先週は、決算発表を控え高値圏でのもみ合いを想定し、ただ円安が一段と進行すれば6月24日の年初来高値を更新できるかどうかに注目と予測しました。
結果的には、連休明けの21日(火)の△191円の20,841円をピークにアメリカ株式の決算を嫌気しての下落に、日経平均もつれ安し、週末の24日(金)は▼139円の20,544円となりました。 休日中の20日(月)にアメリカ市場で為替が1ドル=124円台の円安進行となったことで、21日(火)の日経平均は△112円の20,763円と高寄りし、20,850円まで上げて△191円の20,841円で引けました。
このまま円安基調が続けば6月24日の年初来高値20,868円(ザラ場20,952円)を更新することも期待されました。しかし、その後アメリカ市場で決算が予想を下回る結果が続き、23日(木)の▼119ドルの17,731ドルまで3日続落となりました。これを受けて22日(水)は▼248円の20,593円、23日(木)は△90円の20,683円と反発するものの、週末の24日(金)は▼139円の20,544円となりました。為替はアメリカの経済指標が好調であったことで早期利上げ観測の思惑もありアメリカ株式の下落とはそれほど連動せず、1ドル=123円台半ばの円安を維持していたことで、日経平均の下げはそれほど大きくありませんでした。
24日(金)の日本市場の引け後のアメリカ市場では、バイオジェンの予想を下回る決算を受けてヘルスケアが大幅下落となり、中国の減速懸念から素材関連が売られ原油安からエネルギー株が売られて、NYダウは▼163ドルの17,568ドルとなりました。シカゴの日経平均先物は大証比▼145円の20,375円となっていました。
今週は、先週4日続落となっているNYダウの下落に歯止めがかかるかどうかによって日経平均の動きが異なる可能性があります。NYダウに歯止めがかかれば決算本格化を受けて内容がよければ戻りを試す動きか、高値圏でのもみ合いの中で個別物色中心の動きとなります。逆にNYダウに歯止めがかからなければ外国人の買いが手控えられ、日経平均はもう一段安の可能性があります。その場合は好業績発表の銘柄だけが散発的に買われる展開が考えられます。
先週の日経平均は、アメリカ株式の下落を受けて、また、年初来高値に接近したこともあって足元でこう着感の強い相場展開となっています。今週は本格化する決算を見極めたい動きの中で、好決算を手掛かりとした個別物色、また、7月28日からのTPPの閣僚会合での大筋合意を目指す動きに合わせてTPP関連銘柄の物色となりそうです。 国内的には需給、材料からいっても特に問題はありませんが、目先はNYダウの動きに要注意と考えられます。
27日(月)は、シカゴ日経先物の20,375円にサヤ寄せし、▼170円の20,374円で寄り付きました。売り一巡後は20,486円まで戻しましたが、為替が円高へ振れ、また、中国株式が大きく下落していることで後場になると一段安となり、20,278円まで下げました。しかし、大引けにかけて下げ幅をやや縮小し、▼194円の20,350円で引けました。
〔NYダウの柴田罫線分析〕
NYダウは2013年10月9日の14,719ドルからの上昇トレンドにあります。この中で今年の2015年になって3月2日の18,258ドル、5月14日の18,351ドル、6月23日の18,188ドルと3尊天井をつくり、売転換となって7月7日に17,465ドルまで下落するものの、上昇トレンドの下値斜線にサポートされ、反発となって一旦、7月20日の18,137ドルまで上昇しました。しかし、ここでは3尊天井をぬくことができず再下落となって先週末の7月24日(金)は、17,568ドルまで下げてきました。もしこのまま7月7日の17,465ドルを終値で切ると、2013年10月9日の14,719ドルからの3年間弱の上昇トレンドを下に切ることになり、一段安となって調整に時間がかかる可能性があります。
NYダウが17,465ドルを切って調整入りすれば外国人買いによって上昇している日経平均も外国人買いが手控えられ上値を追うのはしばらくお預けとなるでしょう。
先週の予測では、連休明けの7月21日(火)に20,850円まで上昇し、6月24日の年初来高値20,868円(ザラ場20,952円)に接近したことで、上値追いには慎重となり、高値圏のもみ合いを想定しました。但し、円安が進めば高値挑戦の可能性もあり注目としていました。
