先週の予測としては、メジャーSQ、海外要因の不透明さからこう着相場が続く可能性があるとしました。特にギリシャ債務問題やアメリカの早期利上げへの思惑から主力株は動きにくく、出遅れの業種や好業績の中小型株が物色されるこう着感の強い相場展開を想定しました。
但し、20,655円を終値で上に抜けると2000年4月12日の20,833円を試す動きとなり、逆に20,310円を下に切ると2万円を試す動きが想定されるとしました。8日(月)の海外市場でギリシャ債務問題から欧米株式が下落し、特にアメリカ市場は好調な経済指標を受けて早期利上げ観測が強まり、NYダウは▼82ドルの17,766ドルと短期の売転換出現となりました。これを受けて9日(火)の日経平均は▼360円の20,096円となり、25日移動平均線(9日時点20,104円)を切ったことで、NY次第では2万円割れを想定し、10日(水)にはNYダウに黄信号点灯と予測し注意が必要と想定しました。
ところが、10日(水)の日銀の黒田総裁の「為替レートが更に円安に振れることはあり得ない」と発言したことで、足元で大きく下げていたテクノロジー株が大幅上昇し、NYダウは△236ドルの18,000ドルの大幅反発となりました。これを受けて11日(木)の日経平均は、SQも絡んで買い戻し中心に5日ぶりの大幅反発となって△336円の20,382円となり、週末12日(金)も続伸して△24円の20,407円で引けました。しかしSQ値は20,473円ですので、日経平均現物はこれを下回って引けており、早い段階で20,473円を上回ることができなければ、上値抵抗ラインとなってくることになるでしょう。週末12日(金)の日本市場の引け後のアメリカ市場では、ギリシャのデフォルトリスクが意識され欧米株式が再び大幅下落(NYダウは▼140ドルの17,898ドル)となりました。シカゴの日経先物は大証比▼65円の20,325円となっています。
今週は、先週に引き続き、ギリシャ債務問題やアメリカの利上げ時期を巡って重要なイベントが相次ぐことから日本株式には根強い先高感があるとしても、海外要因に左右される展開が想定されます。
アメリカでは16~17日にFOMCがあり、FRBが早期利上げに前向きの姿勢を示すかどうかが注目されます。アメリカでは今のところ経済指標の改善が続いており、この経済指標の改善がアメリカ経済の力強い回復という見方から金利引き上げを許容の範囲とみて、株価が下がらない場面が出てきています。過去の経験則では、最初の利上げは株価の反発材料になっているということもあります。但し、史上最高値圏にあることやギリシャ債務問題が不透明なことから、こちらの要因に引っ張られる可能性もあります。
日本市場をみると、先高感があって今のところ下値が限定的なものの外国人の短期筋による買いの面が強く、上値を追えないとなると一旦利益確定に動いてくる可能性があります。欧米株式をみると高値圏のもみあいとなっており、このもみあいの中でNYダウは柴田罫線で売りのシグナルが出ており、日経平均をみても引線の終値において20,076円以下で引けると短期の売転換となってきます。その場合、すぐに下落するのかというとそうでもなく、先高期待が強いために高値圏でもみあった後、何かきっかけで下落するというパターンになりやすいと考えられます。
今週の日経平均は、先週末の終値がSQ値の20,473円を下回る20,407円で終わっており、早い段階で20,473円を上回ってこなければ、上値抵抗ラインとなってきます。
本日15日(月)は、先週末の欧米株安を受けて▼201円の20,205円と大幅安で寄り付きましたが為替が落ち着いていることもあり、下げ幅を縮小する動きとなって▼19円の20,387円で引けました。但し、出来高・売買代金が本日は急減してきています。
先週の予測では、週末にメジャーSQを控え、アメリカの早期利上げ観測やギリシャの債務問題があり、こう着状態が続くことを想定しました。しかし、結果的には大きな上下動となりました。
8日(月)の海外市場で、ギリシャ債務問題から欧州株式が下落し、アメリカ市場ではこの流れを受けて更に9月利上げ観測が強まったことで▼82ドルの17,766ドルと柴田罫線では短期の売転換となったことで、9日(火)の日経平均は▼360円の20,096円の大幅下落となりました。しかし、10日(水)に日銀の黒田総裁が実効為替レートについて発言したことで円が急騰(一時122円台へ)し、この結果のドル安を受けてNYダウが△236ドルの18,000ドルと急反発しました。これを受けて11日(木)の日経平均は、SQも絡んで買い戻し中心に5日ぶりの反発となって△336円の20,382円となりました。週末12日(金)のメジャーSQ値は20,473円となりましたが、日経平均は△24円の20,407円となってSQ値を下回って引けています。
今週も海外要因に振り回される局面が出てくる可能性があります。月末に控えたギリシャの債務返済問題の行方やアメリカの利上げ時期を見極める上で重要なイベントが相次ぎます。6月16日~17日のFOMC、18日のユーロ財務会合が注目となります。日経平均は根強い先高感はあるものの、買い疲れから上値が重い場面もみられ、海外要因に左右されそうです。柴田罫線では、引線の終値で20,086円以下(確実には6月10日の20,016円を終値で切る)で引けると、短期の売転換出現となります。
週明け15日(月)は、先週末の欧米株安を受けて▼201円の20,205円で寄り付くものの、ここを安値に下げ幅を縮小し、終値は▼19円の20,387円でした。但し、出来高・売買代金共に減少しています。
先週の予測では、発表される経済指標の改善が続くと9月のFOMCでの利上げが意識され、株価の下落につながる可能性があるとし、柴田罫線では終値で17,776ドルを切ると短期の売転換になるとしました。
8日(月)にギリシャ債務問題と早期利上げ観測を嫌気し▼82ドルの17,766ドルとなって、柴田罫線で短期の売転換となり、9日(火)に17,714ドルまで下げました。ところが、10日(水)に日銀の黒田総裁の実効為替レートについての発言から主要通貨に対してドルが大幅下落し、これを受けて△236ドルの18,000ドルの大幅反発となりました。しかし、週末12日(金)はギリシャ懸念から再び▼140ドルの17,898ドルと大幅反落しています。
柴田罫線では17,766ドルで短期の売転換の後、チャートの動きは9日(火)に17,714ドルまで下げて11日(木)には18,109ドルまで反発し、12日(金)には17,898ドルまで下落という荒い動きとなっています。引線の終値で18,193ドルを上回って引けると、売転換から買転換へと変化し再び史上最高値を目指すか、もしくは高値圏でのもみあい継続となります。逆にそのまま下げて9日(火)の17,714ドルを下に切り、3月26日の17,579ドルを切ると調整入りとなります。
先週の予測では、経済指標の改善が続けば早期利上げへの思惑が強まり、ドル買いの流れが続くことになるとし、124~127円台の動きを想定しました。しかし、10日(水)に日銀の黒田総裁が実効為替レートについて「為替レートが更に円安に振れることはあり得ない」と円安けん制発言をしたことで、急激な円高となって一時1ドル=122円台まで円が急騰しました。その後は123円台の動きとなって週末12日(金)は123.4円で引けました。
先週は、黒田総裁の円安けん制発言からドル安・円高の動きとなりましたが、アメリカの利上げ観測を背景にドル高基調は続きそうです。但し、日米政府当局のドル高けん制への「口先介入」への警戒感もあり、当面上値は限定的となる可能性があります。122~125円のレンジ内の動きを想定。
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出島昇
柴田罫線実践教室
株式会社オルタナレッジ「柴田罫線」で分析した提供レポートです。「柴田罫線」というテクニカル分析をベースに、株式相場の分析をおこなってまいります。
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