先々週の4月27日(月)の時点の予測では、ゴールデンウィーク突入前の日銀の金融政策決定会合に注目とし、基本的には利益確定売り優勢となる可能性が高いとしました。
結果的に、週前半(27~28日)の日経平均は2万円を挟んだもみあいとなっていましたが、29日(水)に日本が休場の海外市場において欧米株式が大幅下落となったことで30日(木)の日経平均は大幅下落で始まり、後場に日銀の金融政策決定会合で金融政策の現状維持が伝わると失望売りとなって一段安となり、▼538円の19,520円となりました。
先週は、営業日は5月7日(木)、8日(金)と2日間しかなく、この2日間の動きはそれまでの海外市場がどう動くかによって予想しにくいところでした。7日(木)の前日までのNYダウの動きは、4日(月)こそ△46ドルの18,070ドルと堅調だったものの、5日(火)には貿易赤字の拡大を嫌気して▼142ドルの17,928ドルと反落し、6日(水)にはイエレン議長が「アメリカの株価は高過ぎる」という株高けん制発言と受けられる様なコメントを出したことで▼88ドルの17,841ドルと続落しました。
これを受けて7日(木)の日経平均は、▼239円の19,291円の大幅下落となりました。週末の8日(金)は、日本市場の引け後のアメリカの雇用統計を見極めたいという動きで様子見ムードが強いものの、トヨタの決算に期待する先回りやメガバンクが上昇して△87円の19,379円で引けました。
要するに、先週はゴールデンウィーク中の外部環境に欧米で債券や株が売られたり、イエレンFRB議長の株高(けん制)発言などもあり、マネーの流れに変化があった週といえます。日経平均は2日間の営業の中25日移動平均線(8日19,701円)を割り込んで下値模索の動きとなりました。但し、週末の8日(金)は、SQ値19,270円を上回る19,379円で引けています。
先週末の8日(金)の引け後のアメリカ市場では、注目の4月雇用統計は非農業部門の就業者数が前月比で△22.3万人と予想の△22.8万人とほぼ一致し、失業率は前月比0.1%低い5.4%と下がったことが経済の拡大は続いているものの、早期利上げに踏み切らせるほどの勢いではないとの見方から(利上げは9月以降との見方へ)NYダウは△267ドルの18,191ドルとなって、史上最高値に接近する上昇となりました。シカゴCMEは△275円の19,655円でした。
今週は、8日の雇用統計の結果によっては、25日移動平均線を割り込んでいる日経平均の次の下値ポイントを探すことになるところでしたが、雇用統計の改善を受けてNYダウが大幅上昇となり、シカゴ日経先物が19,655円となっていたことで、逆に25日移動平均線を回復できるかどうかが注目点となります。
週初めは買い先行となりそうですが、その後は3月期企業の決算発表がピークとなるため、その発表を横にみながらの値動きが想定されます。また、先週末のアメリカの雇用統計を受けてのNYダウの動きが継続するのかどうかも、日経平均がどこまで戻ることができるのかに影響してきます。5月相場は弱いという過去の経験則がゴールデンウィーク前と直後の日経平均の前倒しの下落となったという見方もありますが、その見方が裏付けられるためには、早い段階で25日移動平均線を回復し、ここを下値抵抗ラインとする値動きとなることができるかどうかとなります。
週明けの本日11日(月)は、シカゴの日経先物の19,655円にサヤ寄せする形で△258円の19,637円で寄り付きましたが、上値は19,679円までで、その後は上値の重い展開でした。シャープが大幅減資で安値更新となり、東芝は無配発表でストップ安のままとなっており、各企業の決算の動向を慎重にみる動きが上値を重くしています。終値では△241円の19,620円と4月28日以来5営業ぶりの高値水準で終わったものの、25日移動平均線を前に利益確定売りで全般は小動きとなり、後場の値幅は52円にとどまりました。
先週は、営業日は7日(木)8日(金)と2日間しかなく、日本市場が休場の間に海外株式がどう動くかによって連休明けの動きは変わってくるとしました。 特に海外の動きは、週末の4月雇用統計やその前日の英総選挙が注目されました。
