2015年05月26日
先週は、25日移動平均線を下値に2万円を意識した動きになると想定しました。心配してきた5月相場は弱いという経験則も、今回は2015年3月期の決算発表がほぼ終わり、PERが16倍台に低下し、配当利回りも上昇に転じているため割高感が無くなり、下値は限定的になっていると予測しました。
結局、4月下旬からの調整局面もゴールデンウィーク明けの7日(木)に19,257円の安値をつけると、良好な需給もあって下値を切り上げる動きとなりました。海外でギリシャ問題から金利が上昇する場面もありましたが、それが落ち着くと世界的株高という環境になり、先週の日経平均は18日(月)に△157円の19,890円と25日移動平均線を軽くクリアーすると、19日(火)は△136円の20,026円と4月2日以来の2万円台を回復しました。更に、アメリカで強い経済指標を受けて景気の先行き見通しが明るくなったとしてドルが買われ、一気に120円台後半の円安となったことで、20日(水)は△170円の20,196円と3日連続で3ケタの上昇となりました。その後、短期の急騰で高値警戒感が出るものの、押し目買い強く21日(木)は△6円の20,202円、22日(金)は△61円の20,264円と6日連続の上昇で引けました。
22日(金)の日本市場の引け後のアメリカでは、4月の消費者物価指数が予想を上回り、イエレン議長が景気の改善が続けば年内の利上げを行うことが適当であるという発言をしたことで、早期利上げ観測が高まり、NYダウは▼53ドルの18,232ドルと反落しました。しかし、為替が一時1ドル=151.57円と3月中旬以来2カ月ぶりの円安更新となったことで、シカゴの日経先物は20,365円となっていました。
今週も需給関係が良好で先高観は強いものの、短期の過熱感や高値警戒感もあり、20,500円水準が目先の上値ポイントとなります。チャート上は、当面は遅かれ早かれ2000年4月12日の20,833円を目指す流れと思われます。但し、先物や年金マネー主導の相場ですので、今週から来週にかけてはアメリカの経済指標の動きとそれに連動する為替相場が注目となります。先週末にFRBのイエレン議長が経済指標の改善が続けば年内の利上げを明言しており、再来週の5月雇用統計と今週のいくつかの経済指標の結果が気になるところです。経済指標がよければ早期利上げ観測が高まってドルが買われ、日米金利差拡大から一段の円安となり、日本の株式市場にはプラスになります。一方、今のところアメリカでは経済指標の改善はアメリカ景気の回復としてドル高・株高となっていますが、このドル高が一定の高さを超えると金利上昇となって株が売られることになります。その場合、このまま日本株が上昇し続けることができるかどうかは難しいところです。
但し、日経平均の上昇が止まれば出遅れ株の個別物色という可能性が出て、6月には政府による成長戦略への期待も高まりやすいので、テーマ(自動運転、次世代医療、女性の活躍、地方創生など)に沿った銘柄の物色が出てくるかもしれません。
25日(月)は、昨日の欧米株式は軟調ながら為替が3月中旬以来2カ月ぶりの円安水準になっていることで輸出関連株中心に買われ、△149円の20,413円と7日続伸で引けました。
先週の予測では、欧米の長期金利上昇懸念が後退し、アメリカでは冴えない経済指標を受けて早期利上げ観測が後退し、世界的な金融緩和継続期待から世界同時株高となり、日経平均も25日移動平均線を突破して2万円のフシを試す動きを想定しました。
結果的には、週明けの18日(月)は△157円の19,890円となって25日移動平均線を突破し、19日(火)は前日のNYダウ、S&Pの史上最高値を受けて△136円の20,026円と2万円台を回復し、更に20日(水)は前日のアメリカで為替が1ドル=120円台後半のドル高・円安となったことで△170円の20,196円と3日連続の3ケタ上昇となりました。21日(木)は20,320円まで上昇するものの、急ピッチの上昇に高値警戒感も出て上げ幅を縮小し、△6円の20,202円となりましたが、連日の高値更新で引けました。週末22日(金)は、先高期待から△61円の20,264円と6日連続で引けました。
