2015年04月07日
先週の予測では、内外の機関投資家はこれまでの大きな上昇で含み益を抱えており、利益確定優先の可能性が高いとしました。但し、下値では日銀のETF買いやGPIFなどの公的マネーが下支え期待があるため強弱感が対立し、19,500円水準でのもみあいを想定しました。
結果的には、19,000~19,600円の間でのもみあい相場となりました。週初めは3日ぶりに反発し、3月31日(月)は、前場は前日の欧米株式の大幅上昇を受けて19,607円までの大幅上昇となるものの、前週の配当落ち後の利益確定売りに伴う乱高下の流れが続き、一転して急落となって▼204円の19,206円となりました。更に翌日の4月1日(水)は、前日の欧米株式の急落もあって一時19,000円を割り込み、終値では▼172円の19,034円と25日移動平均線を割り込みました。しかし、2日(木)には急激な下げに対する自律反発に加え、ゆうちょ銀行の株式投資拡大報道からGPIFの買い期待が再燃し、△277円の19,312円と3日ぶりの大幅反発となって25日移動平均線をすぐに回復しました。週末の3日(金)は、この日の引け後にアメリカで3月の雇用統計の発表があるため様子見ムードになるところでしたが、薄商いの中で△122円の19,435円と高値引けとなりました。出来高は急減し、売買代金も20日ぶりに2兆円を割り込む状況でしたので、必ずしも強い上昇とはいえないかもしれません。
注目のアメリカの3月雇用統計で、非農業部門雇用者数は予想の+24.5万人を大きく下回る+12.6万人となったことで、為替は119円台後半から一時118.70円までドルが売られ、引け値は118.94円となりました。株式市場は休場でしたので、日本市場への影響は7日(火)となります。株式相場への見方は2つあり、1つはアメリカ経済の回復が遅れているためドル安・株安という見方と、もう1つは材料出尽くし(イベント通過)となって、アク抜けするという見方があります。
先週は、4月1日(水)に一時18,927円と19,000円を割り込む場面もみられたものの、週末にかけて買い戻され、終値ベースでは19,000~19,500円のレンジの上限近くで引けました。押し目買い意欲が強く相場に強そうにみえますが、週末は売買代金が20日ぶりの2兆円割れという薄商いの中の上昇ですので、何とも言えません。また、上昇トレンドに変化は出たものの下げ幅は4.3%しかなく、過去の調整からいうと下げ足りずということが言えます。また、週末のアメリカの雇用統計が予想を大きく下回ったことで、アメリカの景気の鈍化懸念が浮上し1ドル=118円台のドル安・円高となっていることで、週初めは休日だったNYダウがどう動くかわからないところもあり、売り先行となりそうです。
目先の動きは雇用統計を受けたNYダウの動きの他に、8日(水)より始まる2015年1-3月期のアメリカの主要企業の決算が本格化しますが、事前の市場予想は減益を見込んでおり、予想以上の減益だと日本の輸出産業にも影響を与えることになりますので、注意が必要です。短期で急騰してきただけに海外投資家の利益確定売りが続けば、いくら公的マネーの下支えがあるといってもある程度の下落は避けられません。もちろんそうなれば、そこは調整を待っていた人には格好の買い場になると思われます。
柴田罫線でみると、19,206円を終値で下回ると短期の売転換となって4月1日の安値18,927円を試す可能性があります。日足では、ザラ場では4月1日の18,927円と3月31日の高値19,607円のレンジ相場、終値ベースでは19,000~19,500円のレンジ相場となっています。この中でもみあって下値固めをして上にいくのかどうかは、NYダウと為替の動きにかかってきます。つまり、現時点では方向感が掴みにくいところですので、リスクをとらない人は結果をみるスタンスとなります。
本日は、前場は先週末の雇用統計の結果を受けて円高進行となったことで寄り付きは売り先行で一時▼193円の19,241円まで下げましたが、売り一巡後は円高一服もあって押し目買いとなり、下げ幅を縮小して▼37円の19,397円で引けました。
