先週の予測では、引き続きギリシャ問題、アメリカの利上げ問題を巡って神経質な展開になるとし、日本株式に根強い先高感があるとしても、海外要因に左右されるとしました。又、日経平均は下値が限定的となっているものの、短期筋による外国人の買いの面が強く、上値を追えないとなるといったん利益確定に動いてくる可能性があるとも想定しました。
柴田罫線で日経平均をみると、終値で20,076円以下で引けると短期の売転換となりますが、その場合はすぐに下落に転じるかというとそうでもなく、先高期待が強いために高値圏でのもみあった後、何かのきっかけで下落に転じるパターンになりやすいと想定しています。
先週の日経平均の動きは、先週末にギリシャ債務問題から欧米株式が大幅下落となったことを受けて反落スタートとなりました。その後はNYダウは堅調となるものの、ギリシャ債務問題の懸念やFOMC、日銀金融政策決定会合を控えて買い手不在の中利益確定売り優勢となり、18日(木)まで4日続落となりました。特に18日(木)は前日のFOMC声明で、年内の利上げは実施する方向にあるものの穏やかなペースであることが強調されたことで、低金利の長期化は継続されるとの見方からドルが下落し円安基調となり、日本国内の長期金利が低下しました。これを嫌気して大手銀行が下落となり、主力の輸出関連株が売られ1カ月ぶりに2万円を割って▼228円の19,990円となり、柴田罫線で短期の売転換が出現しました。ただ、週末の19日(金)は、アメリカ株式の大幅上昇(ナスダックは史上最高値更新)を受け、円高も一服していたことですぐに2万円台を回復し、5日ぶりの反発となって△183円の20,174円で引けました。
日本市場の引け後のアメリカ市場では、ギリシャ問題への懸念や週末でのポジション調整もあり、NYダウは▼99ドルの18,015ドルと反落し、シカゴ日経先物は▼60円の20,110円となりました。
先週は、12日(金)のメジャーSQ値20,473円を早い段階で超えなければ(その前に25日移動平均線があります)、ここが当面の上値抵抗ラインになってくると予測しました。結局、週初めから4日続落となって18日(木)は19,990円の終値となりましたが、19日(金)には△183円の20,174円と反発しました。基本的には2万円~20,473円(SQ値)のボックス相場の中で日柄調整となっているとみることができるでしょう。このボックス相場がいつまでも続くのではなく、いずれ上に抜けるか、下に抜けるかとなります。
今週SQ値の20,473円を上回ることができれば、上昇トレンドが継続する可能性がありますが、もし2万円を確実に切ってくると、下放れ(値幅調整)となって、短期の下降トレンドに向かうことになるでしょう。これを決定する要因の1つは、ギリシャ債務問題の結果と為替の方向ということになるでしょう。今週は22日(月)にユーロ圏の緊急首脳会議が開かれ、ギリシャのIMFへの債務返済期限が6月末に迫っているため、その対応が話し合われます。
先週で3週続落となり、その背景の1つに、相場の上昇をけん引してきた海外投資家が6週間ぶりに売り越しに転じていることがありますので、上値の重い展開が想定されます。しかし、市場の需給バランスからみると、10日(水)の黒田総裁による「円安けん制」発言をきっかけに18日(木)の2万円割れまで下落した流れによって、短期筋の先物売りや裁定解消に伴う売りが減少し、株価反転のシグナルに変わり始めたという見方が出ています。
本日22日(月)は、ギリシャ支援問題を巡りギリシャが新たな改革案を示し、本日のユーロ圏緊急首脳会議でその合意の可能性が出てきたことで買い戻し圧力が生じ、先物にもまとまった買いが入ったことで上げ幅を拡大し△253円の20,428円となって、柴田罫線ではNYダウと同じように短期の売転換後、早い段階で再び買転換を回復しました。あとは、12日(金)のSQ値20,473円を終値で上回ってくると5月28日の20,655円の年初来高値を試す動きとなる可能性が高いと考えられます。
先週の予測では、引き続き海外要因に振り回される局面になる可能性が高く、ギリシャ債務問題やアメリカの利上げ時期を巡ってFOMCやユーロ財務相会合が注目となるとしました。柴田罫線では、20,086円で引けると短期の売転換が出るとも想定しました。