ゴールデンウィーク明けの7日(木)は、5日(火)に米雇用統計の悪化を嫌気してNYダウは▼142ドルの17,928ドル、6日(水)はイエレン議長が「株価のバリュエーションが高い」と株高けん制発言ともみられる発言を嫌気し▼86ドルの17,841ドルとなっていたため、売り先行で始まり19,257円まで下げて▼239円の19,291円となりました。しかし、週末8日(金)は海外動向を見極めたいとの見方からもみあいが続き、△87円の19,379円で引けました。
今週は、日経平均は戻りを試す展開が想定されます。8日(金)のアメリカの雇用統計を受けて日経先物が19,655円となっており、週初めは買い先行となりそうです。戻りをどこまで試せるかは、まず目先の上値抵抗ラインとなる25日移動平均線(8日時点19,701円)を終値で上回ることができるかどうかが注目となります。いったんの上昇後は3月の企業決算を横に睨みながらの動きとなりそうです。
週明け11日(月)は、シカゴ先物の19,655円にサヤ寄せする形で△258円の19,637円で寄り付き、19,679円まで上昇した後は高値圏でのもみあいが続きました。後場は利益確定売りに上値を押さえられ19,600円近辺でもみあいが続き、△241円の19,620円で引けました。
先週は、週末8日(金)に4月の雇用統計を控え様子見が続くことになるが、内容次第では一段下への警戒感も出ているところとしました。結果的には三角保ち合いの中で大きな上下動となって、週末の8日(金)は雇用統計の改善を好感し三角保ち合いの上放れとなりました。
週前半から半ばにかけては、5日(火)には3月貿易赤字の拡大を嫌気して▼142ドルの17,928ドル、6日(水)はイエレン議長の「株価のバリュエーションはかなり高まっている」との発言を受けて▼86ドルの17,841ドルと下落しました。しかし、7日(木)は、翌日の雇用統計への楽観的な見方から△82ドルの17,924ドルと反発し、週末8日(金)は雇用統計の予想通りの回復を好感し、またイギリスで保守党が単独過半数で選挙に勝利したことで欧州株高となったことを受け、△267ドルの18,191ドルの大幅続伸となりました。
柴田罫線では、やっと三角保ち合いを上放れしたことになります。但し、この三角保ち合いは3月2日の最高値18,288ドルを上値とし、3月26日の17,579ドルを下値とするレンジの中での三角保ち合いであり、本格的な上放れとなるには3月2日の最高値を終値で上回ることができるかどうかとなります。
先週末の大幅上昇は、雇用統計の改善を受けてアメリカ景気に対する弱気な見方が後退し、買い戻す動きが優勢だったと考えられますので、そのまま高値を更新していくには難しいと思われます。そのため、今週は高値圏で景気の回復の度合いを確認するためのもみあいとなりそうです。
4月27日(月)の時点での予測は、FOMCや日米首脳会談、更には日銀の金融政策決定会合があり、基本的には日米金利差拡大期待からもややドル高・円安に振れるという思惑があります。118~120円のレンジを想定しました。
週前半から半ばにかけては、118.5~119.5円の狭い範囲での動きでしたが、4月30日(木)に119.9円までのドル高・円安となり、更に週末の5月1日(金)は債券利回りの上昇に伴うドル買いで120.28円までドルが買われました。その後、先週の4日(月)から8日(金)までは119.3~120.2円のややドルの強含みとなりました。
今週も早期利上げ観測が後退したことでドルを買い急ぐ雰囲気はないものの、日米金利差を意識した円売り・ドル買いにより、円の上値は押さえられる可能性があります。注目は13日(水)の4月小売売上高であり、回復基調が高まればドル買いが強まることも考えられます。基本は119~121円。
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出島昇
柴田罫線実践教室
株式会社オルタナレッジ「柴田罫線」で分析した提供レポートです。「柴田罫線」というテクニカル分析をベースに、株式相場の分析をおこなってまいります。
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