先週の予測では、3月相場全体としては過熱感を冷やしながらも上値を目指す展開へとし、先週は高値圏での一進一退の動きを想定しました。
週初めの2日(月)は、寄り付きから先物を中心に18,939円まで上昇し、その後は乱高下となって△28円の18,826円で引けました。3日(火)は▼11円の18,815円、4日(水)は▼111円の18,703円と利益確定売りで2日続落となりましたが、5日(木)は△48円の18,751円と切り返しました。そして週末の6日(金)は、前日の欧州でECBが量的緩和策として9日(月)より国債購入の買い入れを開始すると発表したことで欧州市場が全面高となり、120円台の円安進行となったこともあり、日経平均はつれ高し△219円の18,971円と大幅続伸となって15年ぶりの高値更新となりました。
6日(金)の日本市場の引け後の米市場では、注目の2月雇用統計で非農業部門雇用者数が29.53万人と予想の23.5万人を大きく上回ったことや失業率も5.5%と約6年ぶりの低水準となったことで早期の利上げ観測(6月利上げ)が台頭し、17~18日のFOMCで利上げのタイミングをみる「辛抱強く」の文言が削除されるとの思惑からドル買いが加速し、為替は一時121.28円の年初来高値をつけました。その後は、利上げ観測を嫌気してNYダウが大幅下落となったことで、リスク回避の円買いとなり120.72円で引けました。シカゴの日経先物は一時19,090円まで上昇しましたが、18,860円と反落しました。
日経平均は先週末に15年ぶりの高値更新となった後の米市場で強い2月雇用統計を受けて米市場が大幅下落し、シカゴ日経先物は18,860円となりました。先週までの3週間で1,057円上昇し、企業業績への期待や日銀や年金資金の買いに加えて外国人買いが強まり先高期待があるものの、一本調子で上げてきただけに過熱感が意識されやすいところでしたので、週初めは売り先行で始まることが考えられます。
今週は上昇中の短期的な押し目となるのか、値幅調整となる大きな押し目になるのかは、アメリカの利上げの思惑から投資家心理がリスク回避に傾いてNYダウの軟調さが続けば、いったんは利益確定売りになる可能性もあるため何ともいえません。但し、相場環境を考えれば、短期の押し目を想定することになります。例えば、9日(月)は昨年10-12月期のGDP確定値と景気ウォッチャー調査、11日(水)には機械受注が発表され、又原油安や賃金上昇などを追い風に足元の景気の持ち直しが確認されれば押し目買いが入ってくることになります。
今週は、週末には先物・オプションの清算日となっているため、材料によっては上へも下へも動く波乱含みの展開も想定されます。
本日9日(月)は▼98円で寄り付き、前場は一時▼239円の18,733円まで下げた後、下げ渋って、前引けは▼120円の18,850円まで下げ幅を縮小しました。後場になると、2月の景気ウォッチャー調査が3カ月連続の改善となりましたが反応は限定的で、結局▼180円の18,790円で引けました。
先週の予測では、好調な企業業績に加え、国内の年金資金の買いや日銀のETF買いに加え海外投資家も2週連続の買い越しとなってきたことで買い意欲は強いものの、一気に上昇してきた後だけに高値警戒感もあって一進一退の動きになりそうだとしました。
結果的には、週初めは18,939円まで上昇したものの利益確定売りに押され、その後は一進一退となっていました。しかし、週末の6日(金)は、前日にECBが量的緩和として9日から国債の買い入れを開始するということで欧州市場が全面高となり、日経平均もつれ高となって△219円の18,971円と15年ぶりの高値更新となって19,000円に接近して引けました。
今週は、先週末に米市場で2月雇用統計が予想を上回ったことで早期の利上げ観測からNYダウが大きく下落し、シカゴ先物は18,855円となっていたことから売り優勢で始まりそうです。米市場が軟調であれば日本市場も不安定さを増す可能性がありますが、下値は日銀や年金資金の買いの期待が強く、高値圏での一進一退の動きが想定されます。
週明け9日(月)は米株安を受けて▼98円の18,872円で寄り付き、前場は下げ幅を縮小する場面もありましたが、目先は先行き不透明感から幅広い銘柄が売られ、結局▼180円の18,790円で引けました。
先週の予測では、目先は利益確定売りに押されやすく高値圏でのもみあいになりそうだとしました。但し、経済指標の発表が多く、米景気の回復を裏付ける結果になれば高値更新も考えられるとしました。
週明け2日(月)は、経済指標はまちまちだったものの積極的なM&Aが好感され△155ドルの18,288ドルとなってザラ場・終値での史上最高値更新となりました。その後は経済指標が冴えず利益確定売り優勢となり、週末の雇用統計を控えて様子見となりました。そして、2月雇用統計が予想を大きく上回ったことで早期の利上げ観測が台頭しドルが買われて、週末6日(金)は▼278ドルの17,856ドルの大幅下落となりました。
先週末の2月雇用統計が予想を上回ったことでFRBによるゼロ金利政策が6月にも解除されるとの思惑が台頭していることで積極的にリスクをとる新規の買いは手控えられ、今週は上値が重い展開が想定されます。特に17~18日のFOMCで「辛抱強くなる」の文言が削除される可能性が高まっています。
先週の予測では、週末の雇用統計を筆頭に重要な経済指標の発表があり、経済の回復を確認できればドル買い・円安基調になるとしました。レンジは118~120円台としました。
結果的に、5日(木)までは経済指標はまちまちでしたが、週末の2月雇用統計が予想を上回ったことでドル買いが進行して一時121.28円まで上昇しました。その後利上げ観測を嫌気した株安につれてリスク回避の円買いとなったことで120.72円で引けました。
先週末の2月雇用統計が予想を上回ったことで早期の利上げ観測が台頭し、17~18日のFOMCで利上げのタイミングに関しての「辛抱強くなる」の文言が削除される可能性があり、ドルが買われる流れが出てきています。先週末はドルが121.28円まで買われて、引けは120.72円と年初来高値(円は年初来安値)を更新しました。次は昨年12月8日の121.85円が意識されるところです。
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出島昇
柴田罫線実践教室
株式会社オルタナレッジ「柴田罫線」で分析した提供レポートです。「柴田罫線」というテクニカル分析をベースに、株式相場の分析をおこなってまいります。
株式等は株価(価格)の変動等により損失が生じるおそれがあります。上場投資信託(ETF)は連動対象となっている指数や指標等の変動等、上場投資証券(ETN)は連動対象となっている指数や指標等の変動等や発行体となる金融機関の信用力悪化等、上場不動産投資信託証券(REIT)は運用不動産の価格や収益力の変動等、ライツは転換後の価格や評価額の変動等により、損失が生じるおそれがあります。※ライツは上場および行使期間に定めがあり、当該期間内に行使しない場合には、投資金額を全額失うことがあります。
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1回のお取引金額で手数料が決まります。
取引金額 取引手数料
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