12月26日(金)までのNYダウが4日連続で史上最高値更新の△23ドル18,053ドルとなり、更に1ドル=120円台の円安となっていたことで、日本市場の2014年の最終週は、29日(月)、30日(火)の2営業日上昇して大納会は18,000円台で終わり、3年連続の年初来高値更新が期待されました。但し、そうなった場合は、アメリカ株式に高値警戒感があることや昨年の日本市場が新年早々急落となったことで同じようなパターンになる可能性も考えられるとしました。
結果的には、29日(月)は17,900円台にのせて始まるものの伸び悩み、後場になると厚生労働省が国内でエボラ出血熱に感染した疑いがあると発表したことで先物主導で300円近い下げとなり、終値は▼89円の17,729円となりました。その後エボラ感染熱の疑いは晴れましたが、海外でギリシャの政権不安から欧州株式が一時大幅に下落し、NYダウは8日ぶりの小反落となりました。そのため保有したままで年を超すことに躊躇する投資家が多く、大納会の30日(火)は正月休み中のリスクを回避するための先物主導の売りが続き▼279円の17,450円の安値引けとなりました。
残念ながら3年連続の年初来高値更新となりませんでしたが、2014年度は約7.1%の上昇となり、年足では3年連続の陽線で引けました。
昨年末はギリシャの政変やアメリカ株式の高値警戒感などから、日本の年末・年始の間に何が起こるかわからないとして利益確定売りが優勢となって、大納会は▼279円の17,450円の安値引けとなりました。結局、その後の動きはNYダウが正月の休日までは利益確定売りに押され、12月31日は▼160ドルの17,823ドルの3日連続安となり、休日明けの1月2日(金)は一時17,731ドルまで下げて△9ドルの17,832ドルの小反発で引けました。この日原油価格は1オンス=52.03ドルまで下げており、まだ下値確認は済んでいません。シカゴCMEは17,295円まで下がって、17,385円で終わっています。
今週は、アメリカで年末年始に発表された経済指標は弱いものが多く、今週末に12月の雇用統計を控えているため慎重スタートとなりそうです。又、原油価格も一段と低下しているため海外要因に振れやすい状況と思われます。
昨年は年明けから急落しましたが、それは年末高の反動が出た上に欧米は1月から12月の決算がほとんどのため(日本は3月決算が多い)、12月中旬や1月中旬にかけて需給が売りに傾きやすくなります。このような時に何か大きな悪材料が出ると大きな下げになる可能性がありますので、1月中旬までは慎重な動きになるかもしれません。
今年は官制相場といわれるように、買い主体として、日銀によるETF(上場投資信託)の買いとGPIC(年金積立金管理運用独立法人)の買いが相場をサポートすることになります。基本的な日本株式の上昇の原動力は、売買代金の60~70%を占める外国人投資家ですが、2013年の動きと昨年の2014年の動きが違ってきています。外国人投資家にも年金資金を動かす中長期投資(実需)と短期の利ザヤを目指す短期投資がありますが、2013年は中長期投資主体であったものが、昨年はアベノミクスへの失望(第3の矢の成長戦略の具体化が進まない)から短期投資中心となり、結果的に9月までは先物中心の大きな上下動を繰り返す相場となりました。10月31日に日銀の金融政策決定会合で追加の緩和策が発表されて円安が進行し、相場は一時18,000円を試す動きとなりましたが、これは円安効果による輸出関連株を主体とした先物主導の相場であり、海外勢の中長期投資は行われていません。第3次安倍内閣がアベノミクスの成長戦略を具体化できなければ昨年以上に大きな上下動(但し、円安によって業績は上方修正されるので、日経平均の位置は一段上がる可能性)が繰り返されることになります。つまり、安く買って、高くなって売るチャンスが何度もある可能性があります。
先週の予測では、NYダウが連日の史上最高値となっていることで今年の大納会も3年連続の年初来高値で終わる可能性が高く、そうなると新年明けにはいったん調整する可能性もあるとしました。しかし、29日(月)の午後にエボラ出血熱の国内での発生報道(後でエボラ出血熱でないことが判明)をきっかけに一時300円近い下げとなり、▼89円の17,729円となりました。このため翌日の大納会では、年初来高値を更新するのは難しいとしましたが、結果的にギリシャの政局不安もあり、正月休み中のリスクを回避する動きから大幅続落となり▼279円の17,450円で引けました。年末年始の日本が休場の間のアメリカ株式は利益確定売りから軟調となっており、1月2日(金)のシカゴ日経先物は17,295円まで下がって17,385円で引けています。
