で分析した提供レポートです。「柴田罫線」というテクニカル分析をベースに、株式相場の分析をおこなってまいります。
株式等は株価(価格)の変動等により損失が生じるおそれがあります。上場投資信託(ETF)は連動対象となっている指数や指標等の変動等、上場投資証券(ETN)は連動対象となっている指数や指標等の変動等や発行体となる金融機関の信用力悪化等、上場不動産投資信託証券(REIT)は運用不動産の価格や収益力の変動等、ライツは転換後の価格や評価額の変動等により、損失が生じるおそれがあります。※ライツは上場および行使期間に定めがあり、当該期間内に行使しない場合には、投資金額を全額失うことがあります。
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※1 SORとは、複数市場から指定条件に従って最良の市場を選択し、注文を執行する形態の注文です。
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※3 ダークプールとは、証券会社が投資家同士の売買注文を付け合わせ、対当する注文があれば金融商品取引所の立会外市場(ToSTNeT)に発注を行い約定させるシステムをいいます。
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取引金額 取引手数料
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〔超割コース(信用取引)〕
1回のお取引金額で手数料が決まります。
取引金額 取引手数料
10万円まで 99円(税込)
20万円まで 148円(税込)
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