結果的に、7月20日(月)に海外で1ドル=124.47円まで円安が進んで連休明けの日経平均はこれを好感して20,850円まで上昇して△191円の20,841円となりましたが、その後はこの20,850円をピークにアメリカの株安を受けて下落基調となりました。
7月22日(水)は欧米株安で▼248円の20,593円、7月23日は△90円の20,685円と反発するものの、アメリカ株安を受け、▼139円の20,544円で引けました。
今週は先週からのアメリカ株安の流れを受けて上値が重くこう着感の強い相場展開を引き継いで軟調な展開の中、好決算銘柄やTPP関連銘柄など個別物色の強い動きとなりそうです。
想定は20,300~20,600円台のレンジとなりますが、NYダウが7月7日の17,465ドルを終値で切るともう一段下の2万円台も想定されます。
7月27日(月)は、先週末のシカゴ日経先物20,375円にサヤ寄せする▼170円の20,374円で寄り付き、20,486円まで反発するものの、後場になると一段安となって、20,278円まで下げましたが大引けにかけて、やや下げ幅を縮小し▼194円の20,350円で引けました。
先週の予測では、ギリシャ、中国のリスク要因が落ち着いてきたものの、イエレン議長の年内利上げ示唆発言により、早期利利上げ観測が上値を押さえ、高値圏のもみ合いを想定しました。その動きは4-6月期決算や経済指標の結果を受けての反応となるとも予測しました。
結果的には、週始めの7月20日(月)までは好決算を受けて堅調な動きでしたが、7月21日(火)以降は決算予想を下回るものが相次ぎ4日間続落となって、7月24日(金)は▼163ドルの17,568ドルで引けました。但し、経済指標は好調で早期利上げへの思惑から為替は123円台後半の動きのままでした。
柴田罫線をみると、NYダウの動きは要注意となります。3尊天井((1)(2)(3))をつくって売転換となったものの前回は2013年10月9日の14,719ドルからの上昇トレンド(A)の下値斜線にサポートされ、7月7日の17,465ドルで止まって反発となりました。この反発が3尊天井を上にぬければ上放れとなるところでしたが、7月20日の18,137ドルで止まり、ここから反落となって週末の7月24日(金)は▼163ドルの17,568ドルで引けました。もしこのまま下落して7月7日の17,465ドルを終値で切ると、調整入りの可能性が高くなるでしょう。3年近い上昇トレンドを切ることになるからです。
先週は、ハイテク株の決算が冴えず、WTI原油が50ドルを割れ中国のPMIが5カ月連続で分かれ目の50Pを下回る動きとなったことで、主要株は下落となりました。今週は早期の利上げか12月の利上げかをめぐって7月28日~29日のFOMCの結果と7月30日のGDP発表が注目されます。7月7日の17,465ドルを引線の終値で下回れば調整が長引くことになります。
先週の予測では、イエレン議長の年内利上げ示唆もあり、ドル高基調であるものの、かなり織り込んでいるとの見方もあり、125円が当面の上限と考えられることから122~125円のレンジを想定。
結果的に週始めの20日(月)は、アメリカ株式の上昇を受け一時124.47円までドルが買われるものの、大手銀行の決算を嫌気し21日(火)は、上昇分を吐き出し123円台後半の動きとなりました。その後は企業決算の予想を下回る結果からドル売りと早期利上げ期待からのドル買いの強弱感で123円台後半の動きが続きました。週末の7月24日(金)は123.81円で引けました。
今週は、アメリカの4-6月期のGDPや経済指標に注目となります。GDPが予想を上回れば9月利上げ観測が高まり、125円を試す動きとなりますがGDPが予想を下回れば12月の利上げ観測に傾き122円台までのドルの下落の可能性があります。基本的に122~125円のレンジは変わらないと想定されます。
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出島昇
柴田罫線実践教室
株式会社オルタナレッジ「柴田罫線」で分析した提供レポートです。「柴田罫線」というテクニカル分析をベースに、株式相場の分析をおこなってまいります。
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