先週の予想では、17日(月)のGDPの発表を受けて消費増税の先送りが安倍首相から発表され、その場合さらに好材料として上昇するのか、それとも材料出尽くしになるのか予想が分かれるところだが、既に前週までの上昇で消費増税先送りを織り込んだとして上昇一服を想定しました。特に14日(金)の時点で、25日移動平均乖離率が「10.03%」と昨年の5月23日の暴落前日の「10.06%」とほぼ同じ水準になっていたことでいつ下落してもおかしくない状況にありました。但し、下げても下値は限定的で4日の安値16,720円をみておくとよいとも予測しました。
結局、17日(月)の寄り前発表の7-9月期GDPは年率換算で▼1.6%と予想外のマイナス成長となったことで、国内景気の悪化を嫌気した売りが優勢となり先物主導で一本調子の下げとなって、▼517円の16,973円となりました。しかし、翌日の18日(火)は△370円の17,344円で一気に下落幅の大半を埋める動きとなりました。その後はアメリカ市場は景気回復期待から堅調な動きとなり、NYダウやS&Pは連日の史上最高値となり、ドルが118円まで買われる動きとなるものの日経平均は上値重く、高値圏でのもみあいの動きとなって週末21日(金)は△56円の17,357円で引けました。
日本市場の引け後の21日(金)のアメリカ市場では、中国が予想外の利下げを行い、ドラギECB総裁が追加緩和に前向きの発言をしたことで世界的な金融緩和が続く見通しから、NYダウは△91ドルの17,810ドルと年初来高値更新となりました。シカゴの日経先物は△20円の17,400円となっていました。
先週、衆議院解散となって12月2日(火)公示、14日(日)投開票となりました。今週より実質3週間の選挙戦ですが、この期間の相場の見方は、過去の経験則では解散日から投開票日までの日経平均は上昇していることから相場は強いという見方が多いようです。特に直近の3回をみてみると、2005年は小泉郵政選挙、2009年はリーマンショックで2番底をつけたあとの選挙、2012年は民主党から自民党へ政権交代を問う選挙でした。つまり、解散総選挙となる場合は、経済や政治が行き詰まり株式市場も低迷を続けている時が多いため、解散することによって将来への期待が生じることで株式市場が上昇することになると思われます。そうであれば、今回の消費増税先送り選挙は既に日銀の追加緩和策の効果で上昇してきていると考えられますので、選挙によって改めて上昇が続いていくとは考えにくいところです。
3週間の選挙期間についていえば、国内的には不透明要因となり、国外の欧米株式の動きや為替の動きに左右されることになるでしょう。日経平均が大きく下げると日銀のETF買いや年金の買いが下支えするため下値は限定的ですが、これらの資金は上値を積極的に買っていくものではないため、上値を追う場合は短期資金による先物買いが中心になります。ということは、すぐに売りも出やすく、乱高下の相場となってきます。
上昇が継続する場合は、アメリカ株高、為替の円安基調が継続することが前提となります。まずは、11月のSQ値が17,549円と年初来高値を上回っている状況ですので、この幻のSQ値17,549円を終値で突破できるかどうかが、上値を追う前提となります。突破できなければ、投開票日までは高値圏でのもみあいが続く可能性が高いと考えられます。
連休明けの25日(火)は、連休中の海外株高や為替の1ドル=118円台への円安を好感し、△132円の17,490円で寄り付きました。しかし、17,500円の大台を抜けなかったことで17,500円が目先のフシとして意識され、寄り付きの17,490円を高値に上げ幅を徐々に縮小し、下値では押し目買いの形もあったことでプラス圏でのもみあいとなり、△50円の17,407円で引けました。
先週の予測では、GDPの発表を受けての安倍首相の消費増税先送りの最終権利待ちであるが、既に消費増税先送りを織り込んだ上昇となっており、目先は材料出尽くしの可能性があるとしました。テクニカル的には25日移動平均乖離率が「10.03%」と今年最高になっており、急落すれば買いチャンスだが、下値は限定的で高値圏での大きなもみあいを想定しました。
結果的には、17日(月)の寄り前発表の7-9月期GDPが予想外の年率換算▼1.6%となったことで先物主導で急落となり、▼517円の16,973円となりました。しかし、翌日は△370円の17,344円の反動高となり、その後は為替の円安基調とアメリカ株式の堅調な動きから戻りを試す動きが続き、週末21日(金)は△56円の17,357円まで戻して引けました。
連休明け25日(火)は、アメリカ株高と円安基調を好感し△132円の17,490円で寄り付くものの、ここがピークとなって上げ幅を縮小し、△50円の17,407円で引けました。
先週の予測では、今年の年末商戦予想は過去10年の予想を上回る強気の売上見通しとなっており、これが相場を下支えすることで史上最高値水準で底堅く推移することを想定しました。
結果的には、週初めは日本の7-9月GDPの予想外のマイナスを嫌気して売り先行で始まるものの、すぐに緩やかに上昇に転じる展開となりました。高値警戒感から利益確定売りに押される場面はあるものの年末商戦への期待から堅調推移となり、週末の21日(金)は中国の予想外の利下げと欧州中銀の追加緩和期待から△91ドルの17,810ドルと連日の史上最高値更新となりました。今年の2月5日の15,340ドルからの上昇トレンド(A)を上放れした形となっています。
今週も引き続き高値圏での推移が想定されます。但し、27日(木)が感謝祭の祝日で28日も短縮取引となり、市場参加者の多くも休暇をとることから週を通じて閑散取引となることが考えられます。
週明けの24日(月)は、先週末の中国の利下げとECBの追加緩和期待の流れから株価を押し上げ、△7ドルの17,817ドルと史上最高値更新となりました。
先週の予測では、17日(月)の日本のGDP発表を受けて消費増税先送りとなれば2つの見方があるとし、日経平均が上昇すれば円安は進行し、逆に材料出尽くしで日経平均が下落すれば円高へ振れるとしました。
結果的には、予想外のGDPのマイナス成長を受けて日経平均は500円を超す急落となって1ドル=115円台への円高となりました。しかし、翌日には日経平均が大きく反発したことで為替も116円台の円安となり、その後は安倍首相が消費増税を2017年4月まで延期することを発表したことで円売りが継続し、又、19日のFOMC議事録でドル高懸念が示されなかったこともあり、一時118.98円までの円安進行となりました。その後、麻生財務相が円安けん制発言をしたことで円安一服となっていました。週末の21日(金)のアメリカ市場では、米国債の利回り低下によるドル売りで117.76円で引けました。
今週も基本的には円安基調が続くことが想定されます。アメリカの年末商戦が好調であればアメリカの景気回復期待からドル買い・円売りが進むことが考えられます。又、日米の金融政策の方向性の違いがより明確になっていることでドル買い・円売りの流れは続くことになるでしょう。117~120円のレンジを想定。
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出島昇
柴田罫線実践教室
株式会社オルタナレッジ「柴田罫線」で分析した提供レポートです。「柴田罫線」というテクニカル分析をベースに、株式相場の分析をおこなってまいります。
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※1 SORとは、複数市場から指定条件に従って最良の市場を選択し、注文を執行する形態の注文です。
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取引金額 取引手数料
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〔超割コース(信用取引)〕
1回のお取引金額で手数料が決まります。
取引金額 取引手数料
10万円まで 99円(税込)
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50万円まで 198円(税込)
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