結果的に、海外要因の不透明さやFOMCの声明の結果待ちとなりました。週明けから利益確定売り優勢となり、18日(木)まで4日続落、18日(木)は▼228円の19,990円と1カ月ぶりの2万円割れとなって柴田罫線で短期の売転換が出現しました。しかし、アメリカ市場でFOMCの声明の内容が、年内の利上げに関してそのペースが穏やかになるということが強調されたことで安心感が広がり、18日(木)のNYダウは△180ドルの18,115ドルの大幅高となりました。これを好感し、日経平均も△183円の20,174円と反発して引けました。
今週の日経平均は、基本的には2万~20,500円のボックス圏内での日柄調整が続く可能性があります。但し、ギリシャ問題の結果次第では、上下どちらかにブレる可能性があります。柴田罫線は、NYダウは売転換したもののすぐに買転換の状態に戻りました。日経平均も、このまま反発して引線の終値で20,402円以上で引けると、再び買転換となって高値圏でのもみあいかもしくは5月28日の20,655円を試す動きとなります。
週明け22日(月)は、この日に行われるユーロ圏緊急首脳会議で、ギリシャ支援に対する合意の可能性が出てきたとの見方から続伸となり、△253円の20,428円で引けました。25日移動平均線(22日時点20,336円)をクリアーし、NYダウと同じように再び買転換の状態になりました。
先週の予測では、ギリシャ債務問題、アメリカの利上げの時期を巡って不透明感があるものの、柴田罫線からみると、上昇する場合は「引線の終値で18,193ドルを上回って引ける」と売転換から買転換へと変化し、再び史上最高値圏を目指すか、高値圏でのもみあい継続となるとしました。※私の勘違いで、買転換に変化する場合は、引線の終値で18,002ドルを超えて引けた場合に再度の買転換となります。18,191ドルを終値で超えた場合は、史上最高値を試す形となります。
結果的に、週初めの15日(月)は、ギリシャ懸念や冴えない経済指標を受けて17,698ドルまで下落するものの、FOMCで利上げを急がない見方から反発となって3日続伸し、18日(木)は17日のFOMC声明文で年内利上げのペースはゆっくりしたものになるとの内容を受けて買い安心感が広がり、△180ドルの18,115ドルとなって再び買転換の状態となりました。しかし、翌19日(金)は、ギリシャ懸念や週末のポジション調整から▼99ドルの18,015ドルと反落して引けました。
今週は、ギリシャの債務問題の結果や上海株式の下げに影響を受けそうです。柴田罫線では、6月8日に17,766ドルで短期の売転換となったものの、15日の17,698ドルまで下げた後反発となって、18日には18,115ドルで再び買転換が出てきました。短い間に売買法則が交互に出るのは強弱感が対立していることを示していますので、高値圏でのもみあいが続くことになるでしょう。
先週は、アメリカの利上げ観測を背景にドル高基調が続くとし、122~125円のレンジを想定しました。
ドル・円相場は、週前半はこう着状態となり、123円台前半での狭いレンジでの値動きでした。17日(水)には、FOMC声明で年内の利上げを実施する姿勢が維持されたものの、利上げの時期よりもそのペースを穏やかにすることが強調されたことで、低金利の長期化が続くとの見方から一時124.45円まで上昇したドルが123.21円まで売られました。その後122円台半ばまでの円高となり、19日(金)は122.69円で引けました。
アメリカの金利引き上げによるドル高・円安の流れは、FOMCでの穏やかに引き上げる発言から織り込みとなって、当面ドル高・円安は一服する可能性があります。122~124円のレンジを想定。
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出島昇
柴田罫線実践教室
株式会社オルタナレッジ「柴田罫線」で分析した提供レポートです。「柴田罫線」というテクニカル分析をベースに、株式相場の分析をおこなってまいります。
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〔超割コース(信用取引)〕
1回のお取引金額で手数料が決まります。
取引金額 取引手数料
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