先週の予測では、6月12日(金)のSQ値20,473円を上回れば上昇トレンド継続となり、逆に2万円を切ってくると短期の調整入りとなるが、これを決定する要因の1つはギリシャの債務問題としました。但し、需給からみると、10日(水)の黒田総裁による「円安けん制」発言をきっかけとする18日(木)の2万円割れまでの間に、短期筋の売りや裁定解消に伴う売りが減少し、株価反転のシグナルに変わってきたという見方もできるとしました。そして22日(月)の時点で△253円の20,428円となって、これまで柴田罫線で短期の売転換となっていた日経平均が再び買転換に回復したことで、今週はもみあいの上放れとなる可能性が高いと想定しました。
結局、週明けギリシャが新たな改革案を示し合意の可能性が出てきたことで、22日(月)の△253円の20,428円に続いて欧米株式の大幅高を受けて、23日(火)は△381円の20,809円と今年最大の上げ幅となって、SQ値20,473円も5月28日の今年の最高値20,655円も軽くクリアーすることになりました。更に24日(水)は20,952円まで上昇し、終値で△58円の20,868円となって2000年4月12日のITバブル時の高値20,833円を上回って引けました。その後は、ギリシャ債務問題が再び不透明になってきたことや目先の目標達成感からの利益確定売りもあり、25日(木)は▼96円の20,771円、26日(金)は▼65円の20,706円と2日続落で引けました。
日本市場の引け後のアメリカ市場は、ギリシャ債務問題が不透明となる中で6月ミシガン大学消費者信頼感指数が予想を上回ったことで、NYダウは△56ドルの17,946ドルと反発したものの、ハイテク株は下落したことでナスダックは▼31Pの5,080Pとなり、マチマチの動きで引けました。シカゴ日経先物は△95円の20,855円となっていました。
今週は、ギリシャの債務問題を巡って不透明感がますます濃くなる展開となってきます。27日(土)にギリシャのチプラス首相は、欧州連合(EU)側が求める財政再建策を受け入れるかどうかを7月5日(日)の国民投票に委ねると表明しました。30日(火)はギリシャからIMFへの15億ユーロの返済期限であり、国民投票の結果が受け入れないということになれば、ギリシャのデフォルトやユーロ圏離脱の事態となるため、ユーロ圏財務相会合への強迫のような表明ということになります。
27日(土)に、EU首脳会議の後に再度ユーロ圏財務相会合が開催されましたが、ギリシャの国民投票表明を批判し、当面ギリシャ向け支援を打ち切る方針を打ち出しました。これを受けて、先進国で最初に市場が開く日本市場がどうなるのか注目となっていました。
今週は、7月5日(日)のギリシャの国民投票の結果を想定して下値を探る展開となりそうです。ギリシャ債務問題は、これまで何度も世界の株式市場を下落させ、ギリギリのところで譲歩を引き出して相場を反発させましたが、これが繰り返されるとギリシャ問題は相場に織り込まれて、長い目でみると、世界市場の中では大した問題ではなくなってきます。ただ、世界の株式市場が高値圏にあることから、短期的にはギリシャ問題をきっかけに調整に入るという可能性はあります。特にアメリカは、今年中の利上げ開始というコンセンサスができてきており、基本的に金利上昇はドル高要因といえますが、株価が大きく下落するとドル安の方向で動き、株安・ドル安の同時進行ということも考えられます。
本日29日(月)は、ギリシャのデフォルト懸念が強まり為替も円が急騰したことで、前場は▼400円の20,305円で寄り付き、20,190円まで下げ幅を拡大しました。円高が一服すると下げ幅を縮める場面もありましたが、後場になるとギリシャの債務問題は不透明のままですので前場の安値を下回る動きとなり、▼596円の20,109円で引けました。下値ポイントは、25日移動平均線(29日20,439円)を切りましたので、その下は13週移動平均線(26日20,087円)、6月18日の安値19,990円、75日移動平均線(29日19,924円)というところです。ギリシャのデフォルト懸念が一段と高まれば一時的に2万円割れも想定されますが、その場合は悪材料出尽くしから急反発の可能性が考えられます。リスクをとれる人は2万円水準から買い下がっていくところと考えられます。そうでない人は、ギリシャ問題の方向性がハッキリするまで様子見となるでしょう。