今週は、先高期待と目先の高値警戒感との綱引きとなり、2万円台での値固めが続く可能性が高いと考えられます。このまま上昇してもテクニカル的過熱感が一部にあり、チャート上も20,500円水準がフシとなります。今週から来週にかけては、アメリカ株式と為替に左右される動きとなることも考えられます。20,000~20,500円内での動きが想定されます。
週明け25日(月)は、為替賀3月中旬以来の1ドル=121円台後半の円安となっていることで輸出関連株中心に買われ、△149円の20,413円で引けました。
先週の予測では、4月住宅着工、4月中古住宅販売など経済指標の発表が予定されており、予想を大きく上回る結果とならない限り早期利上げ観測は後退し、株価は堅調を維持するとしました。
結果的に、週明けの18日(月)は5月住宅指数が予想を下回ったことで早期利上げ観測が後退し、△26ドルの18,298ドルと史上最高値を更新、19日(火)は4月住宅着工件数が予想を上回ったことで利上げ観測が高まって、ナスダックとS&Pは小反落するものの、ダウは△13ドルの18,312ドルとなりました。20日(水)はFOMC議事録公開で大半が6月利上げの可能性が低いことを示唆したことで一時18,350ドルまで上昇しましたが、▼26ドルの18,285ドルと小反落となりました。21日(木)は四半期決算の発表もあらかた終わり、狭いレンジでのもみあいとなり△0.3ドルの18,285ドルとなりました。週末22日(金)は4月消費者物価指数が予想を上回ったことで再び早期利上げ観測が台頭し、▼53ドルの18,232ドルで引けました。
今週は、再来週に5月雇用統計がありますが、多くの経済指標の発表があり、結果次第では相場に影響を与えることになります。その背景は先週末の22日(金)にイエレン議長が景気の改善が続けば年内の利上げを行うことが適当と発言したことで経済指標に注目が集まることになります。結果によって高値圏での上下動ということになりそうです。
先週の予測では、材料に乏しく狭いレンジでの動きを想定し、利上げ観測が後退していることで118.5~120円のレンジの動きとしました。ところが、19日(火)は4月住宅着工件数が予想を大きく上回る113.5万件となったことで景気の先行き見通しが明るくなり、利上げ観測が高まって120円台後半までドルが買われ、同時にNYダウも18,312ドルの史上最高値更新となりました。20日(水)は、FOMC議事録公開で大半が6月利上げの可能性が低いことを示唆したものの景気回復期待で金利が上昇し、121.48円のドル高・円安となりました。更に、週末22日(金)は4月消費者物価指数が予想を上回ったことでドルが買われ、121.57円と3月中旬以来2カ月ぶりの円安となっていました。
今週も引き続いて経済指標の結果に左右されることになります。経済指標の改善が続けばアメリカの景気回復への期待からドルが買われ、3月10日の122.03円を終値で超えるとドルの一段高(124円水準)となります。そうでなければ120~122円のレンジでのもみあいが続くことになります。
本資料は情報提供を目的としており、投資等の勧誘目的で作成したものではありません。お客様ご自身で投資の最終決定をおこなってください。本資料の内容は、弊社が信頼できると判断した情報源から入手・編集したものですが、その情報源の確実性まで保証するものではありません。なお、本資料の内容は、予告なしに変更することがあります。
出島昇
柴田罫線実践教室
株式会社オルタナレッジ「柴田罫線」で分析した提供レポートです。「柴田罫線」というテクニカル分析をベースに、株式相場の分析をおこなってまいります。
株式等は株価(価格)の変動等により損失が生じるおそれがあります。上場投資信託(ETF)は連動対象となっている指数や指標等の変動等、上場投資証券(ETN)は連動対象となっている指数や指標等の変動等や発行体となる金融機関の信用力悪化等、上場不動産投資信託証券(REIT)は運用不動産の価格や収益力の変動等、ライツは転換後の価格や評価額の変動等により、損失が生じるおそれがあります。※ライツは上場および行使期間に定めがあり、当該期間内に行使しない場合には、投資金額を全額失うことがあります。
上場有価証券等のうち、レバレッジ型、インバース型のETF及びETN(※)のお取引にあたっては、以下の点にご留意ください。
