先週の予測では、日足では下値を切り上げる直角三角形の保ち合いの上放れ寸前であり、柴田罫線では2月12日に17,979円でろく買(更なる上昇を示す買法則)となって、3カ月以上のもみあいの上放れ寸前にあるものの、18,000円という心理的なフシ目(同時にNYダウや独DAXも大きなフシ目水準)にあり、この水準を一気に抜けなければ目標達成感につながる可能性があるとして、要注意としました。
結果的には、明確な上放れとなりました。週前半は、ギリシャの債務問題への懸念から18,000円を挟んだもみあいとなっていましたが、18日(水)にはギリシャ問題の懸念が後退したことで、ドル買い・円売りとなって119円台半ばまでの円安進行となり、アメリカ株高もあって安心感が広がり、主力銀行株中心に金融株が買われて相場を牽引し、△212円の18,199円となって昨年来高値(12月8日の18,030円)を更新しました。更に、大手銀行株が連日の大商いとなって上昇が継続し、19日(木)はザラ場で18,322円まで上がり終値では△65円の18,264円となって、2007年2月26日のザラ場高値18,300円、2007年7月9日の終値での高値18,261円を同時に更新する15年ぶりの高値となりました。週末の20日(金)も高値更新の勢いが続いて続伸で始まるものの短期の高値警戒感や利益確定売りで伸び悩み、△67円の18,332円で引けました。
20日(金)の日本市場の引け後の海外では、欧州財務相会合でギリシャ債務協議が行われ、ギリシャ支援の4カ月延長合意がなされたことで、NYダウは△154ドルの18,140ドルとなって、S&Pともに史上最高値を更新(ナスダックは8日連続上昇で15年ぶりの高値更新)となりました。シカゴ日経先物は18,525円となっていました。
先週は、昨年の10月末の日銀の追加緩和策からの4カ月近いボックス相場を抜けて、更に2007年の高値(ザラ場、終値)を突破し約15年ぶりの高値更新となりましたので、新たな展開に入ったということができます。私の想定よりも早いスピードですが、この背景にはアメリカの量的緩和の終了を補う世界の量的金融緩和の流れがあると考えられます。ギリシャの債務問題、ウクライナ情勢、イスラム国問題などのリスクを抱えながらも、アメリカ株式(NYダウ、S&P500)や独DAXなどは史上最高値を更新しており、これは今年に入ってECBが量的緩和に踏み切って以来世界中で金融緩和が進行し、金余り相場となって緩和マネーが株などのリスク資産へ移動しているということでしょう。
以上の金融緩和の流れの中で、先週の日経平均も特別に大きな材料がないなかボックス相場を上放れし、15年ぶりの高値更新となりました。但し、先物主導で裁定買いを誘う形での上昇であり、15年ぶりの高値を更新した割には市場ボリュームはそれほど増加していません。2月に入って外国人投資家は売り越しとなっていますが、逆に先物には大量の買いが入って裁定買いを誘っています。テクニカル的には15年ぶりの更新で新たな相場展開に期待がかかるところですが、過去の経験則では、高値を抜けてから過熱感がピークになったところで反動が出て大きく下落するということが繰り返されていますので、この水準からの売買はリスク管理が重要だと考えられます。本日の時点で、騰落レシオは140%を超え過熱ゾーンに入っています。他のテクニカル指標も高値警戒ゾーンや過熱ゾーンに入ってきています。目先は18,500円水準が先物・オプションのフシや心理的フシ目になっていますので、この水準を上値にもみあうのか、それとも更に上昇するのかは、アメリカ株式と為替の動向に左右されることになります。
本日23日(月)は、ギリシャ問題の懸念の後退からアメリカ株式が大幅高となり、シカゴ日経先物が18,525円となっていたことでサヤ寄せする形で△167円の18,499円で寄り付き、18,509円をつけると前場は18,500円を挟んだもみあいとなっていました。後場になると為替がこう着状態を強め、日経平均も利益確定売りからやや上げ幅を縮小する動きとなって、△134円の18,466円で引けました。目先は、18,500円水準を上値とするもみあいとなるのかどうか注目するところです。
先週の予測では、日銀のETF買いや年金の買い観測に支えられて先高期待はあるものの、地政学的リスクもくすぶっており、心理的フシ目の18,000円水準でのもみあいを想定しました。
結果的には、週前半の16日(月)17日(火)こそ18,000円を挟んだもみあいとなりましたが、18日(水)には特別に大きな材料はないものの銀行の主力株が相場を牽引し△212円の18,199円となって、昨年末の12月8日の18,030円を上回る昨年来高値となりました。19日(木)はそのまま買いの勢いが続いて2007年のザラ場高値と終値を更新し、△65円の18,264円と15年ぶりの高値となりました。週末の20日(金)は続伸し△67円の18,332円で引けました。結局、チャートでは2月12日に17,979円のろく買となって上放れの形でしたが、より明確な上放れとなりました。