先週の予測では、ギリシャ債務問題の結果次第では上下どちらかにブレる可能性があるものの、基本的には2万~20,500円のボックス圏での日柄調整としました。但し、22日(月)の時点で△253円の20,428円となって柴田罫線で買転換に回復したことで、今週はもみあいの上放れとなる可能性があると想定しました。
結果的に、22日(月)の△253円の20,428円で買転換後の23日(火)は、ギリシャ支援合意期待から欧米株式が大幅高となったことを受け△381円の20,809円となって、今年の最高値5月28日の20,655円を終値でクリアーし、2000年ITバブル時の高値20,833円にタッチ寸前となりました。そして24日(水)は20,952円まで上昇し終値で△58円の20,868円となってITバブル時の高値を更新し、本格的な上放れとなりました。その後は、目標達成感から一服となって2日続落となり、週末26日(金)は▼65円の20,706円で引けました。
先週末にギリシャの7月5日(日)の国民投票という表明を受けて、EUは当面ギリシャ支援を打ち切る方針を打ち出しました。これを受けてギリシャのデフォルト懸念が高まり、週明け29日(月)は急激な円高もあって▼596円の20,109円の急落となりました。6月18日の19,990円を切ってくると75日移動平均線(29日19,924円)を試す動きとなってきます。ギリシャのデフォルト懸念がより強まれば、世界同時株安となって19,500円水準も考えられ、その場合は急反発へとつながっていく可能性が高くなるでしょう。
先週の予測では、ギリシャ債務問題や上海株式に影響を受けるものの、チャート上では強弱感が対立しており、高値圏でのもみあいが続くとしました。
週の前半は、ギリシャ支援合意への期待から欧州株式が大幅高となり、NYダウも23日(火)は18,188ドルまで戻りました。しかし、その後はギリシャ支援協議が再び不透明になってきたことや著名投資家から過熱感が指摘されたことで大幅反落となり、25日(木)には17,890ドルまで下げ、週末26日(金)は△56ドルの17,946ドルで引けました。
今週は、週末の雇用統計と7月5日(日)のギリシャの国民投票が焦点となります。当初は、6月30日のギリシャのIMFへの返済期限が過ぎれば何らかの形で不透明感が晴れると思っていましたが、突然の7月5日(日)のギリシャの国民投票表明で、不透明さが増してきました。7月3日(金)は独立記念日で休場のため、2日(木)に6月雇用統計の発表がありますが、ここでは利上げ開始の時期を示すような結果になるのかどうかが注目となります。6月15日の17,698ドルを終値で切ると再び売転換となり、3月26日の17,579ドルを切ると目先調整入りとなる形です。
先週の予測では、アメリカの金利引き上げによるドル高・円安の流れは、FOMCでの穏やかな引き上げになるとの発言から当面は一服となって、122~124円のレンジを想定しました。
結果的には、FRB理事が9月と12月に利上げを見込むとの発言や、24日(水)発表の1~3月期GDPが上方修正されたことで124.38円までドルが買われました。しかし、ギリシャ債務問題が不透明となり、123円台前半まで売られ、週末26日(金)は123.84円で引けました。
今週は、7月2日(木)の6月雇用統計が手掛かり材料となりますが、突然にギリシャの7月5日(日)のギリシャの国民投票が表明されたことで、ドルが売られやすい状況となりそうです(リスク回避の円買いへ)。121~124円のレンジを想定。
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出島昇
柴田罫線実践教室
株式会社オルタナレッジ「柴田罫線」で分析した提供レポートです。「柴田罫線」というテクニカル分析をベースに、株式相場の分析をおこなってまいります。
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〔超割コース(信用取引)〕
1回のお取引金額で手数料が決まります。
取引金額 取引手数料
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