先週の予測では、下値も上値も限定的な値動きを想定し、企業決算を受けて個別株物色の動きになるとしました。結局想定通り、原油価格や欧米株式の動向に振られる形となって連日の3ケタの上下動の動きとなりました。しかし、前週と同様に17,500円±300円ぐらいのレンジでの推移となりました。
週前半は、アメリカの10-12月期のGDPが予想を下回り国内の国債入札の結果が低調になったことで、先物主導で3日(火)には17,271円まで下落しました。しかし、4日(水)には原油価格が1カ月ぶりの高値でNYダウが連日の大幅高となったことで、日経平均も△342円の17,678円と反発しました。5日(木)にはギリシャ懸念や円高の重しから▼174円の17,504円と反落し、週末6日(金)には、原油高とアメリカ株高で△143円の17,648円で引けました。結果的には大きな上下動を繰り返したものの、終値では前週末より26円下落したに過ぎませんでした。そして、決算発表を受けて個別株物色になるとしたように、例えばソニーが急騰、日立が急落といった風に業績発表を受けて明暗がはっきり分かる相場となりました。
海外要因で注目するのは、1月のアメリカ雇用統計であり、予想を上回れば早期利上げ観測が台頭し、ドル高・円安へ振れる可能性があると想定していました。6日(金)の日本市場の引け後のアメリカ市場では、1月の雇用統計が発表され、失業率はやや悪化(予想5.6%→5.5%)したものの、非農業部門雇用者数が予想の22.8万人を上回る25.7万人となったことや、平均時給も予想の0.3%を上回る0.5%となったことで、早期利上げ観測が台頭(6月のFOMCでの利上げ観測)し、ドルが119.22円まで買われ(引けは118.93円)、NYダウは▼60ドルの17,824ドルの反落となりました。シカゴ日経先物は大幅な円安となったことで、△150円の17,810円でした。
今週は、先週末のアメリカの雇用統計が予想を上回ったことでFOMCでの6月の金利引き上げ観測が台頭し1ドル=119円台の円安となり、シカゴ日経先物は△150円の17,810円となりました。週初めは買い先行が予測されるものの、チャートからは17,800円水準から上値は重く、高値圏でのもみあいとなりそうです。
現時点では、17,000~18,000円のボックス圏の動きとなっており、18,000円水準では三尊天井を形成しており、ここを突破するには何か材料が必要と考えられます。アメリカの早期利上げ観測によってドル買い・円売りの動きとなって円安が進んでも、NYダウが利上げを織り込む形で大きく下げると、日本株は「ニューヨーク離れ」となりにくいと思われます。その理由は、もしNYダウが大きく下げてファンドが損失を受けると、損失補填で日本株を売ってくることが考えられるからです。そういう観点からみると、日米金利差拡大による円安は日本株買いには直結しない可能性があります。もちろんアメリカ株式の下げが限定的であれば、円安による日本の輸出企業の業績上振れ期待から日本株式が買われる局面があるかもしれませんが、上値は限定的(最大で18,200円水準)だと思われます。マイナス材料としては、ギリシャの債務問題やイスラム国、ウクライナなどの地政学的リスクがあります。また、石油価格の不透明さもあります。今週は、G20財務相・中央銀行会議、ユーロ圏財務相会議、EU首脳会議などがあり、特にギリシャ反緊縮政権と国債支援団の交渉が決裂すればギリシャのデフォルト懸念が出てくることになります。
本日9日(月)は、先週末のアメリカの雇用統計の結果を受けて円安進行となっていたことで買い先行で始まり17,799円まで上昇するものの、早期利上げ懸念からNYダウが下落していたことが上値を追う展開とはならず上げ幅を縮小して、△63円の17,711円で引けました。
先週の予測では、上値・下値共に限定的で17,500円を挟んだ±300円のレンジが基本で、主要企業の決算発表の本格化で個別物色の動きとなるとしました。
想定通り、前半は3日(火)に17,271円まで下落するものの、4日(木)は原油価格が1カ月ぶりの高値となったことでNYダウが大幅上昇となり、日経平均も17,743円まで上昇しました。5日(木)は、ギリシャの信用不安と円高が重しとなって17,484円まで下落し、週末6日(金)はNYダウの大幅続伸を受けて△143円の17,648円で引けました。17,500円±300円のレンジ内の動きとなりました。
今週は、前週末の米雇用統計が予想を上回ったことで一時119円台まで円安が進み、シカゴCMEも△150円の17,810円となっていたことで、週初めは輸出関連株が買われる展開となりそうです。但し、チャート的には17,000~18,000円のボックス相場となっており、18,000円水準は上値が重く、18,000円を突破するには何か材料が必要と考えられます。今週は、17,500~18,000円の高値圏のもみあいを想定。
週明け9日(月)は円安を受けて△141円の17,790円で寄り付くものの、17,799円をピークに上げ幅を縮小し△63円の17,711円で引けました。米雇用統計の改善を受けてNYダウが利上げ懸念から下落したことが、上値を追えない理由となっているようです。
先週の予測では、チャートの上からはもう一段安くなるところであり、週末6日(金)の雇用統計を控え神経質な展開が続くとしました。
結果的に、週明けの2日(月)に17,037円まで下げたところで、原油価格の底打ち期待から大幅反発の△196ドルの17,361ドルとなりました。その後も原油価格が大幅な反発が続いたことで、5日(木)の△221ドルの17,884ドルまで4日続伸となりました。週末6日(金)は雇用統計の予想を上回る改善を受けて17,951ドルまで上昇するものの、利上げが意識され、又ギリシャ懸念もあって▼60ドルの17,824ドルと反落して引けました。
今週は、先週末の1月雇用統計が予想を上回ったことで早期利上げ観測が高まり、上値は重くなる可能性が高く、原油先物価格やギリシャの財政問題の動向が加わって高値圏での荒い値動きが想定されます。チャート上は、17,000~18,000ドルのボックス圏の上限に接近して上値が重たくなる形となっていると考えられます。
先週の予測では、週末にアメリカの雇用統計を控えて方向感のない動きが続き、雇用統計が予想を上回れば早期利上げ観測からドル買い・円売りとなってくるとしました。
結果的には、5日(木)までは116円を安値に引け値ベースでも117円台での動きとなって方向感のない展開となっていましたが、6日(金)の雇用統計が予想を上回る結果となり、FOMCによる6月の早期利上げ観測が台頭し、ドル買いとなって119.22円まで円安が進み、118.93円で引けました。
今週は、先週末の雇用統計の結果を受けて早期利上げ観測から日米金利差拡大期待もあり、又先週は中国やオーストラリアの金融緩和もあり、アメリカとの金融政策の方向性の違いからドルの独歩高となりやすく、円安基調が想定されます。ただ、今週は米国債の償還・利払い日が近づき、ドル売り・円買いが強まる可能性もあります。117~120円のレンジを想定。
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出島昇
柴田罫線実践教室
株式会社オルタナレッジ「柴田罫線」で分析した提供レポートです。「柴田罫線」というテクニカル分析をベースに、株式相場の分析をおこなってまいります。
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1回のお取引金額で手数料が決まります。
取引金額 取引手数料
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