今週は、先週約15年ぶりの高値を更新したことが、中長期的には2万円を目指す動きが想定されるものの、目先は騰落レシオの130%超えなど過熱感もあり利益確定も出やすいところです。但し、先週末のアメリカ市場でシカゴ日経先物が18,525円となっており、18,500円を試す展開となり、この水準を上値にもみあう可能性があります。
週明け23日(月)は、シカゴの日経先物にサヤ寄せする形で△167円の18,499円で寄り付くものの18,509円を高値に、高値警戒感と利益確定売りから上値が重くなり、後場には18,402円まで押し目を入れましたが、終値では△134円の18,466円で引けました。
先週の予測では、懸念材料としてはギリシャの債務問題とウクライナの情勢があるが、問題がなければ最高値圏での推移となるとしました。
結果的には、連休が明けて19日(木)までは経済指標が相次いで予想を下回ったものの、下値は限定的で18,000ドルを挟んだもみあいとなっていましたが、週末の20日(金)は欧州財務相会合でギリシャ支援が4カ月延長されたことを好感し、△154ドルの18,140ドルと史上最高値更新で引けました。
今週は、チャートの形からは先週末にザラ場ベースで12月26日の18,103ドルをアタマとする3尊天井を形成し、2月2日の17,037ドルまで押し目を入れて2月4日に17,673ドルで買転換となり、先週末の2月20日の18,144ドルで3尊天井を上に抜けましたので「3尊天井の崩れ型」という更に一段上昇の形となりました。チャートからみると、当面の上値は2013年10月9日の14,719ドルからの上昇トレンド(A)の上値斜線にあたる18,500ドル水準となります。
先週の予測では、相場に方向感が出にくくなっており、120円台を上値に118~120円台でもみあう展開になるとしました。
結果的には、ギリシャの債務不安でリスク回避のドル売りとなって118.18円までの円高となりましたが、ギリシャの救済報道で17日(火)に119.42円までドルが買われ、その後アメリカの経済指標の予想を下回る結果でドルが118円台半ばまで売られましたが、週末の20日(金)は欧州財務相会合でギリシャ支援が4カ月延長で合意されたことで、119.06円で引けました。
今週も先週に続き118~120円台のレンジでの推移が想定されます。この中で、円高方向か円安方向かは24日(火)のFRBイエレン議長の議会証言が注目となります。利上げが予想よりもあとにズレる可能性が高まれば円高・ドル安、利上げについてタカ派的発言が出ると早期利上げ期待からドル高・円安が進むことになります。
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出島昇
柴田罫線実践教室
株式会社オルタナレッジ「柴田罫線」で分析した提供レポートです。「柴田罫線」というテクニカル分析をベースに、株式相場の分析をおこなってまいります。
株式等は株価(価格)の変動等により損失が生じるおそれがあります。上場投資信託(ETF)は連動対象となっている指数や指標等の変動等、上場投資証券(ETN)は連動対象となっている指数や指標等の変動等や発行体となる金融機関の信用力悪化等、上場不動産投資信託証券(REIT)は運用不動産の価格や収益力の変動等、ライツは転換後の価格や評価額の変動等により、損失が生じるおそれがあります。※ライツは上場および行使期間に定めがあり、当該期間内に行使しない場合には、投資金額を全額失うことがあります。
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※1 SORとは、複数市場から指定条件に従って最良の市場を選択し、注文を執行する形態の注文です。
※2 「Rクロス」は、楽天証券が提供する社内取引システム(ダークプール(※3))です。
※3 ダークプールとは、証券会社が投資家同士の売買注文を付け合わせ、対当する注文があれば金融商品取引所の立会外市場(ToSTNeT)に発注を行い約定させるシステムをいいます。
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取引金額 取引手数料
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50万円まで 275円(税込)
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150万円まで640円(税込)
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〔超割コース(信用取引)〕
1回のお取引金額で手数料が決まります。
取引金額 取引手数料
10万円まで 99円(税込)
20万円まで 148円(税込)
50万円まで 198円(税込)
50万円超 385円(税込)
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