先週は、7月5日(日)のギリシャ国民投票で市場の予想に反して、緊縮策反対の結果となったことで週明けの日本市場は、前週の楽観的見方から反発した分をそっくり帳消する動きとなって、▼427円の20,112円の大幅下落となりました。
ただし、ギリシャの国民投票を受けた欧米株式は、下げが限定的でNYダウは▼46ドルの17,683ドルであったことで、7日(火)の日本市場は△264円の20,376円と大きく反発しました。ところがギリシャ情勢は依然として不透明な中で、中国株式が暴落し、これが世界経済に悪影響を与えることが懸念され、8日(水)の日経平均は▼639円の19,737円と今年最大の下げ幅となって、75日移動平均線を明確に割り込む展開となりました。 この引け後のアメリカ市場で中国株式の暴落に加えシステム障害が起こって3時間も取引停止となったことで、▼261ドルの17,515ドルと2月2日以来、6カ月ぶりの安値をつけました。これを受け9日(木)の日本市場は翌日にSQ清算日を控えていることで、先物主導の売りと裁定解消売りが出て、寄り付き▼314円の19,422円の後、19,115円まで急落しました。しかし、売り一巡後は買い戻しが入って下げ幅を縮小し、後場からは中国株式が一段高となったこともあり△117円の19,855円とプラス圏で引けました。
週末の10日(金)は中国株式とギリシャ情勢がEU首脳会議で支援される期待が高まったことで、19,978円まで上昇するものの、週末要因もあり▼75円の19,779円で引けました。ただし、ファーストリテイリングの急落で約130円分も日経平均を引き下げた形となりましたので、実質はプラスで引けたことになるでしょう。
結局、先週はギリシャ情勢の不透明に加え、中国株式が暴落し、上海市場の約半分の企業が売買停止になったことから、リスクヘッジのため日本株売りが加速したことで、予想外の下落となり、9日(木)は19,115円まで下落して、長い下ひげを出して引けました。また、今年の4月2日に19,115円をつけており、ダブル底となった形をつくりました。目先は底打ちからの反発となりそうですが、今年の1月から大きな調整がないまま約半年の上昇の後の今回の下落、5日間で1,486円で約7.2%の下げでは日柄、値幅ともに調整不足とも思われます。中国株式が当面落ち着いてきたとしても再び、波乱となる可能性が高く、その場合、日本株式も巻き込まれる可能性があることを前提に投資を考える必要があります。
今週も海外要因に左右される展開となりそうです。先週末のアメリカ市場ではギリシャ支援への期待からアメリカ株式は大幅反発となり、シカゴ日経先物は大証比△225円の20,085円となっていますので、買い先行ではじまりそうです。しかし、12日(日)のEU首脳会議では、ギリシャの財政再建計画に対する各国の考え方はバラバラで、まだ調整が続きそうなため不透明感があります。 中国株式も政府の必要な株価対策で落ち着きを取り戻しているように見えますが、市場原理を無視した対策のため不透明感はぬぐえません。 ただ、今週中にギリシャ支援の合意ができれば金融不安は後退して、まず75日移動平均線(13日20,021円)をぬくと、次は25日移動平均線(13日20,304円)となります。当面は、この水準ではアタマを抑えられる可能性があります。今週は19,700~20,300円のレンジが想定されます。 逆に合意できなければ失望売りとなって、もし19,700円を切ると、先週の7月9日につけた長い下ヒゲを実体で埋めに行く動きも想定されますので注意が必要です。
本日は、先週末の欧米株高の流れから買い先行となり、△150円の19,929円で寄り付くと前場は2万円のせとなり、後場になると中国株式の上昇が続いていることで主力株中心に買い戻し主導の動きとなり、75日移動平均線をこえると20,120円まで上昇しました。終値は△309円の20,089円で引けました。出来高、売買代金ともに大きく減少していますので、買戻し中心の相場だったと思われます。
先週の7月6日(月)の時点での予測は、この日ギリシャの国民投票の結果を受けて▼427円の20,112円となったことで、下値模索の動きへとし、75日移動平均線(6日20,004円)を切ると柴田罫線では売転換となり、一段安(19,700円台を想定)になるとしました。