先週は、アメリカ株式に変調がみられることや中東情勢の懸念もあり、日経平均も不安定な動きが想定されるとし、海外投資家は利益確定を優先させることを想定しました。
結果的に19,000~19,600円の中での荒い動きとなりました。3月31日(火)は、前日の欧米株高を受けて一時19,607円まで上昇するもののここをピークに先物主導で急落となって▼204円の19,206円となり、4月1日(水)は欧米株式の大幅反落を受けて一時19,000円を割り込み▼172円の19,034円となりました。しかし、2日(木)はゆうちょ銀行の株式投資拡大報道もあり自律反発も加わって△277円の19,312円と反発し、週末の3日(金)も△122円の19,435円で引けました。週末は売買代金も久しぶりに2兆円を割り込み、薄商いの中先物主導による反発と考えられます。結局予想していたように柴田罫線の上昇トレンド(A)の上値斜線に接近したところから反落となりました。
今週は、週初めは先週末の雇用統計が予想を大幅に下回り、アメリカの景気の鈍化懸念からドル売りとなったことで、アメリカ株への不透明感と円高から売り先行となりそうです。又、アメリカの企業決算で収益の悪化がみられると日本の輸出企業にもマイナスとなるので上値は重い展開となります。但し、下落局面では公的年金の買いが想定され、下値は限定的とも思われます。柴田罫線では終値で19,200円を下回ると短期の売転換となって、4月1日の18,927円を試す動きが想定されます。ここを切ると、昨年の1月16日の16,592円から今年の3月23日の19,778円までの上げ幅の1/3押し(16,654円)がターゲットとなります。
週明け6日(月)は、雇用統計の大幅に予想を下回る結果を受けて円高進行となったことで売り先行で始まり、一時▼193円の19,241円まで下げるものの、押し目買いが入って▼37円の19,397円で引けました。出来高、売買代金ともに先週末より更に減少しています。
先週の予測では、週末には雇用統計を控え神経質な展開になりそうだとしました。
結果的にもみあいが続き、柴田罫線ではきれいな形の三角保ち合い(B)を形成してきました。週初め30日(月)は中国の追加緩和観測やヘルスケアー部門でのM&Aが相次いだことで△263ドルの17,976ドルとなったものの、翌日の31日(火)は雇用統計を控え利益確定売りで▼200ドルの17,776ドルとなり、更に4月1日(水)は3月ADP全国雇用者数が予想を下回ったことで▼77ドルの17,698ドルと続落しました。2日(木)は経済指標の改善を受けて△65ドルの17,763ドルの反発で引けました。週末3日(金)は休場でしたが、3月雇用統計は予想を大きく下回っていました。週明けのアメリカ株式は注目となります。
今週は、先週末の雇用統計で非農業部門雇用者数が市場予想の半分ほどの増加幅に留まったことで一旦売り優勢となりそうです。8日(水)より本格化する2015年1-3月期決算も事前の予想は減益を見込んでおり、上値の重い展開が想定されます。3月26日の安値17,579ドルを終値で下回ると三角保ち合いの下放れが確実と考えられ、2月2日の17,037ドルを試す可能性があります。
先週は、基本的には円高・円安材料が拮抗しておりもみあいが続く可能性が高いとし、118~121円のレンジを想定しました。
結局、材料に乏しく2日(木)までは120円を挟んだ±1円のもみあいとなり、その後週末3日(金)は雇用統計の予想を下回る結果を受けてドルが売られ一時118.72円まで下げて118.99円で引けました。
今週は、先週末の雇用統計の悪化を受けてドルが売られたものの、FRBの年内の利上げ観測からのドルの先高観も根強く、119円を挟んだ±1円程度のもみあいが想定されます。但し、1-3月期の企業決算への不安が強まれば新たなドル売りの場面があるかもしれません。
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出島昇
柴田罫線実践教室
株式会社オルタナレッジ「柴田罫線」で分析した提供レポートです。「柴田罫線」というテクニカル分析をベースに、株式相場の分析をおこなってまいります。
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