※「上場有価証券等」には、特定の指標(以下、「原指数」といいます。)の日々の上昇率・下落率に連動し1日に一度価額が算出される上場投資信託(以下「ETF」といいます。)及び指数連動証券(以下、「ETN」といいます。)が含まれ、ETF及びETNの中には、原指数の日々の上昇率・下落率に一定の倍率を乗じて算出された数値を対象指数とするものがあります。このうち、倍率が+(プラス)1を超えるものを「レバレッジ型」といい、-(マイナス)のもの(マイナス1倍以内のものを含みます)を「インバース型」といいます。
信用取引は取引の対象となっている株式等の株価(価格)の変動等により損失が生じるおそれがあります。信用取引は差し入れた委託保証金を上回る金額の取引をおこなうことができるため、大きな損失が発生する可能性があります。その損失額は差し入れた委託保証金の額を上回るおそれがあります。
国内株式の委託手数料は「ゼロコース」「超割コース」「いちにち定額コース」の3コースから選択することができます。
〔ゼロコース(現物取引)〕
約定金額にかかわらず取引手数料は0円です。
但し、原則として当社が指定するSOR(スマート・オーダー・ルーティング(※1))注文 のご利用が必須となります。(当社が指定する取引ツールや注文形態で発注する場合を除きます。)
ゼロコースをご利用される場合には、当社のSORやRクロス(※2)の内容を十分ご理解のうえでその利用に同意いただく必要があります。
※1 SORとは、複数市場から指定条件に従って最良の市場を選択し、注文を執行する形態の注文です。
※2 「Rクロス」は、楽天証券が提供する社内取引システム(ダークプール(※3))です。
※3 ダークプールとは、証券会社が投資家同士の売買注文を付け合わせ、対当する注文があれば金融商品取引所の立会外市場(ToSTNeT)に発注を行い約定させるシステムをいいます。
〔ゼロコース(信用取引)〕
約定金額にかかわらず取引手数料は0円です。
但し、原則として当社が指定するSORのご利用が必須となります。(当社が指定する取引ツールや注文形態で発注する場合を除きます。)
〔超割コース(現物取引)〕
1回のお取引金額で手数料が決まります。
取引金額 取引手数料
5万円まで 55円(税込)
10万円まで 99円(税込)
20万円まで 115円(税込)
50万円まで 275円(税込)
100万円まで535円(税込)
150万円まで640円(税込)
3,000万円まで1,013円(税込)
3,000万円超 1,070円(税込)
〔超割コース(信用取引)〕
1回のお取引金額で手数料が決まります。
取引金額 取引手数料
10万円まで 99円(税込)
20万円まで 148円(税込)
50万円まで 198円(税込)
50万円超 385円(税込)
超割コース大口優遇の判定条件を達成すると、以下の優遇手数料が適用されます。大口優遇は一度条件を達成すると、3ヶ月間適用になります。詳しくは当社ウェブページをご参照ください。
〔超割コース 大口優遇(現物取引)〕
約定金額にかかわらず取引手数料は0円です。
〔超割コース 大口優遇(信用取引)〕
約定金額にかかわらず取引手数料は0円です。
〔いちにち定額コース〕
1日の取引金額合計(現物取引と信用取引合計)で手数料が決まります。
1日の取引金額合計 取引手数料
100万円まで0円
200万円まで 2,200円(税込)
300万円まで 3,300円(税込)
以降、100万円増えるごとに1,100円(税込)追加。
※1日の取引金額合計は、前営業日の夜間取引と当日の日中取引を合算して計算いたします。
※一般信用取引における返済期日が当日の「いちにち信用取引」、および当社が別途指定する銘柄の手数料は0円です。これらのお取引は、いちにち定額コースの取引金額合計に含まれません。
かぶミニ®(単元未満株の店頭取引)は、当社が自己で直接の相手方となり市場外で売買を成立させます。そのため、取引価格は買付時には基準価格に一定のスプレッド(差額)を上乗せした価格、売却時には基準価格に一定のスプレッド(差額)を差し引いた価格となります(1円未満の端数がある場合、買付時は整数値に切り上げ、売却時は切り捨て)。なお、適用されるスプレッドは当社ウェブサイトにて開示していますが、相場環境の急変等により変動する場合があります。
(貸株サービスのみ)
(貸株サービス・信用貸株共通)