今週は安値を更新した原油価格の動向や週末の12月雇用統計を控えて神経質な展開が想定されます。大発会の5日(月)は、休場中の海外株安を受けて前場は▼125円の17,325円で寄り付き17,219円まで下げるものの、後場になると下げ幅を縮小して一時プラスに転じましたが、終値は▼42円の17,408円で引けました。
先週の予測では、前週末の26日(金)まで4日連続の史上最高値更新となっており、元日の祝日以外は通常取引で閑散相場が予想されるものの、アメリカ景気の楽観論から底堅い相場が続く可能性が高いとしました。一方で、18,000ドル台のせで高値警戒感から利益確定売りが出る可能性もあるとしました。
結局、週初めの29日(月)はギリシャ政局不安からNYダウは8日ぶりの小反落となり、30日(火)は高値警戒感から▼55ドルの17,983ドル、更に31日(水)は▼160ドルの17,823ドルの大幅安となりました。1月1日(木)の正月は休場で、2日(金)は3日続落の反動から反発して始まるものの経済指標が冴えず17,731ドルまで下落し、大引けにかけて買い戻されて△9ドルの17,832ドルで引けました。日本が休場の間は利益確定売りが出て軟調で引けました。柴田罫線では上昇トレンド(B)の上値斜線にアタマを押さえられている状況と言えるでしょう。
今週は週末に雇用統計を控え、原油価格相場も再び安値をつけているところで雇用情勢とエネルギー株の動きが18,000ドル台を回復できるかどうかにかかっていると考えられます。利益確定売りもあり、高値圏での神経質な展開が想定されます。
先週の予測では、年末年始の休暇で市場参加者が少なく、29日(月)のギリシャの時期大祝日が元旦統領選で選出が失敗に終われば不安定な政局となってユーロ売りにつながり、対ドルの円相場にも影響が出るとし、119~121円のレンジを想定しました。
29日(月)のギリシャ選挙は失敗に終わり、政権不安から30日(火)は欧州株式は大幅安となり、為替も一時1ドル=118.86円まで円が買い戻されました。しかし、年明けの1月2日(金)は1ドル=120.49円までドルが買い戻され、円は再び120円台の円安となっています。
今週は、欧米の経済動向に左右されやすい展開を想定。7日のFOMC議事録、9日の12月雇用統計によっては日米金利差拡大期待から円安、7日の欧州の消費者物価指数からデフレ懸念が高まればECBの緩和の期待からユーロ売り、円高が強まることになります。119~121円のレンジを想定。
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出島昇
柴田罫線実践教室
株式会社オルタナレッジ「柴田罫線」で分析した提供レポートです。「柴田罫線」というテクニカル分析をベースに、株式相場の分析をおこなってまいります。
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※1 SORとは、複数市場から指定条件に従って最良の市場を選択し、注文を執行する形態の注文です。
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※3 ダークプールとは、証券会社が投資家同士の売買注文を付け合わせ、対当する注文があれば金融商品取引所の立会外市場(ToSTNeT)に発注を行い約定させるシステムをいいます。
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取引金額 取引手数料
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〔超割コース(信用取引)〕
1回のお取引金額で手数料が決まります。
取引金額 取引手数料
10万円まで 99円(税込)
20万円まで 148円(税込)
50万円まで 198円(税込)
50万円超 385円(税込)
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