前週末の20日(金)に、ユーロ圏の財務相会合で今月末に期限を迎えるギリシャに対する金融支援策を4カ月延長することで合意したことを受け、NYダウ、S&Pは史上最高値を更新しました。これを受けて週明けの日経平均は上昇が続き、24日(火)には△136円の18,603円と18,500円を上回り、その後も過熱感や高値警戒感が高いなか年金資金とみられる買いが入り、海外勢とみられる資金流入が観測されました。25日(水)に▼18円の18,585円と小反落しただけで押し目らしい押し目なく、26日(木)は△200円の18,785円、更に週末の27日(金)は一時18,865円と18,900円に迫る動きとなり、終値では△12円の18,797円で引けました。
これまでの予想で、18,000円のフシを上に抜いても2007年の高値18,300円水準では上値を押さえられることを想定し、アベノミクスの再評価で外国人買いが買ってくる場合のみ上値を目指すことができるとし、2月の初めまでは外国人の売り越しが続いていたため(但し、先物は大量に買っていました)、18,300円水準では一旦止まると考えていました。
ところがここにきて、好調な企業収益と年金基金などの買いを背景に、海外投資家が2月第3週(16~20日)の1週間で先物と現物の合計で1兆1,223億円と買い越して株高を牽引しているのがわかりました。日銀の追加緩和直後の昨年の11月第1週以来の規模となっています。いつまで続くかわかりませんが、ゴールドマンサックス証券は26日付のレポートで15年末の日経平均を21,700円と現状より16%高い水準に引き上げており、外国証券の日本株への見直しが始まっているようです。
今週は、高値圏でのもみあいが想定されるところです。上述した様に国内景気や企業業績の改善期待が高まり、これまでの日銀のETF買いや年金資金の買いに海外投資家の買いが加わり、先高観が強くなっています。但し、目先は騰落レシオが140%を超えてくるなど過熱感を示すテクニカル指標も出ており、売り買いが交錯し一進一退となる展開が想定されます。
騰落レシオに関しては過熱感が出ているものの、この指標は、過熱圏に入った後1カ月近く過熱圏で推移するという経験則もあり、すぐに下落に結びつくとは言えないと思われます。基本的には、大きな下落があれば押し目買いのチャンスと思われ、その場合に25日移動平均線(2日18,006円)近辺までの下げとなれば、値幅調整となって絶好の買い場ですが、今のところ需給から考えてもそこまで下げる可能性は少ないようです。むしろ、もみあって日柄調整を経て再上昇するというパターンになる可能性が高いと考えられます。
今週から名実ともに3月相場入りで期末要因を意識した需給相場になってきます。3月期末の株価を意識した動きや、3月期末の配当を狙った売買となって、下げれば押し目買いが入る展開となりそうです。本日2日(月)は、119円台後半の円安を材料に一時△139円の18,939円まで上昇するものの、高値警戒感も強く乱高下となり、△28円の18,826円で引けました。
先週の予測では、前週に約15年ぶりの高値更新となったことで中期的には2万円を目指す動きが想定されるものの、目先は騰落レシオなどテクニカル指標の一部に過熱感もあり、18,500円水準を上値にもみあう展開を想定しました。
結果的には、上昇の勢いが止まらず押し目待ちに押し目なしの動きとなって、25日(水)に1日だけ▼18円の18,585円となった他はすべて上昇となり、週末の27日(金)は18,865円まで上昇して、△12円の18,797円で引けました。
今週は、国内の景気や企業業績への改善期待が高まり、日銀のETF買いや年金資金の流入期待に加え、海外投資家の買い越しも増加してきたことで買い意欲は強いものの、短期間に一気に上昇した後だけに高値警戒感も広がって、一進一退の動きとなりそうです。
週明け3月2日(月)は、前場の早い段階は為替の円安が支援材料となって△139円の18,939円まで上昇するものの、高値警戒感が強く乱高下する動きとなり一時マイナスとなって18,775円まで下落し、前引けは△49円の18,847円でした。後場には狭い値動きとなってもみあい、△28円の18,826円で引けました。
先週の予測では、チャートからは昨年の12月26日の18,103円の高値を更新したことで更に一段高を目指す形として18,500円水準を目指すとしています。
週前半の24日(火)は、EUがギリシャの改革案を承認したことを好感し、NYダウは△92ドルの18,209ドル、S&Pは△5Pの2,115Pと共に史上最高値を更新しました。注目されたイエレン議長の議会証言は、具体的に利上げのタイミングにふれなかったことで材料とはなりませんでした。25日(水)も△15ドルの18,224ドルと史上最高値を更新しましたが、その後は経済指標がまちまちの動きとなり、週末の27日(金)は利益確定売り優勢となって▼81ドルの18,132ドルで引けました。
先週はギリシャ問題が後退したことで、NYダウ・S&P共に史上最高値を更新する動きとなりましたが、上昇の勢いは鈍ってきており、目先は利益確定売りに押されやすく、高値圏でのもみあいとなりそうです。今週は、経済指標の発表が多く、アメリカ経済の底堅さを裏付ける結果が予想を上回れば最高値更新の局面もあるかもしれません。
先週の予測では、前週に引き続き118~120円台のレンジの中で方向感のない動きとなるが、24日のイエレン議長の議会証言の内容によってはどちらかの方向に動くとしました。
結果的には、イエレン議長の証言は利上げを急がない姿勢は維持したものの、具体的には引き上げのタイミングにはふれなかったことで材料とはなりませんでした。118~120円の間の動きとなり、119円を挟んだもみあいとなって週末の27日(金)は10-12月GDP改定値が予想の2.0%を上回る+2.20%となったことでドルが119.8円まで買われ、引けは119.64円でした。
今週は、アメリカでは週末の雇用統計を筆頭に重要な経済指標の発表が相次ぎ、経済の回復基調が改めて確認できればドル買い・円売りの基調となります。但し、安倍政権の4月の選挙に向けた原材料輸入価格の高騰に苦しむ地方中小企業への配慮から円安を牽引する発言が度々出ており、一方的な円安とはなりにくいと思われます。118~120円台のレンジが継続。
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出島昇
柴田罫線実践教室
株式会社オルタナレッジ「柴田罫線」で分析した提供レポートです。「柴田罫線」というテクニカル分析をベースに、株式相場の分析をおこなってまいります。
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取引金額 取引手数料
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1回のお取引金額で手数料が決まります。
取引金額 取引手数料
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50万円超 385円(税込)
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