結果的には、7月7日(火)は△264円の20,376円と反発したものの、予想外の中国の暴落が起こり、7月8日(水)は▼639円の19,737円となって売転換し、7月9日(木)は前場に一気に19,115円まで急落して、大きく戻りに入り△117円の19,855円となりました。4月2日の19,115円とのダブル底となって同時に長い下ヒゲをつけて当面底打ちの形となりました。
週末は▼75円の19,779円でしたが、▼130円ほどの下げをファーストリテイリングがしているようですので、実質はプラスで引けているとみることができます。柴田罫線では、7月9日19,115円まで下げたものの長い下ヒゲとなって昨年の10月17日の14,529円からの上昇トレンド(A)の下値ラインにサポートされています。
今週も海外要因(ギリシャ問題と中国株式)に左右される展開となりそうです。ギリシャ支援が合意できれば75日移動平均線(20,021円)、25日移動平均線(20,304円)を試す動きが想定されます。
柴田罫線では、そのまま上昇して20,349円を終値でぬけると買転換となって、さらに戻りを試しますが逆に戻した後19,737円を終値で切ってくると19,115円の長い下ヒゲを実体で埋めにいく可能性もあります。
先週の予想では、ギリシャの国民投票を受けて目先悪材料出尽くしとなるのかどうか注目とし、柴田罫線では3月26日の17,579ドルを切ると14,000ドル水準と想定しました。
結果的にはギリシャ国民投票は市場の予想に反して緊縮反対ということになりましたが、NYダウは一時▼165ドルの17,564ドルまで売られるものの、すぐに切り返しプラスに転じる場面がありましたが、▼46ドルの17,683ドルで引けました。しかし、7月8日(水)には中国株式の暴落を受けて▼261ドルの17,515ドルの大幅下落となりました。週末は中国株式が落ち着いたことや、ギリシャへの支援期待から17,711ドルで引けました。
今週は、先週末のギリシャへの支援期待で反発したものの、まだ不透明さが残っており、中国株式も先行き不安であり、戻りは限定的と思われます。また、2015年4-6月期の企業決算の本格化を控えるため、様子見姿勢となる可能性があります。 柴田罫線では2014年10月9日の14,719ドルからの上昇トレンド(B)の下値ラインで止まっており、7月7日の安値17,465ドルを終値で切ってくると下放れとなります。上は7月2日の17,825ドルを上にぬければ18,000ドルを試す形となりますが、現時点では3尊天井を突破するのは難しいと思われます。
先週は、ギリシャ懸念が和らなければドルは底堅い動きになることを想定していましたが、ギリシャ国民投票で緊縮策が反対されたことから、リスク回避の円買いに傾き、さらに中国株式の暴落からドルが売られ7月8日(水)には120.41円までのドル安・円高となりました。その後は、ギリシャへの支援期待と中国株式の反発からドルの買い戻しが進み、122.73円で引けました。
今週は、上値は限定的と思われるもののギリシャ支援となれば、ドル買い・円売り、また10日のイエレン議長の講演で年内の利上げは適切と述べたことでドルの買い材料にはなります。但し、中国株式は反発したといっても依然、不透明なところがあり積極的なドルの買い戻しにはならないと思われます。121~124円のレンジを想定。
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出島昇
柴田罫線実践教室
株式会社オルタナレッジ「柴田罫線」で分析した提供レポートです。「柴田罫線」というテクニカル分析をベースに、株式相場の分析をおこなってまいります。
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取引金額 取引手数料
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〔超割コース(信用取引)〕
1回のお取引金額で手数料が決まります。
取引金額 取引手数料
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